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~見えない戦い~

 これまでの、この世界での戦いとは一線を画す事になる。力押しで来る相手ならば力で押し返せば良かった。しかし、今度はそうはいかない。

「厄介な事になったわね。還さなきゃ良かった? 」

「いや、このメンバーなら、そうでもないだろ? 」

 セレスティアの問い掛けに、朱鷺坂は周りを見渡して、そう答えた。

「どう分けるんだ? 二人づつ均等に割り振るのか? 」

 志田としても、話は聞いていたが全ての方位を突破しなければならないとなると難しいと考えていた。

「相手の能力が分からないってのは確かに厄介だが、可能性を最優先に考えれば、選択肢はそう多くない。」

 朱鷺坂には編成が見えているようだ。

「そうだな。俺、クロノス、セレス、黒姫士の攻撃を分けるか。」

 志田の案に朱鷺坂は首を横に振って、あっさり否定した。

「いや、分けるのは俺、セレス、明日香、実里だ。志田はセレスの背中を守ってくれ。明日香には都、実里には猫まんま、美子はセレスと志田のサポートを頼む。」

「貴様だけ1人か!? 」

「妥当な線ね。」

 志田が異議を唱えようとして、今度はセレスティアにあっさり否定された。

黒雪姫シュニーシュバルツは回復役が居なくて問題ないの? 今の白美神ヴィーナスは、貴女の団員ミットグリートなんでしょ? 」

「問題ない。セレスの方が二人とも物理攻撃だし、黒姫士には竜鱗の守りがある。」

 セレスティアの問いに都が答えた。

「だが、白上が狙われても守ってやる余裕は無いかもしれないぞ? 」

「御心配は御無用。白美神の守りは、この最高の執事、雪兎にお任せあれ。」

「そうそう。朱鷺坂にだって、この陽子ちゃんがついている。一人じゃないよ。」

「確かに、このベオウルフを含めても攻めのみの我々の所に回復が居れば安心して攻め込める。」

「組分けが終わったら、とっとと、お行き。サマエルとの戦いが終わったばかりで申し訳ないが、彼奴等あやつらが一枚岩とも限らぬ。他の二十八宿がプシャヤとやらのゲームに付き合う気があるのかも分からぬ。わしの叡知はこの世界のもの。異界の事までは分かりゃせん。気が変わって障気弾を破裂させんとも限らん。急いだ方がいいじゃろう。」

「そうだな。全員、一気に転送するぞ。準備はいいか? 」

 朱鷺坂の言葉に全員が苦笑する。数値が見える化されてないとはいえ、朱鷺坂のMPだって無尽蔵ではない筈なのなのに、と。サマエル戦でどれだけ消耗したのだろう。

「その回復力、やっぱチートだろ? 」

「魔導砲の急速充填アクセラチャージに比べたら、自分の回復の方が楽なもんだよ。超時空転送っ! 」

 朱鷺坂は志田の問いに嘯くと全員を四方陣へと転送した。

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