Prologue(修正)
こちらも変更致しました。大筋は同じですが、細かい内容が変わっておりますので、一読して頂くことをお勧めさせて頂きます。
白い部屋の中に一人佇んでいた。私はさっきまで死んでいた筈だ。
よくある病気。進行は早かったから直ぐに死んだ。そして、浮遊霊として家族に悪戯していたら、四十九日が終わったある日。突然周りが変わった。
此処は何処だろうか?
周りを見回していると、正面にテレビとコントローラが現れた。なんじゃこりゃと眺めていると…。
ピンポンパンポン
「あーあーマイクテスマイクテスお久しぶりです---様この度の人間の人生はどうでしたでしょうか?いやはや今回も貴方様は善良な人生を歩み、担当官としては地獄裁判を経由せずに直ぐさま転生に移れて残業知らずですよアハハハハハ!」
?
やけに朗らかな声が校内放送のように聞こえてきた。声は誰かの名前を呼んでいるが、何故か聞き取れない。
私が不思議そうに空を見上げていると、声は気まずそうに黙ると、あ〜と唸った。
「そうでしたそうでした、貴方様は毎回記憶を消失しているのでしたね。私は貴方様の魂の管理官です。名前はございません。貴方様の魂の管理を任されております」
魂の管理?
「はい!魂とは輪廻転生。グルグルと回っております。私達は魂が生前の行いに準じて新しい生命を迎えれるようにサポートしております。善行を刻んだかたはより良い来世を!悪行を犯した方は地獄裁判を経由した来世を!実はこの地獄裁判では私達は弁護士のような事をするのですが、これが中々…。しかしながら、貴方様は優良な魂です!今まで【理解できない数】回中、六回しか裁判を受けていない!私は楽が出来て嬉しいですよ!」
あまり良い人生とは思えない…。悪いとは言えないが善良と言えるかと言うと首を捻る。
イジメは嫌いだけど陰で他人の悪口を言ったりもしたし、他人を嫌ったりもした。他人と喧嘩して傷付けたりもした。
確かに多少は良い事をしたか?募金したり迷子を交番に連れてったり、痩せた野良猫にハムをぶん投げた(アパート暮らしだから懐かれない為)だけど、その程度。
親孝行も十分とは言えないし、どちらかと言うと趣味に走った、平和だけど平凡な腐ったオタク人生だった。
すると、声は否定した。
「貴方は苦労する人生を毎回選ばれております。自ら望み苦難の道を選ぶことで、他の者を守ってらっしゃるのですよ!例えば今回貴方様は死に絶えましたが、貴方様の臓器提供により沢山の人々が助かりました。そして、その中には歴史的重要な人物も含まれております。ちなみに以前の貴方様は次期国家首相を庇って死んだ衛兵その一です。貴方様は最強のモブ。だがしかし、貴方様の平凡な死がなければ歴史は機能しない。そんな苦行を選んで身に受けてらっしゃる。そんな事をなさるから徳ポイントが恐ろしく貯まってしまいましてね、毎回特典を勧めているのに邪魔だと断られてしまい、大変なことに…。上層部から少し減らせって言われています。ですから、今回は申し訳ありませんが強制的に特典を付けさせて頂きます」
特典?
「説明の前に、とりあえずはゲームを始めて下さい」
ゲームを出すとそこにはゲームのステータス画面が出た。
【名前】?????
【性別】?
【地位】???
【特典】受け継がれし記憶(40000Pt)
【外見】???
【総合Pt】123459
なんじゃこりゃ?
「貴方様の来世ステータスです。此処から【美形】【天才】等の様々な特典を選んで頂き、特典ごとに消費Ptが決まっておりますので、総合Ptを超えなければ幾つも選べます。普通は全て消費して来世にPtを持ち込むことはないのですが、行いプラス無欲過ぎてこんなとんでもない数字に…。普通は1000Ptあれば高いんですよ?一人にPtが貯まるのはバランス的に不安定になります。ですから減らして頂くために、一番消費が大きくて無害な記憶の継承をさせて頂きマース!」
あああ!?総合Ptが83459に減った!ちょっ外れんし!?
「ふふふ前回も嫌がられましたので対策バッチリです!ちなみに他に合計1000Ptの特典Ptを消費しなければ転生できません」
ふざけんな!余計な能力いらないわ!転生先で厄介になるだろ!
「その台詞も何千回目でしょうか!貴方様、毎回毎回そう言って地味な人生を選んでらっしゃるんですよ!毎回毎回、地獄に堕ちる魂も大変ですが、貴方みたいにPt貯めまくりの魂も、それなりに苦労するんですよ!」
知らねーよ!さっきまでベタ褒めしてたじゃねーか!
「まあ、こちらの都合ですので、今回は転生先の世界を選んで頂く自由があります。毎回ランダムでしたが、今回は好きな世界を選べます。それと特典も通常より増やしました!」
満足げに言い放つ声にイラッとして言い争ったけど、何だか物凄い長い時間を掛けて説得され、仕方なく受け入れた。
ブスッとしながら胡座をかいてテレビの前に座り、コントローラを操作する。
畜生、こうなったら完璧な腐的キャラを作ってやる。
えーとまずは性別は当然男(5Pt)
地位は生まれた時の身分かー。【栄光の王族】とか【王に忠誠を誓う高位貴族】とかは苦労するのがまる見えだ。だけど平民は楽しくなさそうだし…。
あっ…何だろうこれ?【世話役生物(未定)】(340Pt)
ねえ、何これ?
「ああそれはレア身分ですよ。今しかない身分で、人工生物です」
え…それじゃ、実験とかされるの?
「いえ、現在の状況では金持ち偏屈爺の世話をひたすらします。これはあくまで生まれた直後の状態で、以後状況が変わったりします」
何か楽しそう。レアだし、これにしよう。ちなみに王族は500Ptだった。生まれって大事だね。
次は特典か…。あと655Pt分を選ばないと。面倒臭いな…。
【魔術の才能】神様さえも配下にする才能。これで君もチートだ!
【剣武の才能】もう君の刃は空間さえ切り裂く。君の前に立ち塞がる者はいない。
【全てを君の元へ】全てが君を愛し君に心酔する。敵も対立も関係ない。だって愛してるんだぁぁぁ!
等と、とんでもない物が沢山ある。ほうほう…これがネット小説にあるチート能力か…。だけど、だいたいチート能力を持つと苦労するんだよな。
チート小説の主人公達は二つの道を辿っていた。
一つは俺TUEEEEEE状態で、皆からチヤホヤされる道。だがしかし、様々なトラブルに巻き込まれ大変な事になっていた。
もう一つは、そのようなしがらみから逃れる為に力を隠している道。だがしかし、それはかなり立ち回りを上手くしないといけない。
人格を引き継ぐ私からすると上手く立ち回る自信はない。面倒臭い…。
平凡だよ平凡。人生、平和に平凡一番。
だから、チート能力はパス。ちなみにチートは平均1000Pt必要だった。あら凄い。
他の【邪眼】とか苦労しそーな奴はパスパス。何でわざわざ苦労しなきゃならないの?普通の才能で稼ごう。
そう 言えば、私ってかなり音痴だったからなー。
とんでもない壊滅的音感で、家族にキレられたり、小学校の合唱会の時に泣きながら音楽の先生に扱かれたりしました。
歌関係の才能ないかな?おっ…あったあった、かなり下だけどあったわ。レベルが1、2、3とあり。効果が変わるらしい。
【音感3】(30Pt)と【リズム感3】(40Pt)を選択する。
あと【表現力】(35Pt)がいるかな、別の事にも役立てそうだし。あ!美声だ!美声なら能力が高くても別に困らないだろうし、声って大切だよね。なら色気も着けちゃえ!色気は大切。
【美声3】(20)と【色気2】(60)を選ぶ。色気…意外とでかい…。
あとは…、まだ300Ptもある。
【料理】【運】とかの小さな才能を沢山選択して稼いだけど、まだまだだ。
まあ、先に外見を選んでから適当な奴を決めよう。
まずは【爬虫類系顔】(5Pt)【和みオーラ】(5Pt)【下睫毛】(5Pt)【整った顔立ち】(15Pt)【通った鼻筋】(15Pt)【垂れ目】(10Pt)【一重】(5Pt)【長身】(15Pt)【痩躯】(5Pt)【モデル体型】(15Pt)【髪の色:金色】(5Pt)【瞳の色:蒼色】(5Pt)【くせっ毛】(15Pt)
フ…迷いはないぜ。実は私はかなりのマイナー思考で、大好きなキャラは某魔法学校のス○イプや聖杯戦争の老け顔な貴族が大好きでした。あと、ア○ン○ャーズのロキ様も好きよ。
昆虫系や爬虫類系の顔立ちが好き。話は変わるけど、ス〇イプ先生は蛇。貴族は鼬だし、ロキ様はカマキリだよね。
一見すると陰険な人がフワフワ和む人が好き。美形じゃない整った顔立ちなのが大切。女みたいな体型じゃない、男らしい貧相な体が好き。
世界はどうしよう?
管理人ー、今の私の特典でお勧めな場所ってある?
「それならa39、w85、d54の世界が宜しいかと」
ふんふん…最後の二つは世界的に政情不安ね、何か光の一族と闇の一族とか世界樹を巡る戦いとか起こってるからパス。あっ!同性愛が大丈夫な世界だOK!a39にしよう。「ならば魔力の特典は必要かと…あと、世界限定特典がございます」
ほうほう…。世界設定をした瞬間に特典がピコンと出て来た。
とりあえず【魔力】を選んで、限定特典を見てみると、そこには【歌姫】と書かれてた。
どんな力だろう?選択して中身を見てみようと思ったら見えなかった。
「申し訳ありません限定特典は閲覧不能です。だけど損にはなりませんよ?」
ふーん。チートじゃない?姫と書いてあるけど男でも大丈夫?
「まあ、希少ですが複数能力者はいらっしゃいますし、そこまで強力な物ではないです。歌を専門とする職のような物で男も多いですよ」
じゃぁ、せっかくだし選択しよう。限定だし。
あっ…かなりPtが減った。レアな奴みたい。
残りPtを減らす為にイロイロ選択した。なんとか1000Ptを消費すると、画面に【転生】ボタンが発生した。
「さあ、それでは始めましょう新しい生を!」
私はボタンを押した