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~地獄からの使者~

ー特異点ー

三国の主が即位した時にしたに召喚する、特殊な能力ちからを持った存在のこと。

「へぇ、この世界に来て間もないのに、天帝名代とは、えらく信用されたものね? 」

 どうやら、この世界の天帝やら女王やらという人間は、かしこまった言葉使いが苦手なのだろうか? そんな疑問を朱鷺坂でなくとも感じてしまうだろう。だが、天国の侍従長イザナや女王の乳母だというエウノミアの話しからすれば、アマテラスやデュシスの方が特殊なのかもしれない。

あららぎも女王陛下の名代だと名乗ったぞ? 」

「そうだった。えっと… 」

 デュシスが話し始めた所で、外で大きな爆発音が轟いた。

「陛下っ、地獄軍の奇襲ですっ! 」

 駆け込んで来た伝令が息を切らせながら叫んだ。

(この会談を狙ったな。何が祭事の出席だ… )

 船内で確認した祝辞の文書には同盟締結の件が書かれていた。何事も起きなければ、別に問題はなかったが、締結前の奇襲に対応の判断を迫られた。

「それで現状は? 」

「装魔の方が向かっていらっしゃいます。 」

「そんな蘭々には無理よっ! 」

 デュシスと伝令の会話に朱鷺坂が割って入った。

「蘭々? 」

「えぇ、あららぎの事よ。猫魔導師に戦闘なんて出来る訳ないのに… 。」

 それを聞いて朱鷺坂の覚悟は決まった。

「陽子、行くぞっ! サクヤはここを頼むっ! 」

「承知いたしました。」

 デュシスは呼び止めようとして止めた。

「まぁ、これで同盟締結は既成事実よね。」


 


「我等が鬼道の力、見せてくれんっ! 」

 地獄の鬼道衆が鬼道書を広げた瞬間だった。

「猫まっしぐらっ! 」

 蘭々の掛け声と共に多数の猫たちが鬼道衆に襲いかかった。

「乱れ引っ掻きっ! 」

 次の蘭々の掛け声で猫たちは鬼道衆の顔や鬼道書に爪を立てた。

「うわっ、やめろ…痛っ! 引っ掻くな、くそっ! 」

「見てらんねぇなぁ。下がれ鬼道衆っ! 」

「ちっ…角も無いくせに、特異点だからと偉そうに… 」

「その言葉、族長への口答えとして捉えていいんだな? 」

「し、失礼した。下がるぞっ! 」

 男の号令で鬼道衆たちは、後から来た三人を残して去って行った。

「鬼族だか何だか知らぬが、角の有るのがどれ程の違いだと言うのだ? まぁよい。貴様が極楽の特異点か? 」

「そ、そうばいっ! 」

「… 我は地獄からの使者『砂の旅団(サンド・レギオン)』の団長マスターアントリオン。 」

「えっと…あたしがアラネァで、彼がスコルピオン…だっけ? 」

 一緒に現れた女性がアントリオンと名乗った男の顔を見ながら言った。

「二人共、早く自分のコードネームに慣れてくれ。さて、名前くらいは聞いておこうか? 」

「お嬢、退けっ! 」

 蘭々の前に見知らぬ少年が飛び出した。

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