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闇にうごめくもの

 暗闇の中、何かの意思がうごめいていた。

 そいつは何かを探す様に辺りに黒い悪意を撒き散らす。


『どこだぁ・・・! どこにいる・・・!』


 恐怖に震える俺の意識にそいつは絡みつくと大きく咆哮をあげた。


『みつけたぞぉぉぉぉおおおお』


 不定形の意識だけの存在だったそいつは大きなおぞましい獣に姿を変え、その顎で俺を喰らわんとーー


「うわああああああああ!」


 俺は自分の叫び声で目を覚ました。

 小さな部屋、柔らかい布団・・・

 枕元には水の入った桶と俺が起きた時に跳ね飛ばしたと思われる濡れた布が落ちていた。


「おや、兄ちゃん目を覚ましたかい?体は大丈夫かい?」


 すっと扉が開き、大柄な中年女性が盆を持って入ってきた。


「へ?あ?・・・体?」


 俺が答えられずにいると女性が説明してくれた。

 俺が森で倒れていて、あの女の子がこの女性に知らせにきてくれたということである。

 んで、俺は酷い熱を出していて丸一日は寝込んでいたとか。

 うーん・・・森で消火した後、濡れた服のまま地面で眠り込んじゃったせいだろう。

 あの子に出会わなかったら危ないところだったのか・・・。

 って、服!? 体を見ると俺の服は浴衣の様な服にかえられていた。


「あんたの服、泥だらけだったから脱がして洗っちゃったよ。

 死んだ亭主の服で悪いんだけど、しばらく我慢してね」


 そっと下半身を覗くと俺のジャスティス、トランクスすら脱がされて何か腰布の様なものが巻かれていた。

 ひょっとしてこの女性に見られちゃったのだろうか、俺のジャスティスの中身・・・

 急に恥ずかしくなって俺は小声で答える。


「あ、いえ、こちらこそ、いろいろご迷惑をかけたみたいですいません・・・」


「困った時はお互い様さ!気にしなくて良いんだよ

 そうそう、腹減ったろう? 食べなよ」


 女性は俺が何を心配していたか気付かなかった様だ。思わず俺はほっとする。

 そして彼女は温かい粥を差し出してくれた。

 急激に空腹を感じた俺は急いでかっこんでしまいむせる。


「ほらほら、ゆっくり食べないと体にわるいよ? ほら水飲んで」


「ありがとうございます・・・、えっと・・・」


「ああ、あたしはマリーっていうのさ、よろしく。あんたはなんて名前なんだい?」


「あ、いや、その・・・それが・・・覚えてないんです。」


「え!? じゃあ、あんたの家は?何で森にいたんだい?」


「それも思い出せません・・・」


「うーん・・・そいつは困ったねぇ・・・」


 マリーさんは俺の為に親、親類、どんな家に住んでいたかなど、色んな事を訊ねてくれたが、俺は何だか申し訳ないぐらい答えることができなかった。

 彼女は「親の顔も思い出せないなんて何と不憫なんだろう」とうっすら涙目になり腰に巻いたエプロンの様な物で目頭を拭いていた。


「そんな様子じゃ、あんたどこにもいくアテもないんだろ?

 記憶が戻るまでウチにいなよ!」


 マリーさん、勢いで決めちゃってるけど本当にいいの!?


「え、そんな、こんな見ず知らずの者が・・・いいんですかぁ?」


「いいんだよ!かわりにうちがやってる旅籠を手伝ってちょうだいよ!

 色んな人が泊まりに来るから、そのうちあんたの事を知ってる人が来るかも知れないだろ」


 うう、マリーさん超いい人。でも、異世界からきた俺の事知ってる人なんて来ないと思う。ごめん、マリーさん、記憶喪失は本当だけど、異世界からきたとか言えなかった。

 というわけで、俺はマリーさんのうちで住み込みで働くことに。

 異世界に来て三日目にして、俺のぼっち旅終了である。

ぼっちじゃなくなってしまったので異世界ぼっち旅完結です。

すいません、思いついたまま、厨二病のおもむくまま書いてしまいました。

感想もらえたら嬉しいです。

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