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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第二部:
40/58

EP5〜3000年間の自負心〜

 

 私は壊れている。


 あの時はたしか8歳か9歳だっただろうか、お父さんの紹介でリッキーという男性と出会った。リッキーの第一印象は素敵なお兄さんであったがそんな印象はわずか2日で終わってしまった。


 最初に違和感に気づいたのはステイと初夜を迎え半年がたった頃だ。避妊をせず行為を行っていたのにも関わらずいつになっても体に変化が起こらなかった。最初はただた当たらないだけだと思っていたのだが、それから一年たっても何も変わらないので私は病院にいくことにした。

 医師から言われたのは『子宮破裂』本当かどうかわからないが子宮になんらかの問題が生じているそうだ、原因はわからないと言っていたが私には心当たりがある……リッキーだ。幼い頃に強姦された子が子宮を壊したという話は度々聞いていた、私はその内の1人だったのだ。

 それから少したち私はヴァンパイヤになった。ヴァンパイヤは自己治癒能力がある。

 私はすがった。

 だがヴァンパイヤの自己治癒能力はヴァンパイヤになった時に発動するのでヴァンパイヤになる以前の傷は消えないことがヴァンパイヤになってからわかった。


 泣いた。


 とにかく泣いた。

 1人で泣いた。

 ステイに相談できるはずもなく私は放心状態になってしまった。

 私の異変に最初に気づいたのはリリスさんだった。リリスさんは私の話を聞き一緒に泣いて寄り添ってくれた。だがそれからもステイには話せず暮らしていたが、ステイは何も言ってこなかった。

 それが余計に苦しかった。

 

 私は自分とステイを騙し続けるのが限界になった。 だから全て伝えた。ステイは何も言わず私を抱きしめてくれた。嬉しかった、こんな私を捨てずに愛してくれることが。

 

 それからもかわらず私達は愛し合った。ステイは優しく私を抱いてくれている。普段は基本的に私から誘う、ステイは私の体に遠慮しているのだ。

 セックスに限らずとも私達は愛し合えるのに…。



 俺は子供が欲しいと思ったことが今まで無かった。

 前世では女であったが同じ考えだった。確かに子供は可愛いものだ、もし自分に子供ができたらどうしようもなく愛すると思う。そして俺は年々クレンとの子供が欲しいと思ってきている。

 でも俺はクレンに何も言わない、クレンに責任を感じて欲しく無いから。

 


 この日、クレンはいつもと様子がおかしかった。

 「ねぇねぇステイ…………子供欲しい?」

 「え?」

 俺は拍子抜けした。それもそうだクレンは一度も「子供が欲しい?」なんて聞いてこなかったし、そういう話題を避けてきたからだ。

 「『え?』じゃなくて欲しいか欲しく無いか聞いてるの」

 「欲しい………けど急にどうしたんだ?」

 クレンは満面の笑で答えた。

 「ついに出来たのよ!子宮の代わりになるインプラントが!」

 「マジか!」

 俺とクレンはお互い抱き合い喜びあった。

 「で、いつ頃から出回るんだ?」

 「先週からよ」

 「?どういうこと?」

 クレンは自分の下腹部に手を当てた。

 「……………まさか」

 「えぇ、入ってるわ」

 「ーーーーーーー!!」

 俺は声にならない声をあげ服を脱いだ。クレンも服を脱ぎ裸でまた抱き合った。

 なんだろう、いつもより体温が高く感じる。

 「クレン、ありがとう…………」

 「…………私こそごめんなさい、今まで待たせてしまって」

 「もういいんだ」

 「…ありがと………じゃあ…………ステイ………きて」

 俺たちは愛し合った。

 何時間も何日も仕事も食事も排泄も何もかも忘れ愛し合った。


 「はぁ………はぁ……はぁ」

 「はぁ、はぁ…………どのくらいたったかしら?」

 「………………1週間と3日」

 「流石に疲れたわ」

 「そうだな………」

 携帯を見てみるとメールと電話が1000件以上溜まっていた。

 「クレン………子供の名前は何にする?」

 「………………決めれないわ」

 「…………………確かにな」

 「………ステイまたキスして」

 「あぁ…………」

 

 3日後。

 プルルルル、プルルルル、プルルッ

 『なんだ、テスカ?』

 『「なんだ?」じゃねぇーよ!あんた2週間もなにやってたんだよ!』

 『セックス』

 『はあ?、だとしたらどんだけヤってるんですか?』

 『すまん』

 『ステイさん、いい加減このジュゼッペって女どうにかして下さいよ』

 そういえばテスカに預けたままだったな。

 『なんかあったのか?』

 『この女ずっと「ステイに会わせろ」、「仕事寄越せ!」ってうるさいんですよ』

 『………悪い、次の給料倍にするから許せ』

 『……………ステイさんのすぐ金で黙らせるやり方ほんと気に食わないわー』

 『……………………』

 痛いとこを突かれた。

 『まぁそれで良いんですけど、今日中になんとかして下さいよ』

 『わったよ………』

 プツッ

 くそっ、せっかく良い気分なのにあの女のせいで萎えちまった。

 「クレン、すまん。ちょっと仕事がたまっちまったから出掛けてくる」

 「えー………わかった。帰ってきたら続きねー」

 「おう」

 もう一滴も出る気がしないが、正念場はまだ先のようだ。

 

 俺はテスカの家に着いた。

 ピンポーン

 「テスカー、居るかー?」

 「居ますよー、勝手に入って来て下さい!」

 「おじゃまー」

 テスカの家はそこそこ大きい工場である。

 肝心のテスカは工場の奥で車の改装をしていた。

 「何やってんの?」

 「エンジンを一本増やしてます」

 「ふーん………」

 「興味無いなら無理に話題作らなくていいですよ」

 「ハッ………それでジュゼッペは?」

 「部屋で寝てます」

 「はーい…」

 俺は工場と隣接しているテスカの部屋に向かった。

 ガチャー

 部屋に入ってみるとジュゼッペが部屋の真ん中で大の字で寝ていた。

 「……………………」

 俺はジュゼッペの鼻を摘んだ。

 「…………ふがっ」

 ジュゼッペは跳ねるように起きた。

 「だ、誰?」

 「俺だ」

 「………ステイ!やっと現れたな」

 「………なぁジュゼッペ、仕事が欲しいんだったよな」

 「あるのか、仕事が!?」

 「あぁ」

 と言っても、セックスしてて溜まった仕事だけど。

 「前に会ったネムさんは覚えてるか?」

 「あぁ、強面の人だろ」

 「そうだ、あの人からの仕事だ。絶対ミスするなよ」

 「そんなの、内容によるだろ」

 「まぁそうだな………だが安心しろこの仕事内容は比較的楽だ」

 「?」

 「ジュゼッペ、お前には麻薬の運び屋をやってもらう」

 「な、なんだと!そんなことできる訳ないだろ!」

 「そういうと思った…………じゃあ俺は帰るわ」

 「待って!待ってくれ!………それ以外の仕事で良いのは無いのか?」

 「無い」

 これ以外は全て命に関わるものばかりだ。もちろん運び屋も安全とは言えないがな。

 「そんな…………」

 「いい加減に決めろジュゼッペ。この街で生きて行くにはやるしかないんだよ、今は何も言わないテスカだって追い出そうとすればお前なんかすぐ追い出されて終わりだぞ」

 「……………ぐぬぬ」

 なにが「ぐぬぬ」だ。

 「わかったな、じゃあ今からネムさんのとこいくぞ」

 「…………仕方ない、生きていく為だ」

 ようやく理解したか、本当にめんどくさい女だ。

 

 ネムさんは待ち合わせの時間より早く着いていた。

 「ネムさん!早いな」

 「ステイ……とまたお前か……」

 「ネムさん、今回の仕事はこいつに任せたいんだ」

 「は?こいつにか?」

 「あぁ、なんでもこいつ金に困ってるんだ。助けてやってくれ」

 「………まぁステイが言うなら考えるが…問題はこいつ自身の仕事に対する思いだ」

 「私、仕事頑張ります!」

 「それは結構、だがもしお前が警察に捕まった時俺たちを売らないとは限らない」

 「私こう見えて元警察です。警察のことならそこらへんの人より詳しいので問題無いと思います!」

 「え?………なぁステイ、こいつ元警察なの?」

 「あぁ」

 「えぇ………」

 「私、頑張るので仕事下さい!」

 ネムさんが顔を歪めている。

 「………じゃぁ…まぁいいか」

 「やったー!!」

 「じゃあやり方教えるから着いてこい」

 「はい!」

 「ネムさん、俺はもう帰るよ」

 「おう、こいつがミスったときは責任とってもらうからな」

 「えー…………おい、ジュゼッペ絶対ミスんなよ!」

 「あぁ、後は私に任せて帰るといい」

 「そうかい……」

 俺は早めにことが済んだのでクレンの待つ家に帰った。

 「子供の名前か…………」

 そういえば俺とクレンの子は純ヴァンパイヤになるわけだよな………。でもそれ以前にベビー用品と子育ての仕方とか色々準備が必要だよな。

 俺はまだ子供ができた訳でも無いのに子供のようにはしゃいでいた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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