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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第二部:
47/58

外伝(其のニ)伏龍

 「それで………結局どうなったんですか?」

 「……………負けたよ。全員重症で組からの信頼も無くなった」

 「それは大変でしたでしょう」

 「…………まぁな、今はひと段落ついてゆっくりしてるとこだ」

 「そうですか、では私が一つ有益な情報をあげます」

 「………………」

 「次の満月の晩、あなたの力になってくれる者がここに現れます。その人はきっとあなたの人生を変えてくれるでしょう」

 「………なんだそれ」

 「まぁ、あなたは普通にしてればいいです」

 「………あっそ」

 というかこいつは誰だ?っていうかなんで俺は関係ないカタギにこんな話をしているんだ?

 「では私は帰ります……………さようなら」

 カランコロン

 「…………………次の満月か…」

 するとこのバーのマスターが話しかけてきた。

 「お客様、先程の方はお知り合いですか?」

 「いや、他人だ」

 名前どころか顔もよく見えなかった。

 「…………そうですか。お客様、申し訳ないのですがあの方の分までお支払いしていただきたいのですが」

 「え?………………………は…はい」

 「ありがとうございます」

 俺もそろそろ帰るか。

 カランコロン

 外はまだ雨が降っていた。


 次の満月の晩、俺は名も顔も知らない奴の言うとおりまたこのバーに来ていた。

 カランコロン

 「いらっしゃいませ」

 「コーヒーをくれ。砂糖とミルク多めの」

 「かしこまりました」

 さて、奴の言葉じゃ俺は何もしなくていいらしいからとりあえず今はゆっくりしてよう。

  俺がこの店に来て20分、1人の女が店に入ってきた。

 「おや。おやおや偶然じゃないかネム君」

 入って来たのは闇医者のダリであった。

 「そうだな。ダリ」

 まさか俺の人生を変えてくれるのはダリなのか?まぁダリには今回の件でもインプラントの手術や俺たちの治療で助けてもらったが。

 「体の調子はどうだい?」

 「おかげで良くなってきてるよ。ドレーたちも良好だ」

 「それは良かった。ドレー君たちはともかく君に何かあったら私はダメだからね」

 「は?…………どういう意味だ?」

 「言葉通りさ」

 そう言うとダリは少し顔をそらした。

 それから1時間俺とダリはお酒を飲みながらだべっていた。

 「なぁダリ、お前処女だよな」

 「なっ、きゅ急になななな何を言うんだ!?」

 「いやだってお前、彼氏居たこと無いじゃん」

 「か、か関係無いだろう!」

 「まぁそうだけど」

 「なにか根拠でもあるのか!?」

 「………無いけど今の反応で確定したよ」

 「………ぬぬぬぬ」

 「ハハっ、昔からわかりやすい奴だな」

 するとダリが俺の肩を小突いてくる。

 「ちょっ、やめろって」

 「うるさいっ私の気もしらないで!」

 「……………気?」

 ダリの動きが止まった。

 「……………なんでも無い」

 「あっそう………」

 なんか気まずくなってしまった。

 「…………な、なぁ。そういうネム君は彼女とか居るのかい?」

 そういえばヤクザになってから女とはワンナイトの関係しかないな。

 「いないけど」

 「そうか!そうか!ハッハッハッ」

 露骨に機嫌が良くなったな。

 「…………なぁダリ」

 「なんだい?」

 「もう一軒行かないか?」

 「もちろんだとも………………途中コンビニに寄っていいかい?」

 「別に全然良いけど」

 「よし!じゃあ早速行こうか」

 「あぁ…………」

 俺はこの時までダリが俺の人生を変えてくれるのだと思っていた。そして俺はそのまま支払いを済ませて店を出ようとした。

 

 だが俺はわかっていなかった。


 カランコロン

 1人の男がバーに入ってきた。その男は淡い金髪で病的なまでに肌が白く今の時代珍しくインプラントを入れた形跡がなく異様なオーラを纏った人間であった。

 「こいつだ…………」

 直感が言っている。俺の人生を変えるのはこの男だと。

 「どうしたんだい?」

 「ちょっと待っててくれダリ」

 「はぁ………?」

 気づいた時には俺は男に話しかけていた。

 「な、なぁ」

 「……………誰ですか?」

 「俺はネム・エミオン。なぁ、あんたの名前を教えてくれよ」

 「……………ステイ。ステイ・セント」

 これが俺とステイの出会いである。



 ……ステイとの出会いから2年後。

 俺はドレーの墓に来ていた。

 「2年ぶりだなドレー………悪いな来るのがおそくなっちまって。……………やっとお前の仇がとれたんだ。って言っても殺したのは俺じゃねぇんだけどな。グラミーとラビットも最近調子がよくてな………これ調子ならいつ俺が頭なっても「フーディーニ」をこの街のトップに持っていけるぜ。…………なぁドレー………ごめんなぁこんな兄貴でよぉ………」  

 後悔は嫌という程して来た、今もしている。だが後悔はとても重要な物だ。

 後悔とは自分に対する戒めなのだから。

 だがこれを忘れてしまったら俺は俺では無くなってしまう。

 

 「ドレー………また来るわ」

 俺は吸っていた煙草を香炉に突き立てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

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