EP4〜ジュゼッペ〜
賭け試合のルールは簡単だ。魔法の禁止、以上だ。決着は相手を気絶させるか降参されるか、そして死亡されるかだ。
「ではこれよりぃ!ステイ・セント対アイコ・ノイズの試合を始めさせてもらうぜぇ!」
うおおおおおおおおおおおお!!!
進行役の一言により会場が盛り上がった。
アイコ・ノイズ。97戦中88勝、かなりのやり手だ。背丈は俺とおんなじ位だ、気を付けるべき場所は………………無いな。
「よしっ」
すると向こうからアイコが近づいて来た。
「……おいおいおい何が「よしっ」だぁ?」
「……………」
「だんまり決め込むなよぉ、俺ぁただ話しがしてぇだけだってぇ」
「試合の後ならいくらでも話してやるよ」
「あぁ、そうかい…………でもお前はもう俺と話せねぇよ」
「は?」
「ぶっ殺してやるって言ってんだ」
「…………そうかっ」
俺たちが話していたらアナウンスがなった。
「2人とも!準備はいいか?!」
「あぁ、俺は良いぜ」
「俺も」
「よし!では両者構えてぇ…………」
相手はスピード、パワーどちらも高いバランスタイプだ、いきなり突っ込んでくるような阿呆なマネはしないだろう。
だからこそ俺から突っ込んでいく。
「始めぇぇぇ!!」
やっぱりまずは様子見か。その隙に俺は脚全体の血を加速、増量し瞬発力を最大限まで上げさせてもらい……一気に懐へ。
「シッ」
想像以上のスピードで対応が少し遅れたな、まずは右ローキックで足を破壊。
バッキィン
良し、イったな。これで相手はもうまともに動けない。そしてこのまま角を掴み手前に引きつけ腹に膝蹴り。
膝蹴りはカーボン装甲をぶち破り相手の肋骨を破壊し、背中の装甲までヒビが入った。
「ゴハッ!」
この程度じゃまだ相手は抵抗してくるだろう、だからダメ押しでうずくまっている相手の後頭部に踵落としだ。
バキッィ。
地面にめり込む力で踵落としをしたのでアイコの角が折れた。
「………………………」
アイコはもう動かなくなっていた。
「け、けけ決着ゥー!」
やっぱ雑魚だったな。違法インプラントつけてもこんなもんか。
俺はネムさんの所に戻った。
「お疲れーステイ!」
「おう、勝ったぞ」
「…………殺したの?」
ジュゼッペが相手を見て俺に言ってきた。
「いや殺しては無いが、もう普通の暮らしは出来ないだろう」
「な、なんでそこまでする必要があるの?!」
「俺の為だ」
「どういうこと?」
「ここは「レボット」、いつ殺されてもおかしく無い街だ。そんな街でいかに安全に生きていくか、お前ならわかるだろ」
「………………」
「まぁわかんなくても別に良い、俺は何も間違った事はしていないからな」
「そう………」
「ネムさん、報酬は明後日までに振り込んでおいてくれ」
「あぁ、それとまたお前に頼みたいことがあるから後でメールしておくよ」
「わかった……………それとネムさん」
「なんだ?」
「もうちょっとだけ給料上げてくれないか?」
「珍しいなお前がお金にケチつけるなんて」
「嫁に給料が割りに合ってないって言われてな」
「ハッそうか………わかった考えておく」
「あぁ頼む」
「あんた奥さん居たのね」
「おかしいか?」
「いや別にそういう訳じゃ……」
ジュゼッペはなんとも言えない顔をしている。
「そういえばネムさん、アレについては何か情報はあったか?」
「無いな………悪い」
「そうか、じゃあ俺はもう帰るとするよ。またなネムさん」
「あぁ、お疲れステイ」
俺はネムさんと別れ帰路に着いた。
「………………なぁ、お前いつまで着いてくんの?」
家に帰りたいのにジュゼッペがまだ着いてくる。
「仕事もらうまで」
「チッ」
このままじゃ帰れねぇ、万が一この女に家がバレてクレンにでも遭遇したら……ジュゼッペが血に染まるだけだ。
「なぁジュゼッペ、お前死にたくないよな?」
「は?当たり前でしょ」
「だよな…………それよりお前の後ろにいる奴って誰だ?」
「え?」
ジュゼッペは振り返り後ろを確認した。
「誰も居ないじゃナッ!」
俺は後ろを向いているジュゼッペに裸締めをした。
「んーんー」
バタバタ、バタバタ。
暴れて抵抗していたが10秒程度で落ちた。
「はぁ、どうしよこいつ」
このまま道に置いていったら拉致られて殺されるか薬漬けにされて犯されるだけだ。
「あいつなら彼女いないし大丈夫かな」
俺はテスカに電話した。
プルルルルルル、プルルルルッ
『もしもし、テスカ?』
『はい、何ですか?ステイさん』
『ちょっと今倒れてる女の子見つけたんだけどさ』
『無理です』
判断が早い。
『まぁまぁ、1日だけでいいからテスカのとこで預かってくれないか』
『ステイさんのとこじゃだめなんですか?』
『いや俺は家にクレンが……』
『………そうでしたね』
『だろ、頼むよ』
『…………わかりましたよ』
『ありがとうテスカ』
『じゃあ待ってます』
『おう』
プツッ
俺はジュゼッペを背負いテスカの家に向かった。
「はぁ、めんどくせぇ」




