とある会社の朝の光景(クリスマスイブ編)
秘書 「おはようございます」
社長 「おはよう。傑作が完成したよ!」
秘書 「本日の予定ですが……」
社長 「待ちたまえ!今日が何の日か知らないのか!?」
秘書 「12月24日です」
社長 「そう、クリスマスイブだよ!そんな日に仕事をしろというのか、君は!」
秘書 「それが私の仕事です。そして社長が仕事をしなければ社員が露頭に迷い、その家族まで巻き添えになります。社長が「それがクリスマスプレゼントだ!」というのであれば、仕方ありませんが」
社長 「くぅ……そこまで言うことないだろ。だが、私が徹夜で作った、このプレゼントたちは届けておくれ」
秘書 「どなたに届けるのですか?」
社長 「世界の恵まれない子どもたちに、だ!」
秘書 「とりあえず日本の恵まれない子どもたちに届けます」
社長 「特に、私お手製の妖〇ウォッチは慎重に運んでくれよ」
秘書 「伏字を入れましたが著作権にひっかかる行為は止めて下さい」
社長 「小さなことは気にするな」
秘書 「小さくないです。大手玩具メーカーを敵に回すことになります」
社長 「それより見たまえ。時計部分は御影石を削り、バンドの部分は樹齢百年越えの楠木を使用したんだ。そして時計を覆っている半円形のドームは天然の透明石を被せてみた。素晴らしいだろ!」
秘書 「つまり墓石で時計を作って、木魚の原料でバンド部分を作成して、それを半円形の水晶で覆っているのですね。子どもが泣きだしそうなリアルな妖怪が呼び出せそうですね」
社長 「だろう!」
秘書 「では、それはお寺でお祓いしてもらいます。ちなみに他のプレゼントも社長の手作りですか?」
社長 「いや、これ一個作るだけで精一杯だったのでな。あとは既製品だ。あ、プレゼント包装だけは自分でしたぞ」
秘書 「では、社員のミタに包装をやり直させてプレゼントを届けに行きましょう」
社長 「ん?私の包装に不満があるのか?まあ、いい。ミタ君を選ぶあたり、君も良く分かっているな」
秘書 「では、失礼します。スケジュール帳を置いていきますので本日の予定について目を通しておいて下さい」
社長 「わかったよ」
パタン。
社長 「ドアクローザーを変えて正解だな。これなら、どんなに勢いよくドアを閉めても、途中でスピードがゆっくりになるからドアが壊れる心配がない」
その頃、オフィスでは……
社員M 「おはよう」
社員A 「おはようって、おまえ何悠長に出勤しているんだよ。早く逃げろっていうか早退しろよ」
社員M 「は?なんでだ?」
社員B 「おう、朝から騒いで、どうした?」
社員M 「こいつが早退しろって言うんだよ」
社員C 「なんでだよ?」
社員A 「今日は何の日だ?」
社員D 「クリスマスイブだろ?おれたち独身・彼女なし組には関係のないイベント日だ」
社員A 「そこまで詳しく言わなくても分かっている。というか、虚しくなるからやめろ。で、そのクリスマスに……」
社員E 「女ターミネ……違う!今日は違うのが来たぞ!」
社員F 「来たか!」
社員G 「前回は魔女だったからな。今回はミニスカ、サンタコスか?」
社員H 「それを楽しみに、今日という日を指折り数えていたからな!」
社員G 「違う!あれは……あれは、赤鼻のトナカイだ!!!!!」
社員F 「裏切られた!!!!!!!」
社員D 「勝手に妄想していた方が悪いだろ。それより早く逃げないと!今日のターゲットは誰だ!?」
社員M 「おれに来るなあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!」
社員C 「今日のターゲットはミタだったか。そういえば、おまえ今日のターゲットがミタだって分かっていて早退しろって言ったのか?」
社員A 「あぁ。少し考えれば分かるだろ」
社員B 「どういうことだ?」
社員A 「ミタの名前を別の読み方で読んでみろ」
社員全員 「三田!」
日本は24日が盛り上がりますが海外は25日が盛り上がるみたいですね。
某国では25日に外出をしたら正月以上に人がおらず店が閉まっていました。
そしてクリスマスツリーやサンタグッズが1月7日まで飾ってありました。
宗教の関係らしいのですが、その年は正月を迎えた感じがしませんでした(笑)