厨二病患者になりきれない
疲れ果てて洞窟でふて寝した俺。
二時間ぐらいは寝たんだろう。目覚めてしばらく真っ暗な中で考える。
俺は誰で、 何で、俺はこんなところにいるの? こんなぼっちの世界で神様どうしろっていうのか。神様だったらもっとチート能力とかくれてもいいんじゃね?
そんなことばかりが頭の中で堂々巡りする。
俺の想像するカッコいい能力・・・やっぱり魔法だよな。魔法使いになってすんごい魔法をドカバカうって敵を蹴散らし、可愛い女の子にモテモテ・・・なはずなのどうなっているんだ、この異世界!
俺はたわむれに人差し指を挙げて「火よ、灯れ」と呟いた。
シーン・・・
「ハハハ、そんなことあるわけないよなぁ・・・あっ・・・うぁ・・・なん・・だ!? あつい!?」
俺の体の奥で何か熱いモノが湧き上がってくる。
それは出口を求めて俺の体を巡る。
「くぅっ・・・はぁっはぁっ・・」
真っ暗な部屋で一人ハァハァ言ってるが決してオ◯ニーをしてる訳ではない。
俺の体の中で出口を見つけられなかった何かが滾っているのだ。それは最後俺の腹の中で暴れるようにうねって消えていった。
「 なんだ!? 今の!?」
ひょっとしてこれが魔法ってもんなんだろうか!
俺は早速外に出て、ふて寝する前に用意した壷の前に行く。先ほどと同じく右手を掲げ、
「火よ灯れ!」と叫んだ。
また体の中で熱いモノが流れる。さっきと違って今度は明確に流れが分かる。俺のへそのすぐ下辺りから湧き出し、右腕に流れていく。
ところがそれだけで流れは消えていって何も起こらなかった。
「ファイアー!」
シーン・・・
「うわああああ」
英語でやってみた俺、恥ずかしすぎて草むらで頭を抱えて転げ回ったよ。
もうね、何この一人羞恥プレイ。
落ち着け俺!
なんか何か魔法?魔力?っぽいモノが流れているのは間違いないのだ!
あとはそれを如何に出力させればいいかってだけだよな!
考えろ〜考えろ〜、諦めたらそこで終了って安◯先生も言ってました!
だいたい魔法ってどうやって使うんだっけ? だいたいポーズキメキメで呪文唱えてドッカーンだよな!?
そーだよな!? だよな!!
俺の脳裏にあるアニメキャラが浮かんだ。そのキャラは片目を隠してキメキメッでこう唱えたはずだ!
『ル◯ーシュ・ビィ・ブリタニ◯が命ずる! 俺の言うことに従え! 』
よおーし、俺もキメキメで・・・! ポーズをキメ、息を大きく吸って・・・・。
・・・・・・あ、俺、自分の名前わかんねーや・・・バッカじゃねーの!? バカーバカー!俺のばかぁああああ!
俺は再びのセルフ羞恥プレイに身悶え、草むらに転がりまくったのは言うまでもない。
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