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黒旋律の歌姫  作者: 梔子
二章【再会編】
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歌声丘の事件3

双子が嫌われそうだ……。(´〜`;)

ガタガタガツン!ガ!ガ!ガ!ガタガタ!


馬車の車輪が回っている。


私達は丘陵地帯の谷間を縫うような道を、馬車に乗って進んでいた。手綱を持ったトンさんが右に座り、私は左の座席に座っている。


馬車と言ったけど、馬車で合ってるのかな?幌も何もない荷車に無理矢理座席を取り付けて、馬と繋いだような物。


当然サスペンションなんて洒落た物なんてないから、ガガガガと衝撃がケツに直撃する。


痛いんですけど!硬い座席が尻に叩きつけられ、尚且つ激しく擦れる二重苦。割れる!私の小さなプリティー尻が真っ二つになっちゃうから!


あっ、最初から割れてるか!なんてチープなボケをしちゃうくらい痛いぃぃ!


最初は初めての馬車にはしゃいでいた。自動車とは全く違う雰囲気や、流れる風や風景に喜びましたよ。ただ移動しているだけなのに、物珍しくて堪らなかったよ。


トンさんと私の間に、干し草から顔を出したセンティーレとリズムをとりながら体を左右に揺らしていたりもしまいましたよ。


センティーレが「キュ」と鳴くと右に体を傾け、センティーレが「キュキュ」と鳴くと体を左に傾けた。トンさんもノリノリで長閑な歌を歌ってくれて、ご機嫌だった私はもういない。


ウ〇コするように座席から中腰になり、腰を浮かせて痛みを堪える私が此処にいる。


「休憩するべ?天使様」


涙目で中腰になっていたら、トンさんが提案してくれた。


すみませんトンさん。


村から出発して一時間。三度目の休憩です。


休憩場所は、畦道の脇にある小さな広場。誰かが管理しているのか、草木が刈られて地面は均されている。そこで私は、荷台に片手をついて痛みに堪えていた。



「キュー?」

「っーー!」


干し草の中から出てきたセンティーレに、尻をチョンと触られて悶える。


痛いぃー。尻が靴擦れみたいになってる予感!


私ってアレだよね、考えてみたら、かなりの箱入りだよね!何てったって監禁生活苦節十年だよ!


十年間、冷暖房完備な場所に居たから耐性ないわけよ。ケツも傷付くのよ!


「キュー」


チョン


「ーー!?」

「天使様、これ使うべ?」


センティーレに弄ばれ、悶える私に、見兼ねたトンさんが軟膏をくれた。


どうやら靴擦れに効く軟膏らしいが、私の尻擦れに効くのだろうか?


木陰に隠れて、軟膏を塗った両手で自分の尻をナデナデしながらフト思った。


てゆーか、あーあ。何か紫色になってるよ。私の肌って生まれてから一度も日焼けした事がないから、染み一つない白さなんだけど、そのせいで、どす黒い紫色が目立つ目立つ。


なんか、お尻ペンペンされたみたいだ。大丈夫かな?跡になったりしないかな?嫌だなー蒙古斑みたいになったら。せっかくの汚れなきお尻が……。


等と私が尻の行く末を心配していた時。


「む……村が!?」


茂みの向こうからトンさんの叫び声が聞こえた。


「?……!?」


慌ててズボンを上げて茂みから出ると、私はトンさんが指差している方向を見て息を飲んだ。


村が……先程までは、遠目でも長閑な風景が感じられたチャラポラ村が、炎に包まれていた。


火事とかそんな雰囲気ではない。村のあちらこちらで炎があがっているのが、此処からでも分かる。


「盗賊か!?」


トンさんが目を吊り上げて叫び、腰に吊り下げられていた剣を確認する。


そう、見た目ビール腹のプクプクしたおじさんであるトンさんは、実は剣を使えるのだ。若い頃に冒険者をしていたらしい。


今も鍛練を趣味にして、見た目は太っていても、プクプクそうな腹の中にはミッチリ筋肉がつまっている。


先程触らせて貰ってガッカリしたから本当だ。


「すまないべ天使様、今から戻るべ」


トンさんの言葉に頷く。だがしかし、やる気溢れる私は待ったをかけられた。


「天使様は此処にいて下さいだべ」


なに!?


自分も一緒に行くとの意志表示に拳を振り上げるが、トンさんは苛立たしげに首を振る。


「戦えねえ天使様は、ぶっちゃけ邪魔だべさ。安全な場所にいてけろ!」


叱られた……。


早く村に向かいたいのだろう。私を叱ったトンさんは、馬車から馬を離して馬に乗ろうとする。


その様子を見て、何やら考えていたセンティーレが、私を見上げた。私がセンティーレを見つめると、見たこともない鋭い目つきのセンティーレが「キュ」と鳴いた。


「!?」


私は、センティーレの言いたい事が、何となく理解出来てしまい盛大に焦った。


センティーレは、トンさんと一緒に行きたがっているのだ。


確かに、センティーレに乗ればあっという間だし、センティーレは竜で全属性のブレスを吐くし、魔法陣もお手の物だ。あの狂竜無双よりは劣るが、きっと役立つだろう。


だから、トンさんに協力するのは良い。でも、それだったら、私も連れて行ってくれ。


私はセンティーレの角を握るが、センティーレは安心させるように私の頬を舐める。


「竜様……礼を言うべ」


既に何かを分かり合ったような、トンさんとセンティーレ。二人とも戦士の目付きになっている。


私はその雰囲気に何も言えなかった。この三日間の思い出が脳裏を駆け巡る。


間抜けでお調子者の村人達。その無邪気なボヘーとした笑顔。


今は我が儘を言う場合ではない。私は、センティーレが行く事に頷いた。





センティーレに跨がったトンさんは、鬣を握りながら念を押す。


「天使様、行ってくるべが、もしかしたら周りに盗賊がいるかもしんねーべ。絶対、竜様が作ったソコから出ちゃダメだべ。捕まれば、綺麗な天使様なんて、すぐに売られちまうだ」


私は、センティーレが地面に描いた魔法陣の中で頷く。


「キュッ!キュキュ!」(マジで!出るなよ!)


センティーレが真面目な顔で釘をさすから、不承不承頷く。


「じゃあ、行ってくるべ」

「キュー!」



私は、立ち去るセンティーレ達を見送った。


二人が見えなくなった後、私は膝を抱えて座った。


一人だ……。


私は座りながら、茂みを眺める。私が座っているのは、花樹が集まり茂みになり、中心に僅かなスペースがある場所だ。


隠れるにはピッタリな場所に、私は座っている。


ヤバイ……、寂しい。


今気付いたけど、一人ぼっちって、目茶苦茶寂しくて心細い。


今まで、ずっとセンティーレが居たから気付かなかったけど、実は私は一人が嫌なタイプだったらしい。そりゃ、十年間一瞬にいた存在がいなくなれば寂しくなるよね。


私は寂しさを紛らわす為に、心の中で鼻歌を歌う。だが、猛烈に虚しくなったから止めた。


フト視線をずらすと、私が座っている茂みから、燃え上がる村が見えた。


それを見て、私はギュウと自分の服を握った。


皆は無事だろうか。


今はまだ、死神様の鎮魂歌は聞こえないから誰も死んでいない。




私は、神の加護によって神様達の気配を感じることが出来る。


もし、誰かが死んだのなら、死神様が魂を迎えに来る時に、周りの亡霊が歌う鎮魂歌が聞こえる筈だ。


でも、一人にされるのは不安にだ。村人達の為に何かしたいが、何も出来ない自分がもどかしい。


私も皆の為に動きたいのに、センティーレもトンさんも私を頼りにしてくれない。残された私を守る為に、センティーレが尻尾で描いた魔法陣の中に留まれと言われた。


私は不安や心配、寂しさに心細くなり、村を見つめながら首飾りを手で弄んだ。


これは私の癖みたいな物だ。鎖を握り、先端の半球を唇につける。繊細な金属細工のヒンヤリとした感触が心地良い。大丈夫……大丈夫。センティーレは強い。山賊なんて一瞬で倒してしまう。


腐っても竜だ。人間に遅れなんてとらない。


でも不安だ。


私は唇を噛み締める。




センティーレもいなくなったらどうしよう?


マスターがいなくなり、あの子もいなくなり、次はセンティーレがいなくなったら?


暗い暗い研究所の中、ずっと待ってた。


神様達は非常に気まぐれだ。毎日来たと思ったら、唐突にいなくなったりする。いついなくなるか分からない。次は来ないかもしれない。


研究所に囚われたまま、神様達に飽きられるかもしれない。なにせ、私は神様達の誘いを、不敵にも断り続けていたのだ。


いつ見捨てられてもおかしくない。もしそうなれば、私は一人であそこに取り残されてしまうだろう。


沢山の人々が死んだ研究所で一人で。


センティーレがいたから、私は安心できた。優しいセンティーレがいたから、私は笑って神様と触れ合えた。怯えずにいられた。


一人でいると当時を思い出した。


あの暗い研究所でセンティーレと一緒に待った日々。


ヤバイ……暗い思考が止まらない。新しい世界に触れた喜びで、ごまかして考えないようにした思い。


十年も待っていた。「迎えに来るよ」と言った言葉を信じて待った。


なのに誰も来なかった。


涙が滲む。


ねえ、弟よ。貴方は私を見捨てたのか?


私を見捨てるなら、迎えに来るなんて言わないでくれ。


いや、分かっている。


あの結界は神でもなければ分からない。おそらく、千里眼や霊視スキルでも分からない。けど、一人という不安で、湧き出る厭な考えがおさまらない。


見捨てるなら良い。仕方ない。


だけど……もし……。


ああ嫌だ。歌えないと厭な考えがグルグルと回る。


私は空を見る。


澄んだ青空が見える筈なのに、何故かぼやけてグニャリと歪んだ。


冷たいのに、熱い液体が頬を伝う。


君は死んでしまったの?


嗚呼……歌いたい。


歌ったら何でもできるのに。嫌な考えを整理したり、神様の力を借りたり。沢山出来るのに。


歌いたい歌いたいよ。


フフフ……、随分と情緒が不安定だ。私は滴を服の裾で拭きながら、溜息を吐いて苦笑した。


■■■■■■■■■■■■


おかしい……。


長すぎる。センティーレがいるのに、なんで戻って来ない?


不安で立ち上がた、ちょうどその時。


ドウウン


「!?」


地震のように地面が揺れた。村を見ると、モクモクと黒煙が上がっていた。


センティーレ!!


私は思わず結界から出て翼を広げた。


飛んでセンティーレの所に行く。それしか私は考えてなくて、私は守護と隠匿の力が宿された結界から出て、翼を広げてしまった。


輝く純白が広がり太陽の光を受け、キラキラと光る。翼を二、三度動かし体が僅かに浮かんだ瞬間。


「ーー!」


じゃらじゃら


突然現れた分銅付きの鎖が、私の翼に巻き付いた。バランスを崩し地面に叩き付けられる。


「っ」


地面に体をすり、思いっきる擦り傷を作ってしまった。痛みに呻きながら体勢を立て直すと、周りには見慣れない男達がいた。


一瞬山賊かと思ったが、すぐにその考えを否定する。


彼等は開襟型の分厚い生地の服の上に鎧を着ていた。各自、軽装鎧だったり重装鎧だったりして、微妙に装備は違うが、濃い緑色で胸元に鉄の鎖を飾っているのが共通だ。


統一されたデザインやカラーから、彼等が身につけている服は、何かの制服に見える。


また、全員が役割を分担してキビキビと行動している様子は、彼等が警察や軍などの統制された組織だと分かる。


「ーっ!?」



私は立ち上がり、魔法陣に逃れようとしたが、鎖が更に首に巻き付き悲鳴をあげて地面に引きずり倒された。


ギリギリと絞まる鎖は冷たく硬く、鎖と鎖の隙間に首の皮膚が挟まり痛みがはしる。無言の男達は、私の両腕を押さえ付る。間接を押さえ付けられて、私は身動きが出来なくなる。


「隊長、確保致しました」

「おう」


もがいていたら、彼等の親玉らしき物が現れた。よく似た顔の二人の男は、私を見て顔を歪めた。


「本当に人間みてーだな。悪趣味なことだ」

「シレービュの傑作と言ったところだな。気持ち悪い……」


私は二人を見て、サアと血の気が引いた。顔付きは人の良さそうな男性達だが、私を見る瞳は、まさに物を見るよう。


そう、それはまさに、あの研究者達と同じ目付きをしていた。


その目付きが、拘束が、心の奥底の汚泥から、幼い頃の感覚を浮かび上げさせる。暗い研究所で見付けてしまった資料集を見た時の恐怖を。


男の大きな手に顎を掴まれて持ち上げられる。ギリギリと力を込められ、至近距離で見つめられ、男の指が瞼をこじ開けた。


まるで医者のように、日の光を透かして確認される。


「青い瞳に金髪」

「!?」


髪をわし掴みにされて引っ張られる。ブチブチと音がし、自分の顔の前に掲げた男の手には、少なくない髪の毛が握られていた。


「コイツだな」


痛みに呻く私を眺めながら、パラパラと髪の毛を振り払った男性が後ろの男性に確認するように尋ねた。


「分身も確認した。間違いない。コイツは兵器だ。研究所に輸送するぞ」


その言葉に、私の体に恐怖が駆け巡る。研究所で行われることは、私は嫌という程知っている。


私は暴れて首を振る。


嫌だ嫌だ!怖い怖い怖い!


「抵抗するか」


口が裂けたような傷痕がある男性が呟くと。


ゴッ!


頭に激しい衝撃が走る。頬を叩かれたなんて可愛いらしい物ではない。骨と骨がぶつかる感覚。


殴られた。


その衝撃に、目の前が真っ白に眩む。


「何だコイツ?抵抗しねーな」

「どうでもいい。二、三人は村に行った奴らの援護に向かえ。他の奴らは兵器を押さえ付けろ」


眩む視界の中に、体を押さえ付ける手が入った。逞しく日焼けをした手が、私を戒めて体を縛る。


その光景を見ながら、私は思った。


嗚呼……、これが彼等が見た光景かと。



ポキン


ポキン



翼の骨が折れる音が、体の中に響く。


■■■■■■■■■■■■


俺は青白い顔をした目の前の男。いや、人の形をした兵器を見つめていた。


殴った右手を撫でる。


そこは今までとは違い、まるで本物の人間を殴ったような生々しさがあった。


その気色悪さと目の前の兵器が浮かべる表情に、先程までのやる気がなくなる。


此処までのリアルだとは思わなかった。今までの兵器のような、不自然な感情を持つ動く人形みたいな物だと思っていた。


なのに何だコレは?


目の前で震える兵器は、まるで生きているようだ。唇を噛み締めながら、まるで泣くのを堪えるような顔で、こちらを見る姿は人間のようだ。


「どうした?」

「止めた。胸糞悪い」


俺が言うと、兄貴は苦笑して「お前は甘いな」と呟いた。確かに甘いだろう。


人間のように振る舞うからと態度を変えるようでは、兵器狩りはできない。


だがしかし、幾多の兵器を破壊した俺が戸惑うほど、目の前の兵器はリアルだった。だがしかし、コレがシレービュの魔術師が狙ったのなら、それは間違っている。


「仕方ねぇ。俺が処理するか」


両手をブラブラと振りながら兵器に近付く兄貴。兄貴は、コレみたいに感情が自然で、か弱いタイプの兵器が一番嫌いで一番キレる。


よく間違われるが、双子である俺達の中で一番ヤバイのは兄貴だ。


俺は、瞬間湯沸かし機だが、冷めるのも冷静になるのも早く周りも見えている。だがしかし、兄貴は考え過ぎる性格のせいか、周りが見えなくなる時がある。発散させずに、溜め込んで静かに怒り、キレたら中々おさまらない。

だから、適当な俺が隊長になったんだが、今の兄貴はキレた状態だ。


あーなったらダメだ。


もう止まらない。あの兵器も憐れだな。魔術防止の鎖を巻かれ、抵抗できないまま兄貴に弄ばれる。


俺は兵器を見つめる。兄貴がキレるきっかけになった、兵器の涙を見て過去を思い出す。


あの日、仲間達を殺した兵器も小さな体で涙を流していた。


■■■■■■■■■■■■


「逃亡防止の為に翼を折る。抵抗できないよう押さえておけ」


冷たい瞳の男が白い翼を掴む。フワフワした感触の翼だが、触れてみると、意外と羽根の奥は硬く筋ばっているのがよく分かる。


部下達が押さえ付け四つん這いのようになった兵器の背中に、片足を乗せた男は翼を掴んだ。


兵器は怯えた顔を浮かべるが、部下達は眉もひそめない。それは当たり前だからだ。


彼等の騎獣の中には空を駆ける個体はいない。逃亡防止の為に、そのような処置は普通である。


翼を切り捨てても良いくらいだ。


残酷な笑みを浮かべた男は、鍛え上げた両手に力を込める。


翼の根本の太い骨がしなり、ユックリと限界まで歪められる。


兵器の背が弓なりになり、口からヒュウと息を吐く音がした。


ギリリと歯を噛み締め、兵器の白い顔に脂汗が浮かび、男を請うように見上げる。


だが、男の顔は変わらない。


角度が限界域まで迎えた翼の骨がとうとう、ボキンと音を出した。


続けてもう一回、ボキン。


兵器の口が開き、悲鳴の代わりに長い長い呼吸音が出た。


彼等には聞こえていない。


兵器の耳には声が聞こえていた。


【憐れな、今から救ってやろう。我が歌姫よ】

【みーんな、殺してあげるわよぉ】

【……】

【だから、覚悟せい】

【早く主を決めるのだ】

【じゃなかったら】

【ほらぁ】

【ほらほら】



【もう一度】


ボキン


【早くしないとぉ、もっと酷い事をされるわよん】


神は無慈悲に無邪気に笑う。何故なら彼等は何にも囚われない故に。


右翼を折った男が、左翼に手を伸ばす。


涙と鼻水などの体液に塗れた兵器の口が動く。


イヤダ


それは一体どんな意味だったのか?襲い掛かる痛みに堪える為に、兵器は空を見た。


心が痛みに塗り潰されないように……。何処までも広がる空と太陽に心を委ね、痛みをごまかそうとする。


だから、彼が最初にそれを見た。


まるで太陽から生まれたように、陽を背に黒翼を広げて降りてくる男。


黒髪が風に激しく巻き上がり、黒い瞳が爛々(ランラン)と輝く。


「ウルァァァア!!」


それが上げる雄叫びは、その場の暗い雰囲気を鮮烈に切り裂いた。

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