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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第一部:アバンチュールゼアー
5/58

EP4〜俺様参上〜

 街を出てから1週間がたった、もうすぐ隣町である「トトロ町」に着く予定である。

 「クレン、もうすぐ町につくから少し顔を隠しておいてくれ」

 「なんでそんなことしなきゃいけないのよ?」

 「隣町とはいえクレンの可愛い顔を知ってる人がいるかもしれないだろ、万が一だよ」

 「あんたの冗談は面白くないわ、でも悪い気はしないわ」

 「町に着いたらまずは寝床探しだ、僕たちはまだ幼いから何かあった時に隠れられる場所が必要になる」

 「そういえばあんた何歳なのよ?」

 「8歳だけど」

 「え?」

 「なんか問題あるのか?」

 「な、なんでもないわ」

 「なんだよ、クレンは何歳なんだよ?」

 「そんなことどうでもいいじゃない、ほ、ほら町についたわよ!」

 さすがに女性に年齢を聞くのはまずかったか。

 

 僕たちはトトロ町に着いた。トトロ町は僕たちの住んでいた「ガバ街」と違い多くの種族がいる。

 「ステイ、さっきの門番見た?」

 「あぁ、あの岩みたいな奴だろ。あれはなんて種族なんだ?」

 「おそらくゴーレムね」

 「ゴーレムか、モンスターじゃないのか?」

 「あんた失礼ね、ゴーレムだってれっきとした住人よ。あそこに少し褐色の肌の女の人がいるじゃない、あれもゴーレムよ」

 「まじでか、人族にしか見えないけど」

 「ゴーレムは色々な外見になれるのよ」

 「それじゃあ見分けがつかなくないか?」

 「見分け方は簡単よ、ゴーレム族は全員各関節に線が入ってるわ」

 本当だ、わかりやすい。

 「性別はあるのか?」

 「そこまで知らないわ、それより宿でしょ」

 「そ、そうだな。あそこなんてどうだ?」

 「いいんじゃない」

 僕たちは少し古びた宿に入った。

 

 「すいませーん、誰かいますかー?」

 「いるよ」

 カウンターから小さな妖精が出てきた。

 「2名で一部屋、三日間お願いします」

 「あいよ、合計で大銅貨三枚です」

 安いな、ありがたい。

 

 部屋のドアは少しボロかったが内装はだいぶ綺麗だった。それはそうとさっきからクレンがそわそわしている。

 「ねえステイ先に言っておくけど、私はまだそうゆう事が怖くて出来ないの」

 僕が前世女だったことがありそのことが頭から抜けていた。

 「大丈夫だよクレン、これからずっとクレンと生活していくんだ、嫌われるようなことはしない。不安だったら僕を縄で縛ってくれてもいい」

 「わ、わかったわ」

 「それはそうと宿はとったから、僕は今から護衛をしてくれる人を探してくるけど一緒に来るか?」

 「なんで護衛が必要なのよ、この町に来るまでだって魔物はあんたが魔法で倒してたじゃない」

 「この町から出た先は魔物も強くなって数も増える、僕だけじゃクレンを守る自信がない」

 「そうゆうことね、お金は大丈夫なの?」

 「お金は金貨5枚で足りるはずだから、ちょうど今持ってるお金の半分くらいだな」

 金貨一枚は日本円で20万円くらいだ。

 「で、来るか」

 「疲れたから休んでいるわ」

 「わかった、日が落ちる前には帰ってくる。それからご飯に行こう」

 「ええ、待ってるわ」

 

 それにしても護衛ってどうすれば見つけられるんだろうか。

 「人に聞いた方が早いか…」

 ちょうどそこに優しそうな猫の獣人がいた。

 「すみませーん」

 「にゃんだ?ガキンチョ」

 声太っ!男だったのか、でも言葉使い可愛い。

 「あのー僕、護衛をしてくれる人を探していまして、何かいい情報とかないですかね」

 「護衛だったら冒険者ギルドに行ってみたらどうニャ、あそこだったら護衛の依頼として頼めばすぐ見つかるだろう」

 なるほど冒険者ギルドか、あそこなら確かに良い護衛がみつかるかもしれないな。

 「わかりました、ありがとうございます」

 「おう、元気でニャ」


 ギルドに着いた。

 「ここであってるよな…お邪魔しまーす」

 ガチャー

 中には結構な数の冒険者がいた。小さい子が1人で入って来たからだろう、周囲の視線が自分に集中していることがわかる。とりあえず受付の人に依頼をしないと。  

 「あの、すいません」

 「はい、どのような要件でしょうか?」

 「依頼を申し込みしたいんです」

 「はいわかりました、どのような依頼で?」

 「護衛をしてくれる人を探しているんです」

 「期間と護衛する人数のほうは?」

 「期間はブロウ町までで、護衛人数は子供2人です」 

 「了解しました、報酬の方は?」

 「金貨5枚で」

 「了解しました、ご希望の種族はいますでしょうか?」

 そんなのものも選べるのか、どうせなら強い人がいいな。

 「じゃあ、出来るだけ強い人で」

 「それですとシルバーランク以上でよろしいですか?」

 「はい、それと女性冒険者か女性がいるパーティ限定にしてもらえますか?」

 「了解しました」

 ちなみに冒険者は弱い順からブラック、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、レッドランクとなっている。

 「ではこれをあちらの掲示板に貼っておいて下さい、それと出来るだけこのギルドに居ておいてくださいね」

 「わかりました」

 よし、依頼も済んだしとりあえず帰るか。

 

 よし、予定より早めに帰ってくることができた。

 「クレン、ただいまー」

 「ん、ステイ?おかえり」

 どうやら寝ていたところを起こしてしまったようだ。

 「護衛見つかったの?」

 「見つかってないけど冒険者ギルドに依頼してきたから近いうちに見つかると思う」

 「わかったわ」

 「だから、明日からはギルドに行くぞ」

 「はいはい、わかったからもうちょっと寝させて」

 「飯の時間になったら起こすからな」

 「はいはーい」

 

 荷物の整理をしていたらとっくに日がくれていた。

 「おーい、起きろクレン。飯食いに行くぞ」

 「んー」

 「何が食いたい?」

 「にくー」

 「いいね」

 ここまで来るまで携帯食しか食べてないので久々のまともの食事は楽しみであった。


 僕たちは結局冒険者ギルドに来た。

 「なんでこの町には肉をだしてる店がここしかないのよ」

 「知らないよ、そんなこと」

 後に聞いたのだが、動物や魚の肉をださないのはのは獣人族や魚人族への配慮らしい。冒険者ギルドは数多くの冒険者が宴をする場所としても使うため、肉を出さないと冒険者が酔った勢いで暴れ出してしまうため提供しているそうだ。

 「まぁいいわ、いきましょ」

 「うん」

 

 机についた僕は最初にビールを頼んだ。

 「すいませーん、ビール1つ」

 「ちょっとステイあんたお酒なんか飲んで大丈夫なわけ?」

 そうだった今は子供の体だった、流石に8歳でアルコールは分解できない。

 「すいません、いまの無しでオレンジジュースを一杯、それと『ダルマ牛の根性焼き』を一つ」

 「私は『ガチガエルのなめろう』と『アグー豚』の丸焼き、飲み物はミルクで」

 なんだそのメニューは、アグー豚の丸焼きは分かるがガチガエルのなめろうってなんだ?あと、アグー豚ってこの世界にも居たんか、めっちゃ食べたい。

 「かしこまりました、少々お待ちください」

 

 20分後

 「お待たせしましたー、ごゆっくりどうぞ」

 ダルマ牛の根性焼き、見た目とは普通の牛とあんま変わらない、味は少しクセがある程度だ、問題はガチガエルのなめろうだ。

 「うぉ」

 たまらず声が出てしまった、想像どうりであった。

 「なぁ、クレンそれ食うのか?」

 モザイク必要だろこれ。

 「なによ悪い?それとも食べたいの?」

 「いや遠慮しておくよ」

 食べるにしてもシラフじゃとても食べれない。

 一時間後

 「「ごちそうさまでした」」

 「そろそろ帰るか」

 「そうね」 

 「明日もここで食べるか?」

 「ええ、ここは中々美味しいわ」

 ガチガエルのなめろう、クレンがめっちゃ美味しそうにだべていたからいずれ食べてみるか。

 

 次の日

 「ステイ、起きなさい」

 「お、おはようクレン」

 「ていうか早くそれ納めなさい」

 「え?」

 朝から元気な愛刀である。

 「ごめん」

 「ほらさっさと行くわよ、準備して」

 「はい」


 朝のギルドは人が多い、他の町から届く依頼が朝に掲示板に貼られるからである。冒険者達は好条件の依頼を探して待っている。

 「これならすぐに護衛が見つかりそうだな」

 「そうね」

 

 15分後

 「なあ、お前らだよなこの護衛任務の依頼主って」

 「はい、そうですよ」

 「この依頼、俺様が受けてやる!」

 2mはゆうに超えているであろう身長と透き通った金色の瞳、多くの紋様が浮かんだ真っ赤な肌、腰まで伸びた銀色の髪の毛、頭には大きな角が2本生えている。話しかけてきた彼女は鬼人であった。


 「質問なのですが、なぜこの依頼を受けてくれるのでしょうか?」

 「俺様もブロウ町に用事があるんだ、小遣い稼ぎに依頼を受けているのさ」

 「ちなみに冒険者ランクは?」

 「プラチナだ」

 好都合すぎる、断る理由がない。

 「クレンはどう思う?」

 「いいと思うわ」

 「それじゃあよろしくお願いします、えーと…」

 「俺様の名はリリス・アクリアだ!」

 「よろしくお願いします、僕はステイ・セントです」

 「私はクレンよ、よろしくリリスさん」

 「ああ、よろしくそれでいつ出発するんだ?」

 「じゃあ明日の朝一でお願いします」

 予定より1日早いが、なにも問題無いだろう。

 「クレンもそれでいいか?」

 「問題ないわ」

 

 その日の夜、親睦を深める為にリリスさんと一緒にご飯を食べた。


 次の日

 「それじゃあ行きましょう、クレン、リリスさん」

 「つぎの町にはどれくらいかかるのよ?」

 「俺様だったら3日で着くぞ」

 「鬼人基準で考えないで下さいよ、僕たちだったらは1ヶ月はかかります」

 「なんだったら2人とも背負って行こうか?」

 「いいんですか」

 「おう、そっちの方が楽だしな」

 「では、それでお願いします」

 「2人ともしっかり捕まってろよ」

 リリスさんはしゃがみ込み、大きくジャンプした。

 

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