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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第二部:
46/58

外伝(其のニ)雪辱

 ドレー先輩が死んで1週間がたった。ネムの親父はあれから葬式にも顔を出さず部屋にこもっている。

 警察によると犯人は近くに住んでいたチンピラだという。

 だがここの警察はヤクザ同志と問題と決定付け今回の事件には一切関与していない、犯人も野放し状態である。

 「グラミー先輩、来ました」

 「あぁわかってる。いくぞラビット」

 「えぇ」

 つまり犯人たちは俺たちの手で始末できるということだ。

 ターゲットは若い男2人、体につけてるインプラントも既製品の安物だ。 

 男たちが俺らの乗っている車の真横に来た。

 「グラミー先輩、今です」

 「よし」

 バン!

 グラミー先輩は勢い良くリアドアを開き車内に男たちを引き込んだ。

 「っっ誰だお前!………」

 「ハッナッセッ!…………」

 バチチチチッ

 俺たちにインプラントを使われる前にスタンガンで男共を気絶させた。

 「よし、ラビット車出せ。兄貴んとこ戻るぞ」

 「はい」

 これで実行犯のチンピラ共は全員捕まえたはずだ。

 「グラミー先輩」

 「なんだ?」

 「グラミー先輩って変わりましたよね」

 「そうか?」

 そうだ、グラミー先輩はドレー先輩が死んでから口調も行動も変わってしまった。

 「もう一ヶ月ですね」

 「あぁ、そうだな。………なぁ近くに花屋はあるか?」

 「はい、次の角曲がったら……………」

 「それと…………タバコだな」

 「………ですね」


 

 

 ドレーとその妻子が死んだ。

 俺のせいだ、俺があの時ネルソンの下に素直についていたらこんなことにはならなかった。意味の無い後悔を続けても何にもならないのはわかっているが、1人で居るとどうしてそんな考えが頭を蝕んでいく。 

 「なぁお前たちは誰に命令されてドレーを殺した?」 

 「…………………」

 「黙ってんじゃねぇよ」

 「…………………」

 俺は今グラミーとラビットが捕まえて来てくれた奴らに取り調べをしてる最中だ。

 「……………おいこれ見ろ。こいつはソネス・ハコ、41歳、仕事場所はすぐそこのコンビニ、夫とは別れ今はシングルマザー、今年18になるお前のために日々朝から晩まで働いてる…………」

 俺は一枚の写真とともに、捕まえてきた男たちの家族の情報を事細かく話した。

 「………お前らがこれ以上黙っていればこいつを殺す………嫌だよな家族を殺されるのは……」

 「…………っ」

 「最後の質問だ、ドレーを殺せと命じた奴は誰だ?」

 「………………キ、キキ、キル・ベイビー。『ヘルドックズ』のキル・ベイビー…………です」

 「よし」

 カチッボムっ!

 俺は男たちの首に括り付けていた小型爆弾のスイッチを押した。

 「これで全員同じですね」

 「あぁ………『ヘルドックズ』のキル・ベイビーで決定だな」

 「奴は今、組の幹部となっているので外に出てきません」

 「……………ならこっちから行くまでだ」

 「本気ですか!?俺らは今謹慎中ですよ」

 「関係ねぇ、ネルソンが何と言おうと「好き勝手して良い」っていったのはネルソンだからな」

 「動けるのは兄貴と俺、ラビットの3人だけですよ」

 「………問題ねぇ」

 「…………さいですか」

 「………俺もな、さっさと仇とれねぇといつまでたっても墓参り行けねぇんだよ」

 「…………兄貴、一ついいですか?」

 「なんだ?」

 「俺、今日からドレーとして生きていきます」

 俺は一瞬、グラミーが何を行っているのかわからなかった。

 「…………………………そうか好きにしろ。だがドレーの名を背負うってことは………わかってるな?」

 「はい。……では今からグラミー・ダクターはドレー・ダクターとして生きて行きます」

 「おう」

 正直グラミーの意図は完全に理解しているわけでは無い。だがグラミーなりの考えがあるのだろう。


 次の日、俺は知り合いの闇医者である「ダリ・ミランダ」の所に来ていた。

 「おやおや、誰かと思ったら君か………ネム君」

 「元気そうで何よりだよダリ、またインプラントが増えたな」

 こいつは俺の幼馴染だ。元はただの人間だったのだが今はもう7割がインプラントの化け物だ。

 「あぁ、最近は収入が良くてね」

 「そうか………なぁダリ、こいつを俺に入れてくんねぇか?」

 俺はドレーの遺品であるインプラントをだした。

 普通亡くなった人物のインプラントは警察で回収されるのだが俺は警察の知り合いに頼み鑑識に回収される前に確保してもらっていたのだ。

 「おや、君はインプラントを入れない主義なんじゃないのかい?」

 「別に主義じゃねぇよ、ただ苦手なだけだ」 

 「………はぁ、何かあったのかい?」

 「いいから入れてくれ、金ならいくらでも出す」

 「……了解した。だが私の手術は痛いぞ」

 「は?……麻酔とかは?」

 「無い」

 「うっそだろ」

 「嘘をついて何になる」

 「……………なるべく早くしてくれ」

 「あぁ、もちろんだ」


 ………30分後。  

 「うん、これで良いだろう」

 「た、助かったよダリ」

 「しばらくは違和感が生じるだろうが3日もすればそれは君に順応するだろう」

 「そうか……」 

 パサッ

 俺の前に紙袋が置かれた。 

 「これは?」

 「これは1週間分の痛み止めさ、朝と晩毎日3錠づつ飲みたまえ」

 「わかった。ありがとうダリ」

 「礼などいらん、私は金さえ払えばなんだってやる、………それより今晩久々にサシで飲まないか?」

 「…………悪いな、今はやることがあるんだ」  

 「………女性の誘いを断るなんて、ネム君らしく無いな」

 「………次は俺から誘うよ」

 「あぁ、そうしてくれ」

 俺がインプラントを入れた場所は目だ。このインプラントは右と左で性能が異なり、右目は赤外線カメラが内蔵されており左目は瞳孔からビームが出る。もちろん常時発動してる訳はなくON OFFの切り替えが可能だ。

 これがドレー・グレイからの贈り物だ。


 1週間後、俺の目は完成した。

 「よし行くぞ。ドレー、ラビット」

 「はい、兄貴」

 「ぶち殺してやりまさぁ」

 俺たちはキル・ベイビーのいる「ヘルドックズ」の事務所に向かった。


 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

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