温泉施設
私は女性騎士であるキャロルさんを温泉に浸けてから2時間が経過したので回復魔導を使って危険な状態から脱するレベルまでに回復させていた。
「もう大丈夫」
「……大丈夫とは?」
「もう治った。 だからキャロルさんを温泉から取り上げるから向こうへ……」
「は、はい!」
オリビアは回復させたキャロルさんの両脇を持ち、無造作に引き抜くように温泉から取り出す。
『ちょ、オリビア? 一応は病人なんだから優しくね?』
『治ったんじゃないの?』
『まあ、そうだけど。まだ治したてだし傷が悪化しても良くないから優しく扱わないと駄目なんだよ』
『分かった!』
うーん、オリビア本人の身体が丈夫だから、オリビアは他人も同じ位に丈夫だって考えている節があるな。
もう少し本人の身体が規格外だという事を教えないとダメだな。
その後、オリビアにキャロルさんの服を着せてからランクスさん呼ぶと、飛ぶように戻ってきた。
「キャロルは治ったんですね!」
「うん。 あとは目を覚ますだけ」
そのままだといつ目を覚ますか分からないから、私達は帰る事にした。
そろそろ帰らないとオリビアの両親が起きる時間に間に合わなくなるからな。
「私はこれで帰る。」
「えっ? あ、ありがとうございました、天使様」
「私は温泉に入れただけ」
「……そう言えば、何故こんな場所に温泉施設が? 見た感じ出来たばかりの様にも見えるのは……もしかして天使様がこの為にご用意を?」
「こういう時の為に用意していたけど、普段は隠しているから秘密にして欲しい」
本当は私達だけの為に用意したけど、ランクスさんや騎士の人に見られてしまっては隠蔽で隠しても意味が無くなるんだよな。
「分かりました! あの、もしかしてこの温泉には不治の病にも効果があったりしますか? キャロルの様な重症状態でも回復したわけですし」
「試してみないと分からないと思う」
キャロルさんも実質私が治しているから、この温泉に切傷での重症な状態を治すほどの効果は無いけど、内臓疾患などにはかなりの効果があるから、どうせなら試してみるのも有りかもしれない。
もしかしたら数回浸かるだけで治るかもしれないしね。
「分かりました!」
「じゃあ、私はこれで」
オリビアと私は温泉に入りたかったが、ランクスさん達が帰るまで待っているほどの時間が無いので仕方なく帰ることにした。
『もう少し早く襲撃に気がつけたらもう1人も助けられたかな?』
『まあ、気がつけたらね。でも気がつけた事自体が偶然みたいなものだから、1人助けられただけでも良かったと思わないとね』
『そっか』
実際はランクスさん達が何人で移動していたか分からないので、死亡したのが何人かは分からないが、名前からしてランクスさんは王族だろうから護衛2人だけで移動するなんて事はないだろう。
事実を教えてもオリビアが気にしてしまうから言わないけど……




