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(原案)バツライフ  作者: The kid 王
第一部:アバンチュールゼアー
14/58

EP13〜離会〜

 あれ?僕はどうなったんだ。

 

 「……………うっ」

 「聞こえますか、ステイくん」

 「あ、はい。師匠」

 「残念でしたね」

 「何がですか?」

 「決勝戦ですよ」

 そうだ僕はウィーンズ・デッド・ダウンと戦ってたんだ。

 「………負けたんですね」

 「…はい」

 「どうやってですか?」

 「一瞬でした、「始め」と言い終わった頃にはあなたの首が転がってました」

 「………強いですね」

 「ええ、彼女ならもしかしてリッキーとの決闘も勝てるのではないでしょうか」

 「そうですか……」

 優勝者にはリッキー・グランド・ケーキとの決闘の権利が与えられる、今回は優勝出来なかったが準優勝である。

 「次は優勝できますよね?」

 「はい、ステイくんなら出来ますよ」

 「次回もウィーンズは出場するでしょうか?」

 「いやいやステイくん、優勝したらもうジケイ大戦には二度とエントリーできませんよ」

 「………え?」

 なんだと、つまり僕は優勝したとしてもリッキーと戦えるのは一度だけということだ。

 「あぁなるほどステイくんはリッキーと何度でも戦えると思ってたんですね」

 「は、はい」

 「だったら100年後でも200年後でもいいので万全の状態でまた挑みましょう」

 「………そうですね」

 

 これで僕の一回目のジケイ大戦が終わった。が、それ以上に大きな問題ができてしまった。母親のことである。

 「師匠、帰ったら大事な話があります」

 「………わかりました。では帰りますか」

 「ええ」

 「おーい、ステイちょっと待ってくれ!」

 振り返ってみると、コバヤシ・タツヤがいた。

 「師匠、先に行っててください僕は少しコバヤシと話していきます」

 「わかりました」

 「なんだ、もう帰るのか?」

 「あぁそうなんだ、それより顔面大丈夫なのか?」

 「あぁさっき王国の治癒師に治して貰ったんだ」

 「それでなんか僕に用か?」

 「そうだ帰る前に言いたいことがあったんだ、ステイお前さ王国に勤めてないか?」

 「断る」

 「即答……なんでだよ」

 「僕はやることがあるんだ」

 「なんだよそれ」

 「3年前に起きたガバ街の吸血死した事件を調べるんだよ」

 「………その事件だったら俺の知り合いが捜査本部長をやってるぞ」

 「まじで!紹介してくれよ」

 「お、おう。でもなんでこの事件を調べるんだ?」

 「その事件の被害者の中に僕の母さんが居るんだよ」

 「…そうなのか、悔しいな」

 「あぁ………」

 「じ、じゃあ一ヶ月後にガバ街の『バスタ酒場』に来てくれ」

 「わかったありがとうなコバヤシ」

 「いいって、同じ日本人どうし仲良くやってこうぜ」

 「おう」

 まさかこんなことになるなんて思っていなかった。コバヤシにはお酒でも奢ってやろう。

 

 ブロー町の道場に帰って来た。

 「師匠、僕とクレンは少しの間ガバ街に戻りたいと思っています」

 「わかりました」

 案外あっさりと了承を貰えた。

 「理由は聞かないんですか?」

 「ええ、ですがまた戻ってきてくださいね」

 「はい、もちろんです」

 「ではこれを持って行ってください」

 師匠は大金と50人分の血液をくれた。

 「師匠なんでこんなに………」

 「私の貯金と少し前に血液を大量に買って来たんですよ」

 「そうなのですか、でもこれを使い切るほど長く出て行きませんよ」

 「まぁまぁ、備えあれば憂いなしですよ」

 「…はい」

 「いつ頃出ていくんです?」 

 「明日にはもう行こうかと」

 「わかりました、出来れば毎日修行することは忘れないでください」

 「ええ、師匠はこれからどうするんです?」

 「私はリリスと楽しく暮らしていますよ」

 「師匠はリリスさんとどうゆう関係なんですか?」

 「弟子ですよ」

 「…………そうですか」

 ハハッ、弟子思いの良い師匠だな。

 「師匠、ちゃんと外にするんですよ」

 「あなた達もですよ」

 「わかってはいるんですけど……」

 「あなた達は愛し合っていますもんね」

 「まぁ……僕はまだ早いと思うんですけどクレンの方が離してくれなくて」

 「ステイくんあなたはクレンさんの事を愛していないんですか?」

 「………いやそんなことは…」

 前世が女だったこともあり、女に発情しにくくなっている。もちろんクレンのことは好きだ、たがこの好きはどっちかというとlikeの方である。

 「まぁそれはじっくりと考えればいいんですよ」

 「そ、そうですね」

 確かに時間は沢山あるじっくり考えていけばいいか。それより今は事件のことだ。

 

 次の日の夜。

 「では、師匠、リリスさん行ってきます」

 「行ってきますわ」

 「はい、2人ともいつでも戻ってきてくださいね」

 「俺様の護衛は必要か?」

 「大丈夫ですよ、僕だけで充分です」

 「ハッあの時とは別人だな」

 「はい、これも全てお二人のおかげです」

 「ちょっと私は?」

 「もちろんクレンもだよ」

 「では、ステイくん、クレンさんまた」

 「ええ、」

 

 一ヶ月後、コバヤシの言われた通りバスタ酒場に来た。

 「クレン、顔隠さなくていいのか?」

 「いいのよ、さすがに私の顔を覚えてる人なんていないでしょうし、すっかり成長したもの」

 「そうか」

 クレンと談笑していると、酒場のドアが勢い良く空いた。

 「おーい、ステイいるか?」

 「こっちだ、コバヤシ」

 「おお、いたいた。久しぶりだな」

 「ゆうて一ヶ月じゃんか」

 「隣にいるのは誰だ?」

 「初めまして、クレンといいますわ」

 「あぁよろしくなクレン、俺はコバヤシ・タツヤだ」

 「知ってますわ、3回戦でステイに負けた人ですよね」

 「あ、あぁ」

 「それよりタツヤ早速だが捜査本部に連れてってくれないか」

 「そうだな、着いてきてくれ」

 

 5分程歩いて着いたのが冒険者ギルドであった。

 「ここが捜査本部?冒険者ギルドじゃないか」

 「そうだぞ、事件の操作は基本ここの2階にある空き部屋を借りてやっているんだ」

 「ふーん」

 「まずは2人のことを操作本部長に紹介するよ」

 コンコン

 「すいませーん、マースメロさんいますか?」

 「おう」 

 「先日話した、事件に協力したいって人連れて来ました」

 「わかった、通せ」

 中からは、酒焼したガサついた声が聞こえてくる。

 「失礼します」

 「紹介しますね、こちらはマースメロさん、今回の事件の捜査本部長をしています」

 「よろしく頼む、お二人さん」

 「よろしくお願いします。僕ステイ・セントと言います」

 「私はクレンと申しますわ」

 自己紹介をすると本部長の目が大きく開いた。

 「おい、男の方今なんてった?」

 「…ステイ・セントですけど」

 「…………大きくなったな、ステイ」

 なんだ?急に泣き出したぞ。

 「覚えてないのか………無理もないか」

 「えっとどちら様ですか?」

 「パパだよ、ステイ・セントの父マースメロ・セントだよ」

 

 

 


 

 

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