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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第一部:アバンチュールゼアー
2/58

EP1 〜プリン頭転生〜

 「イった、っざんけんじゃねーよ」

 私は仕事に向かう途中チャリとぶつかった。その時は怪我ですむと思っていたが。私の悲痛の叫びは誰にも届いていない。

 「……………っていうか…ここどこ?」 

 目の前には目慣れない空間とりんごが一つ置かれていた。

 「りんご?…………クッサ‼︎」

 りんごとは思えないほどの異臭がする。りんご意外にもここには地球とは思えないなんとも美しい風景があった。

 「綺麗…」

 その綺麗な風景の中に見覚えのある物があった。

 「あれってたしか…………ハンドスピナー…なんで?」

 

 ここに来てから大体1日たっただろうか、出口らしきものもなくハンドスピナーを回し続けた。いい加減にお腹がすいた、あるのは臭いりんごだけ、食いたくはない。

 12時間後、空腹が限界になった、臭いりんごを食べたが案の定まずかった。 

 臭いりんごを食べてから10分が経過しただろうか。

 「…………よ」 

 「ん?」

 「……っせーよ」

 臭いりんごを食ったせいで幻聴が聞こえてきた。

 「おっせーよ‼︎」

 「わぁ‼︎」

 今度は幻覚まで発症してしまった。 

 「だ、誰?」

 「俺だよ俺、ちゃんと見えてんのか、あぁ?」

 「は、はい」

 「なんでもっと早くりんご食わねぇんだよ」

 「……………すいません…」

 そこには真っ白な羽と光り輝く輪っかに乗っている天使のようなイケメンがいた。

 「こんにちは…」

 「パツ金の癖に礼儀がいいなぁ、俺の名前はラロイ、よろしくな」

 「よ、よろしくお願いします……ところでラロイさんあなたはなんなんですか?」 

 「ラロイでいい、俺はお前担当の天使だ」

 やっぱ天使なのか。

 「ラロイさん、ここどこなんですか?」

 「ラロイでいいつってんだろ」

 「はい」

 さん付けは嫌なんだ、なんで?

 「ここはいわば天国と現世の間だな」 

 「えっ!じゃあ私死んだの⁉︎」

 「あぁ」

 驚きはしたが不思議に以外とショックではなかった。

 「じゃあ私はなんで死んだのにこんなところにいるの?」

 「それはな、お前にはやってもらうことがあるからだ」

 嫌な予感しかしない。

 「お前には、凶暴な魔物が存在し、千年にもわたり人間と魔族が戦争しているいわば異世界に勇者として転生し、異世界に平和をもたらしてもらいたいのだ!」

 「な、なんだって!?」

 「っていうのは嘘だ」

 嘘かよ。

 「ただ単にもう一度、0から人生初めてみないか?」

 さっきまで口調の悪かったのに優しくなった。

 「それって赤ちゃんから人生やり直すってことでしょ?」

 「そうだ前世の記憶はそのままで、俺もついている。どうだ悪く無い条件だろ」

 確かに悪くない条件ではあるが、なにか引っかかる。

 「ねぇラロイちゃん他になんかないの?転生者特典とか向こうで役立つ才能くれるとか」

 「もちろんあるぞ、あと次ちゃん付けしたら殺す」

 「わ、わかったよ。とりあえず特典見せてください」

 「選べるのは一つだけたぞ」

 「わかった」

 渡された紙には名前だけですごいことがわかるものが沢山あった。

 

 私はそれから一日中悩み続けた、魔法系、身体系、精神系、付与系、回復系。

 「よし!これでいこう」

 「きまったか?」

 「うん、これにする」

 「お前これでいいのか?」

 「いいのこれで」

 「はぁわかったよ」

 

 前世ではクソみたいな人生をおくった私はもう生きてるだけでも苦痛を感じていた。だが今度こそ上手く生きてやる、楽しく、楽に生きてやる!

 

 記憶が朧げだ、頭がクラクラする。なんだこの感覚、気持ち悪い。喉に何か詰まってる、息ができない。とりあえず呼吸しないと呼吸。 

 「ゲホっゲボっ」

 「生まれたぞシーラン!」

 「ええ、わかっているわあなた」

 「元気な男の子だぞ!」

 え、まじかよ私男になったのか。大丈夫かなせめてイケメンであれ。

 「ほらシーランお前の産んだ子だ」

 「ちっちゃくてとても可愛いわね」

 「当たり前だろ俺とお前の子だからな」

 本当だイケメン、前世で会ったら結婚したかったな。母も可愛い、前世の私は可愛いっていうより美人たいぷだったが、この人は美人っていうより可愛いタイプだ。

 「なぁシーラン名前どうする?」

 「そうねぇ、じゃあ………ステイ」

 

 私がステイとして生まれて2年がたった。私の母はこの街で薬屋として働いている。父の名前は「マースメロ」彼は冒険者で年中家を空けている。私が会ったのは生まれた時だけだ。

 私はこの2年この世界の言語の読み書きや常識を学んでいた。人間の生活は前の世界とほとんど変わらないが、やはりここは魔法を使えるのが当たり前のようだ。それに多くの種族がいる。私は人間、この世界では人族と言うが、エルフやドワーフ、悪魔なんかもいる。

 そういえば転生してからラロイが私の前に姿を見せなくなったな。

 「ちゃんといるぞ」

 「うわぁ!」

 つい大声をあげて倒れてしまった。

 「ステイ!大丈夫?なにかあったの?」

 「うん、大丈夫だよお母さん」

 「言っておくが俺はお前以外に見えないからな、話す時は1人時にしろよ」

 産まれる前に言ってよ。

 

 なので私は自分の部屋に来た。

 「ねぇラロイこの世界で上手く生きていくために何したらいいの?」

 「ざっくりした質問だな。………まぁそうだな、やっぱ魔法だろ魔法、せっかく異世界来たんだ魔法使ってなんぼだろ」

 「確かに、私が特典でもらった魔法以外にも色々あるのか」

 「そうだ、例えば炎系魔法、水系魔法、他にも土、風、光、闇なんてのもあるな」

 「回復魔法は?」

 「あれは特別な魔法だ使えるやつなんてお前みたいに転生特典でもらうか、努力するしかない」

 「でも努力すれば使えるんだ」

 「まぁな………つっても使えるまで500年くらい必要だぞ」

 「それは無理だね」

 「そうだ人族にはまず無理だ、長命種のエルフや…………ヴァンパイヤくらいだな」

 「ふーん、てかヴァンパイヤいるんだ」

 「いるっちゃいるんだがあいつらは自分自身で回復できるから意味ねぇけどな」

 「ヴァンパイヤ…」

 「なんだよ、あいつらのこと気になるか?」

 「まぁね、なんかかっこいいじゃん」

 「あいつらに噛まれたらヴァンパイヤになれるぞ、太陽の下には出れないが何をされても死なない体になり身体能力も桁違いだ」

 「まじですか」

 太陽の下に出れないのはキツイな。でもいつか会ってみたいな。

 「そういえばなんでラロイは2年間出てこなかったの?」

 「それはくそ体力を使うからだ。」

 「どのくらい?」

 「お前と話すのはそんなに疲れないんだが、もしお前に何かあった時、俺は神の力を使う。神の力は1番弱い魔法でも貯めるのに3年はかかる、だから何もない時は極力寝て魔力を溜めているんだ。でもお前の感情や思考、痛覚なんかも共有している。つまりお前が死んだら俺も死ぬ、だからなにかあったらすぐ助けれるようにな」

 「つまり私の行動はラロイには筒抜けってわけだ」

 「大丈夫だお前がどんな性癖持ってても笑わねぇよ」

 まじか、じゃあ私が今まで自分自身をおかずにしてたのバレてたのか…………死にたい。


 次の日から私はラロイの言うとうり魔法の訓練をした。基本である水魔法から始めた。人族は血と一緒に魔力が流れているので水魔法は扱い易いのだ。1時間ほどで指先から2、3滴出た。少ないが魔法を使えたことはすごく感動した。

 「くぅー、異世界来て良かった」

 この時は本心でそう思っていた。


ハンドスピナー

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