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12/21

File.11:暴かれた未稿箱(2/4)

【記録者:久住 瑛一】

【記録日:20XX年 12月24日】


 7年前。俺がまだ『オカルトライター』なんてふざけた肩書きではなく、大手新聞社の「エース記者」と呼ばれ、社会のうみを暴くことに陶酔とうすいしていた頃の話だ。


 きっかけは、編集部に届いた一通の封書だった。


『姉が、NPO法人クオリア・メソッドに洗脳され、行方不明になりました。警察は動いてくれません。久住先生、どうか助けてください』


 差出人は、都内の大学生・真壁 圭(まかべ けい)


 当時の俺にとって、それは「救済依頼」ではなく、極上の「獲物ネタ」だった。


 『クオリア・メソッド』。表向きは脳科学を用いた自己啓発セミナーや、持続可能な社会作りを謳うNPO法人だが、裏では若者から資産を搾取しているという黒い噂があったからだ。


「……いいタイミングだ。裏取りの『証言者』が向こうから転がり込んで来やがった」


 俺は舌なめずりをして、指定の連絡先に電話をかけた。それが、地獄への直通回線だとも知らずに。


 ***


 待ち合わせ場所は、大学近くの喫茶店だった。


 現れた真壁は、どこにでもいる真面目そうな青年だった。だが、その目は不眠で落ち窪み、わらにもすがるような危うい光を宿していた。


「本物の……久住瑛一先生ですか! 記事、全部読んでます! あの政治家の裏金スクープも先生ですよね!?」


 席に着くなり、彼は身を乗り出した。俺を見る目は、憧れのヒーローを見る子供のそれだった。


「先生なら……社会の悪を許さない先生なら、あんな奴らから姉さんを取り戻してくれますよね?」


 彼は期待に胸を膨らませ、一点の曇りもない輝く瞳で俺をじっと見つめていた。そのあまりに純粋な、そして盲目的な信頼が、当時の俺には心地よかった。


「姉さんはもう、『3ヶ月』も家に帰ってきていないんです。たまに連絡がある程度になって……今はもう、電話も繋がりません。警察に行っても『成人女性の家出だ』と言われて、まともに取り合ってくれないんです!」


 彼は身を乗り出し、縋り付くような目で俺を見た。


「ああ、任せろ。俺のペンの力でお姉さんを取り戻してやる!」


 俺は頼れる大人の笑みを貼り付け、ボイスレコーダーのスイッチを入れた。


「だが、そのためには武器ネタが必要だ。お姉さんについて知っていることを全て話してくれ」


 真壁は震える手で、姉の写真と資料を広げた。


 真壁 真依(まかべ まい)。24歳。


 写真の中の彼女は、理知的で凛とした美人だった。一流大学を出て、本来なら輝かしいキャリアを歩むはずだった女性。


「姉さんは……真面目すぎたんです」


 真壁は遠い目をして、絞り出すように言った。


「当時は男女雇用機会均等法なんて名ばかりで、実際の就職戦線は不条理な格差と偏見に満ちていました。 真っ当に、真面目に社会に貢献しようと足掻く人間ほど、その歪みに心を削り取られていく。就職活動をしていた姉は、そうした社会の理不尽に晒され、心身ともに限界まで疲弊していました。」


 そんな時、当時の恋人に「論理的な思考トレーニングができる場所がある」と誘われたのが『クオリア・メソッド』だった。


 非科学的な宗教なら彼女は見向きもしなかっただろう。だが、そこは巧みに「脳科学」や「心理学」の用語で偽装されていた。その皮を剥げば、実態は前時代的な宗教団体そのものだった。


「姉さんは優秀だったから……すぐに幹部候補?にされたみたいで」


 彼から話を聞いた後、俺は一ヶ月かけて独自に教団の内部を洗った。そこで判明した事実は、弟の想像を絶するほど深刻だった。


 彼女は単なる「信者」ではなかった。持ち前の事務処理能力ゆえに、教団の経理や資産運用の実態を握る中枢へと引き上げられていたのだ。


「先月、公衆電話から短い連絡があったんです。『私は間違っていた。証拠を持って逃げる』って……それっきりです」


 彼女は見てしまったのだろう。「社会貢献」という美名の下で行われる、貧困ビジネスと、幹部たちの私腹を肥やす汚い金の流れを。


 真壁はポケットから、青いイルカのメタルキーホルダーを取り出し、祈るように握りしめた。


「これは?」


「お守りです。子供の頃、水族館で買ったペアのキーホルダーで、姉さんは赤色を持ってます。いつも身につけていて、持っていれば姉さんを見つけられるような気がして…」


 俺はそのキーホルダーを見て、「絵になるな」と冷徹に計算していた。『引き裂かれた姉弟の絆』。この記事は売れる。俺はそう確信し、彼に約束した。


「必ず見つけ出す。俺を信じろ」


 ***


 ――それから1ヶ月後。


 激しい雨の降る夜だった。


 俺は、教団の内部告発者(逃亡した元幹部)と接触し、30万円の現金と引き換えに、ひとつのUSBメモリを入手した。


 俺は人目を避けるため、近くのネットカフェに飛び込んだ。濡れた髪を拭うのもそこそこに、そのデータを自前のノートPCに読み込ませた。 30万円の対価として、それに見合う中身であることを期待しながら。……だが、画面に並んだファイル名を見た瞬間、俺の記者としての「計算」は一瞬で吹き飛んだ。


 フォルダ名:『処分者リスト』。


 その最新ページ。 『真壁 真依』の名前の上には、無機質な赤インクで『処分済』のハンコが、無造作に押されていた。 備考欄には『反逆分子』『機密持ち出しの疑い』の文字。


「……マジかよ」


 俺は脂汗を拭いながら、次のフォルダを開いた。『現場報告書』のサムネイル画像が表示された瞬間、俺は口元を抑えた。


 そこにあったのは、スクープなんて生易しいものではない。 組織による、組織のための『処刑の記録』だった。


 報告書には、機密持ち出しに関する『尋問』の経緯が、事務連絡のような淡々とした記述がされていた。数日間にわたる拘束。肉体的な破壊。そしてその末路として、「不慮の火災による事故死」という隠蔽シナリオが、冷徹に用意されていた。


 添えられた写真は、山奥のプレハブ小屋の焼け跡だ。


 「事故」に見せかけて放火された現場写真だ。 画質は荒く、手ブレもひどい。だが、フラッシュの光が、黒焦げになった遺体の左手を不吉に照らし出していた。


 最期まで何かを守るように強く、強く握りしめていたもの。煤にまみれ、熱で変色した……あの『赤いイルカのメタルキーホルダー』だ。


 彼女は最期の瞬間、炎に焼かれながら、弟との再会を心の拠り所にしていたのだ。


 俺はモニターの前で、しばらく動けなかった。


 これは記事にできない。あまりに残酷すぎる。


 ……今日は、1ヶ月に及ぶ調査の結果を彼に報告すると約束していた日だった。だが、目の前の凄惨な現実をどう伝えればいいのか、答えが出ないまま、約束の時刻はとうに過ぎていた。


 その時、ポケットの中でスマホが震えた。真壁からだ。


『先生、いつもの喫茶店でずっと待っています。……何か、姉さんの手がかりは掴めましたか?』


 画面に浮かんだその一文が、俺の喉を締め上げた。 期待に満ちた彼に、この「死の記録」を突きつけるのか? 俺が引いた引き金で、彼の心を完全に破壊してしまうのか?


 俺はおもむろにスマホを取り出し、これは手に負えるものではないと確信し、今しがた入手した情報をとある人へと連絡を入れた。 震える手でPCを閉じ、雨の街へと飛び出した。


 ***


 喫茶店の窓を、雨粒が叩いていた。


 真壁は、キーホルダーをテーブルに置き、期待と恐怖が入り混じった目で俺を見ていた。


「先生……姉さんは?」


 俺の鞄には、あのUSBが入っている。


 真実を伝えるのが「正義」だ。だが、この純粋な青年に、「お姉さんは拷問の末に焼き殺されていた」と言えるか?


 その写真を見せられるか?


 言えば、彼は壊れる。あるいは、教団に特攻して無駄死にするだろう。


 俺の「エース記者」としてのプライドが、あるいは人間としての安っぽい同情が、判断を狂わせた。俺は、彼を守るために――いや、俺自身が「死刑宣告人」になりたくなくて、最悪の選択をした。


「……真壁くん。確かな筋から『処分者リスト』を入手した」


 俺は、彼の濡れた瞳を見て静かに告げた。


「多くの名前があったが、お姉さんの名前はそこにはなかった」


 ――嘘だ。


 リストの一番上に、彼女の名前はあった。だが、俺は真剣な顔で、彼に「不在の証明」という虚構を突きつけた。


「死亡は確認されていない。そして、教団施設の名簿からも名前が消えている。……つまり、現在の所在は『不明』だ」


「不明……」


「混乱に乗じて逃げたのか、どこかに連れ去られたのかは分からない。だが、少なくとも『死んだ』という証拠はない。……だから、探す価値はある」


 俺は止まらなかった。一度ついた嘘を真実にするためには、さらなる嘘と、強力な「舞台装置」が必要だった。


「だが、探すのは長期戦になる。……君も手伝え。ただ待っているだけじゃ辛いだろう」


 俺はその場でノートPCを開き、取材データが入ったクラウドストレージの設定画面を開いた。彼に「役割」を与えようとしたのだ。「姉を探す」という生きる目的を。そうすれば、彼は絶望せずに生きていけると思ったから。


「俺の取材用ストレージの『共有権限』を君に渡す。俺が入手した目撃情報は全てここに放り込むし、君がお姉さんのことを思い出したら、些細なことでもいい、ここに書き込め」


 俺は、彼のアドレスを「共同編集者」として登録した。 閲覧だけじゃない。書き込みも、削除もできる最高権限だ。「君は俺の助手パートナーだ」という、信頼の証として。


「僕も……見ていいんですか? 先生の大事なネタ帳を」


「構わんよ。俺とお前は、同じ目的を持つ『共犯者』だ」


 彼は泣きながら、何度も頷いた。その瞳には、俺への絶対的な崇拝が宿っていた。 そう。俺はこの日、一人の若者を救った気になっていた。


 本当は、彼を「終わりのない地獄」へ突き落とし、俺自身の首を絞める縄を編ませていただけだったのに。


 俺が彼を生かすために与えた「希望うそ」の舞台装置が、7年の時を経て、俺の首を絞める絞首台へと変貌していた。


 ***


「アイ……。真壁の共有アカウント、今も生きているのか?」


「権限は一度も解除されていません。彼はこの7年間、貴方の『墓場』……未公開データフォルダを、いつでも、何度でも閲覧できる状態にありました」


 俺は奥歯を噛み締めた。


 自分が渡した「合鍵」が、自分を刺す凶器を盗み出すルートになっていた。


「……それだけではありません。これを見てください」


 アイが画面に新しいウィンドウを開く。そこには、俺が作った覚えのないフォルダが整然と並んでいた。


「フォルダ名『姉・捜索記録』。……真壁は、この7年間、毎週欠かさず自分の調査結果をここにアップロードし続けていました」


 画面がスクロールされる。


 『20XX年XX月:〇〇県での目撃情報・裏取り済み』


 『20XX年XX月:教団関連施設・外観写真リスト』


 『姉さんへの手紙_下書き』


 数千に及ぶファイル群。 そこには、一人の青年が人生のすべてを投げ打って、存在しない「姉の生存」を追い求めた血の滲むような軌跡が、膨大なデータとなって積み上がっていた。


「……彼は、貴方との『共有』を信じていた。自分が情報を上げれば、いつか貴方が新しい『真実』を返してくれると信じて、2500日以上もこの場所を更新し続けていたんです」


 俺は目元を覆った。


 俺がとっくに忘れていたストレージの隅で、彼は俺がついた「優しい嘘」という毒を、7年かけて一滴ずつ飲み込み続けていたのだ。


 視界が、不快な熱を持って歪んだ。喉の奥に、苦い泥を飲み込んだような嫌な味が広がる。


「……忘れたかったんだ。俺の方が」


 絞り出した声は、自分でも驚くほど惨めに震えていた。あの日、喫茶店で彼の真っ直ぐな瞳に耐えられず、俺は「真実」から逃げた。凄惨な死を告げる役目を放り出し、「所在不明」という都合のいい嘘を並べて、彼との関係を終わらせたつもりになっていた。


 俺はこの『5年間』、彼のことなんて、あの雨の日の記憶と一緒に心の奥底へ放り込んでいた。だが、彼は違った。忘れるわけがなかった。


 画面を埋め尽くす膨大なファイル群が、俺を嘲笑っている。俺が日常の中に逃げ込み、嘘をついたことすら忘れかけていた間も、彼はこの薄暗いストレージの中で、たった一人で、あの日からずっと姉を探し続けていたのだ。


(俺が、彼を7年前のあの日から置き去りにしたんだ……)


 「希望」という名の鎖で彼を過去に縛り付け、自分だけは前を向いているふりをして生きてきた。


 彼が積み上げた2500日あまりの記録は、俺が彼から奪った時間の重さだ。彼が立ち直る機会も、姉を失ったことを受け入れて泣く権利さえも、俺の身勝手な「優しい嘘」が奪い去った。


「……ごめんな、真壁。……俺だけが、逃げていた」


 モニターの青白い光に照らされた個室で、俺は誰にも届かない謝罪を繰り返した。 一人の青年を救うどころか、俺は自分の良心の痛みを和らげるために、彼を7年もの間、生殺しの檻に閉じ込めていた。


 その時、机の上でスマホが激しく震えた。


 液晶画面には、俺がアドレス帳の奥底に放置し続けていた――見慣れた名前が表示されていた。


 『真壁 圭』


 その3文字を見た瞬間、指先が凍りついたように動かなくなった。心臓の鼓動が耳元でうるさいほどに跳ねる。だが、もう逃げるわけにはいかなかった。


 俺は震える手で通話ボタンをスライドし、スマホを耳に当てた


「……もしもし」


 静寂。雨の音だけがスピーカー越しに聞こえる。 やがて、ひどく掠れた、だが記憶にあるものよりずっと冷え切った声が響いた。


『久住先生……先月、姉が見つかりました。……白骨遺体となって、冷たい土の中から見つかりました……』


「ーーッ!?」


 声にならない悲鳴が喉でつかえ、肺の空気が一気に奪われる。


『……信じてた。久住先生なら、この人なら、姉さんを見つけてくれると。……そう信じていたんです』


 真壁の声だった。感情を押し殺した、凪のような声が俺の鼓膜を刺す。


『信じたかった。姉さんが生きていると。……あの日、誰も本気で姉を探すのを手伝ってくれなかった。警察も、大学の友人も。……先生だけが、僕の話を真剣に聞いてくれた』


「真壁、俺は……」


『それなのに。……あれから7年。一度も、クラウドのフォルダには新しい情報が入らなかった』


 言葉に詰まる。俺が放置していたあのストレージ。 彼が祈るように更新し続けていた場所。


『ねぇ、久住先生。教団はもう、解散命令を受けて事実上無くなりましたよ。それから、何度も連絡をしたのに、どうして返事をくれなかったんですか?』


「……すまない。本当に、すまなかった」


『教団が解散してから……クラウドのフォルダには、今までの社会派記事とは違う、オカルトじみた恐ろしい記事ばかり入っていますよ。……久住先生、もう貴方は見えている世界が違うのですか?』


 真壁の吐息が、耳元で嘲笑うように聞こえた。


『それでも、先生はまだライターを続けているのですよね。あのフォルダにある記事は世の中には出ていないけれど、ネットの隅々を探して、同じような筆致の記事を見つけましたよ。これは先生の記事ですよね?』


 俺が偽名で書いていた真実を『嘘』で塗り替えた記事。彼はそれを、執念で見つけ出していた。


『……気付いてました? 貴方の新しい記事が投稿されるたび、一番にコメントを付けていたのは、僕ですよ。……素晴らしい「作り話」ですね。その綺麗なペンで、あとどれだけの真実を塗り潰せば気が済むんですか? ……って』


 心臓がドクリ、と嫌な音を立てた。 脳裏に、あのハロウィンの夜の出来事が鮮明に蘇る。


 ***


「……また、こいつか」


「ただの暇人だろ。通知は切っておけ。気味が悪い」


 ***


 アイに命じて通知を遮断し、視界から消し去ったあのアカウント。 あれは、単なる嫌がらせを楽しむ「暇人」などではなかった。


 俺が連絡を絶ち、共有ストレージを「墓場」として放置して逃げ回っていた7年間。彼は、姉の行方を探し歩き、その合間のすべての時間を、俺からの『答え』を待つことに注ぎ込んでいたのだ。


(……一時も、見逃さないようにしていたのか)


 それは、彼が日常のあらゆる隙間で、俺が「真実」を書き込むのを常に待ち構えていたからだ。通知が鳴るたび、彼は一縷の望みをかけて画面を覗き込み、そしてそのたびに俺の「作り話」に絶望していたのだ。


 先月、姉の遺骨が見つかるその瞬間まで。彼は俺がついたあの『希望うそ』という檻の中で、俺が放つわずかな光に、ただひたすらに神経を尖らせていた。


『先生……そんなくだらない記事を、そんな嘘まみれな記事を書かないでください。僕が読みたいのは、真実なんです!』


 突然、スマホの向こうで感情が爆発した。子供のような、なりふり構わぬ悲鳴。


『ずっと、先生が書く記事を読んでます。いつか、姉が関わったことを記事にしてくれるのではないかって期待して。……ずっと、ずっと、ずっと……。……もう、姉のことも僕のことも、忘れてしまったのですか?』


「……忘れてない。忘れるわけがないんだ、真壁! 頼む、落ち着いてくれ……俺が全部、間違っていたんだ」


 俺は狭い個室で、スマホを握りしめたまま呻くように謝罪した。だが、真壁の声は一瞬で凪に戻り、氷のように冷たく響いた。


『……それなら、思い出させてあげますよ。僕のこと、共犯者と呼んでくれたこと』


 心臓が跳ね上がる。


『だから、『共犯者』として、貴方が書いた記事の通りにしますよ。……そうすれば、思い出してくれますよね?』


 ブツッ、と音がして通話が切れた。


 耳に残るのは、不気味なほどの静寂と、自分の荒い呼吸音だけだ。


 12月24日、23時59分。


 俺の人生における、「最悪な一日」が今、終わりを迎えようとしている。


 カチッ


 12月25日、0時00分。


 だが、それは甘い認識だった。 これまでの出来事さえ「前座」に思えるほどの、真の『最悪な一日』が、今その幕を上げたのだ。


(File.11 了)

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