温泉
私とオリビアはいつもの様に街の外に出て、反転宝玉を探していたのだが、私が考えた探索の欠点をオリビアが質問してきた。
『ゾディアが使ってる探索は土の下も調べてるの?』
『えっ? 地中10メートル位までは調べてるよ。』
『それより下に埋まっていたら?』
『うーん、違う地中探索魔導を発動しないと分からないかな。』
あまり地中の事は考えてなかったというか、前世の時に使っていた広範囲探索魔導は地中50メートル以上もカバーしていたのだが、その時に反転宝玉を地中に埋めている魔族はいなかったから、手間をかけてまで地中深くには埋めないと勝手に考えていたけどオリビアみたいな子供が考える位だから可能性はあるのかもしれない。
しかも瘴気は地上ほど動物に直接的な影響を与えないが地中でも地質などに影響を与え、間接的に動物へ影響を与える事がある。
前世で魔族が住むとされていた魔大陸では、魔族から出る瘴気により魔大陸の土は変質してしまい魔族しか住めない魔境とされていた。
『グランザリア周辺はほとんど探索したから、当分は地中の探索も考えてみるかな。』
『地中の探索は大変?』
『いや、魔力的には地上より少し多く使うだけだから大丈夫なんだけど……』
『だけど?』
『地中には魔力が流れる地脈ってものがあるんだけど、地中内のプレートって呼ばれるものと地脈が交差しているポイントに地中探索魔導をぶつけてしまうと不味いことになるから、ちょっと慎重にやらないといけないのが地上よりは大変かもしれないね。』
『なにが起きるの?』
『地震だよ。』
『地震?』
『詳しくは難しいから省くけど、大地が激しく揺れる事だよ。』
『たまに揺れるやつだね。』
『そう。 それの凄く規模が大きいやつね。』
『想像出来ないかも。 じゃあ地中の探索は止めた方がよい?』
『私はそんなミスをしないから大丈夫だよ。』
そう、私は探索魔導はかなり得意としており、私以外の魔導師は地中探索魔導を使うことは出来ないレベルには難しいのだ。
『じゃあ私はいつも通り走るね。』
『よろしく。』
私は地上と地中を交互に探索魔導をしながら進むこと1時間が経過した頃、面白いものを発見した。
『オリビア、ちょっと止まって。』
『ん? 見つけた?』
『反転宝玉じゃないものを発見したかな。』
『何を見つけたの?』
『温泉の源泉。』
『温泉?』
『うん、天然のお風呂みたいなやつだよ。』
『お風呂大好き!』
『しかも温泉には身体に良い効果がある場合があるんだよ。』
前世では私も温泉が好きでよく入っていたな。
『私も温泉に入りたいな……』
『ゾディアは本だからお風呂はダメじゃない?』
『確かに普通の本なら温泉に入れるなんて論外だろうけど、実は私は防水仕様だから大丈夫なんだよ。』
ちなみに私は本なのに水以外にもある程度の火や斬撃、衝撃などにも耐えられるのが分かっている。
流石に破壊したら怖いから耐久テストも手加減したけどね……。




