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ランクス 2

「私はランクス・グラスと言います。」


「えっと、私はゾディアです。」


「助けて頂きありがとうございます。 それで申し訳ないのですが、天使様に負傷した仲間を助けて頂きたいのですが……」


「私は天使じゃなくてゾディア。」


『オリビア、天使ってのは個人の名前じゃなくて種族の名前だよ。 あと負傷した人の近くに行ってもらえるかな。』


『そうなんだ。』


 オリビアに負傷した人の近くへ行ってもらったけど、男女ふたりのうち男性は既に亡くなっており、女性の方もかなりの怪我で数十分持つか微妙なレベルだった。


『負傷した人は街まで持たないかもしれない。』


『助けられない?』


『ちょっと魔力量が足りないかもしれない。』


 こんなトラブルがあると分かっていたら温泉施設の作成に魔力を使わなかったのになぁ……


「負傷した人は街まで持たないかもしれないみたい。」


「そうですか……」


 あっ!


 温泉施設が使えるかもしれない。


『オリビア! 早急に負傷した女性を担いで温泉施設に連れていって。』


『分かった。』


「ちょっと女性を施設に連れていっていい?」


「その施設とは治療出来る場所なのですか?」


「多分。」


「……分かりました。 ゾディア様にお任せします。」


「ならすぐに行くから着いてきて。」


 そういうとオリビアは急加速で温泉施設へ走っていく。


 うん、完全にランクスさんはついてこれていないな……


 オリビアが温泉施設に向かっている間に重症の女性に簡易的な回復魔導をかけ、簡易的に傷口だけでも塞いでおく。


 傷口自体は魔力が全快の私にかかれば余裕で塞げるのだけど、血を流し過ぎたのもあり本人の体力がほとんどなくなっているのが特に問題だった。


 私が助けられるレベルの回復魔導を使えるようには2時間はかかる予想だから、それまでの間は回復効果を付与した温泉に入れて2時間を耐えてもらおうと考えたのだ。


 でも、重症な人を温泉に入れているなんて分かったらランクスさんは何て言うかな……


 普通に考えたら温泉に入れるなんて論外だし、オリビアの説明では納得出来なそうなんだよな。


 しかし、今温泉から出してしまうと危険だし……


「はぁ、はあ。 やっと追い付きました。 ゾディア様は身体能力が凄まじいですね。」


「そう?」


「それで負傷していた女性騎士のキャロルはどちらに?」


 やっぱり騎士なのか……


 って事はランクスさんは……


「あそこで治療中。」


「えっ? あれは温泉に入れているのですか?」


「うん、回復効果のある温泉。 あと2時間で治る予定。」


「ゾディア様、本当に大丈夫なのですか?」


「ゾディアが大丈夫って言ったら大丈夫なんだよ。」


「……分かりました。 ゾディア様を信じましょう。」


 負傷した女性を温泉に入れておいてアレだけど、ランクスさんは何でこんなに私達を信じてるのだろうか?

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