表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒旋律の歌姫  作者: 梔子
一章【監禁編】
28/64

閑話人外の呟き

やっほー!


こんにちは鵺王だよ☆


現在この物語を読んでくれている素敵なお嬢様はたまた御婦人、はたまた紳士の皆様ありがとう。


僕からの投げキッスを贈呈するよチュッ!


皆様、何故一介の登場人物である僕がこんな風に話しているか不思議かい?ウフフフ……それは僕が【人外】だからなのさ。【神様】【妖怪】【魔族】【精霊】なんの枠にも当て嵌まらない枠外の存在。


それが僕。


今回も作者ちゃんに頼んで、コチラからソッチに語りかけているんだよ。


今回、僕が出会ったカリダちゃん。不思議な魂をしてるなーって思ったら、この子って前世の記憶を持っているんだよ。


珍しいよねー。冥王達に聞いたら、それも彼の希少価値を高めてるんだって。


ああ……だから、監禁したんだね。


ん?意味が分からないって?


前世の記憶を持つ魂って、育ち方次第では凄い聖人になったり凄い悪人になれる素質を持ってるんだよ。特に地球産はね。


この世界って神様の影響か、勧善懲悪な価値観が強いんだ。


善人は良い存在。悪人は悪い存在。良い存在は助け、悪い存在は滅ぼす。


こんな単純な感覚は特に良い人間に多い。悪はどれだけ理由があろうとも滅ぼす。


だけど、闇の神はそんな統一された価値観は好きではないんだ。作られた自分勝手な価値観で筋が通っている者が大好き。


様々な価値観が生きる地球産の魂は異世界に落ちると、思いもよらない変化を発生させるから楽しい。


ね?ヘイスケ。


善人が泣きながら悪の価値観を振り回す。

悪人が自嘲しながら少女の為に命を絶つ。

平凡な少女が戦士の瞳で剣を握る。

強気な少年が命を投げ出し犠牲になる。


闇の神は、そこで発生する覚悟や決意はたまた感情の動きが大好きなんだ。


揺るがぬ意志は好きだが、揺るがなすぎなのは楽しくない。もがいて苦しんだ先に掴む揺るがぬ意志が大好。


だよね?


うん、君達からすると、確かにあの子は甘いよね。優しいけど、まだ覚悟がない。


だからって、あーあ可哀相。此処に置き去りにするなんて……少し僕は嫌いだよ?


此処はあの子を研究していた施設だ。あの子を元にした実験や研究が数多く行われた場所だよ?沢山の資料や研究の末に壊れた残骸が残っている。


ああ……ほら、退屈したあの子が探検しに行ったよ。見ちゃったらどうするの?実験内容を見たら、【彼等】の事を知ったら彼は苦しむよ。


あの綺麗な声で、心をえぐる絶叫を吐き出すよ。



楽しみ?


絶望して人間を憎むか

失望して生命を厭うか

拒絶して世界を拒むか

反発して立ち上がるか

それとも受け入れるか


どうなるか見物?


たく……君達は本当に悪い子だね。冥王、君は冥界の皆の長男みたいな存在なんだから、あまり好き勝手にしちゃ駄目だよ。


いくら欲しいからって、悪趣味過ぎると僕が彼を連れ去るよ?


嫌?嫌なら彼に絶望ばかり与えるのは止めなさい。

絶望と希望を与えてこそ人は選択するんだよ。押し付けられた理不尽を受け入れるわけじゃなく、理不尽を選択するからこそ人は成長する。


干渉しろ冥王。


君達の悪ふざけで、小さな少年の汚れなき魂が汚れるのは楽しくないよ。


良いかい?心が澄んでいたら、その悲劇の痛々しさは増すんだ。澄んだ氷だからこそ、砕けた美しさは素晴らしいんだよ。


それを、わざわざ濁らせてどうするんだい?


魂を傷付けても濁らしたら駄目だ分かったね?そう、なら行きなさい。


どうしたんだいヘイスケ?悲しい顔をしないで。ああは言ったけど、あの子には必要な事だよ。


外にはあの子に酷過ぎる【現実】達が待っている。何も知らずに、周りから無い罪を弾劾され、それを受け入れる事は無理だろう。


だから今は此処にいるままが良い。周りから切り離された静かな此処で、あの子は創造主の死と、自分を元にして行われた所業を受け入れるんだ。


強くならなければ、あの子は自らの重みで潰れるだろう。呆気らかんと受け入れる根性がないとね。


大丈夫、あの子は多分乗り越えるよ。いや、違う受け入れるかな?


それは冥王達も理解しているよ……多分。


うん……多分、大丈夫。単純な部分はあるけど、一応リーダーだし?


大丈夫……だよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ