EP16〜一歩先は真っ暗〜
「お前は何故この神器を盗ろうとする?」
「クレ…嫁さんの願いを叶えさせてやる為だ」
「そうか、立派だな」
「だろ、だからその神器貸してくれよ」
「無理だ」
「なんで?」
「逆に何故貸すと思う?」
「…………俺はさぁ、3000年以上生きてきた」
「なんだ?急に長生き自慢か?」
「いや、そんなじゃあないんだ。ただ嫁さんの願い一つ叶えるのに3000年以上かかってるなんて愚かすぎると思うだろ」
「そうだな」
「…………じゃあ…………力ずくで貸してもらうわ」
「フンっ、3000年生きただけで俺と対等に戦えると思っているのか?」
「ハッ、殺しはしねぇから安心しろよ!」
………………30分前。
俺たちは『藍虎』の向かいにあるビルにいた。
「ステイさん『藍虎』に着きましたよ」
「あぁ、ありがとうなテスカ」
「先輩、俺は何すればいいんですか?」
「ジュース、今回は待機だ。俺1人で行く」
「えぇ!?」
「悪いな、もし『ガウス・デッド・ダウン』と対峙したらおそらくお前は帰って来れない。余計なお節介かもしれないが頼む」
「………わかりました」
「……代わりにこれ持っててくれ」
俺は一枚の封筒をジュースに渡した。
「何ですかこれ?」
「遺言書ver135」
「…………突っ込んだ方がいいですか?」
「フッ…………」
「先輩、無事に帰って来て下さいね」
「当たり前だっつーの…………じゃそろそろ行ってくるわ」
「ステイさん、これっ」
テスカは助手席にあった刀を投げて来た。
「あぁ、忘れてたよ。ありがとな」
俺が受け取った刀は父さんの形見の刀だ、柄や鍔は腐ってしまったが刀身は3000年前と変わらず綺麗なままである。
「先輩、失礼ですけど『ガウス』のインプラントに刀って通じるんですか?」
「さぁな」
「『さぁな』って」
「まぁ別に『ガウス』と戦うって決まってる訳じゃないんだ。最善をつくすよ」
「………はい」
「じゃっ」
バンッ
俺は後部座席のドアを閉めた。
「さてと、どこから入ろうか………」
『藍虎』は警備会社だ、セキュリティはそれなりだろう。
「くそっ、クレンが居ないと侵入しずれぇな」
クレンは昨日からずっと寝込んでいる。
「おっ、鍵のかけ忘れ発見!」
30階くらいか?まぁ問題ないけど。
バン!
俺が踏み込んだ衝撃でビルの屋根が破損してしまった。
スタッ
「はーい、お邪魔っと」
深夜2時、電気は消えているが監視カメラが複数あるな。『アマテラス』があるとすれば社長室か?まぁ、行ってみればわかるか。
「闇上級魔法『アンブラ』」
闇上級魔法『アンブラ』、これはかなり便利な魔法で影になっている所に空間を作りだし出入りはもちろん移動することだって出来る。だがこの魔法にもデメリットがある、それは影の中からは外が見えないということだ。
つまり、
「ここら辺でいいかな………」
ヌッ
「………………………ガウス?」
「誰だお前?」
出た先に『ガウス・デッド・ダウン』がいる事だってある。
「……………迷子です」
「もっとましな嘘はつけなかったのか?」
「…………………」
「…………………?」
「………あっ」
「あぁ?」
最初は逆光でよく見えなかったがガウスの頭には『アマテラス』がついていた。
「……シッ」
ガウスの髪飾りを奪おうと俺の体は自然に動いていた。
「触るな、侵入者」
俺の伸ばした手はあっさり弾かれてしまった。
「侵入者、お前は何故この神器を盗ろうとする?」
「クレ…嫁さんの願いを叶えさせてやる為だ」
「そうか、それは立派だな」
「だろ、だからその神器貸してくれよ」
「無理だ」
「なんで?」
「逆に何故貸すと思う?」
「…………………俺はさぁ、3000年以上生きてきたんだよね」
「なんだ?急に長生き自慢か?」
「いや、そんなじゃあないんだ。ただ嫁さんの願い一つ叶えるのに3000年以上かかってるなんて愚かすぎると思うだろ」
「……そうだな」
「…………じゃあ………力ずくで貸してもらうわ」
「フンっ、3000年生きただけで俺と対等に戦えると思っているのか?」
「ハッ、殺しはしねぇから安心しろよ!」
あーあ、結局戦うのかよ。




