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Phase.408 『誰か一緒に』



 未玖と2人、草原エリアへと移動する。


 再び尾形さんの拠点を訪れる為、安藤さんに馬車を出して欲しいとお願いしに行った。安藤さんは、草原エリアでこの『異世界(アストリア)』で入手した剣などの武器を並べて、リバーサイドで商売をしていた時のように露店を開いていた。


「――――って事なんだけど、どうかな?」

「オッケーオッケー。馬車を出してもいいよ。っていうか、もうおいら達は仲間なんだし、なんなら馬車を貸し出してもいいよ」

「いや、まだ馬車の扱いは慣れていないし怖い」

「慣れれば、バイクや車と一緒だよ」

「それでも慣れればだろ? だから安藤さんにお願いしたいんだけど」

「解った。それなら、おいらに任せてくれ。でも少し待って。店を片付けるから」


 安藤さんはそう言って露店に並べていた商品を、積み重ねて置いていた箱へそれぞれしまった。またその箱が、木箱意外にもプラスチック製のものもあって、異世界ともとの世界が面白い感じに一緒になっているなと思った。まあ、俺が身につけているものもそうなんだけど。


「未玖!」

「は、はい!」


 未玖は俺が安藤さんと会話している間、安藤さんが世話をしている2匹のストロングバイソンの所にずっといた。そしてストロングバイソンの身体に触れては、小さく何か喋りかけている。表情は、とても楽しそう。


「ちょっと俺はこれから、外に出るのに一緒に行ってくれる者を募ってくるから、未玖はここで待っていてくれ」

「そ、それなら私も……」

「どうせまたここに戻ってくるから。だから未玖は、そのストロングバイソンと遊んでやってくれ」


 片づけを続ける安藤さんの方へ向き直る。


「それじゃ、ちょっと行ってくるから、それまで未玖の事を頼めるかな?」

「ああ、未玖ちゃんの事はおいらに任せて」

「それじゃ、ちょっと行ってくる」


 草原エリアの安藤さんがいた場所から、まずはその辺に誰かいないか探して回る。でも最初の1人はもう決めていた。言わずもがな、トモマサだった。


 あの巨体、それに現役プロレスラーで、戦闘能力は間違いなくうちのクラン最強だと思うから。今は、新しく仲間になった佐竹兄もトモマサといい勝負をしそうだとも思ったけれど、でもトモマサはプロレスラーだ。現役格闘家。昔、俺の祖父がプロレスと相撲が好きで、テレビをつけてプロレスをやっている度に、プロレスラーと喧嘩する奴はおかしい、プロレスラーは最強だって言っていたっけ。


 だからその最強職であるプロレスラーのトモマサが一緒に来てくれたら心強いなって思ったんだけど、どーも今日は無理らしい。見つける事はできたが、話をするとトモマサは、大谷君達や小田達を連れてまた拠点の外へ魔物退治に出たいと言ってきた。


 目的はレベリングをする為だと知っていたので、それなら十分に注意する事と、あのデカい狼が出現したら、すぐに逃げる事を約束させて許可した。


 あと、それでもトモマサは猪突猛進なところがあるので、条件に翔太と北上さんと小貫さんを一緒に連れて行くように約束させた。この4人なら、例えトモマサが暴走したとしても、確実に止められるだろう。大谷君達や小田やモンタ達じゃ、止められるとも思えないし。


 それで次に声をかけたのが、パブリックエリアからこちらに向かって歩いてきていた大井さんだった。俺は大井さんに、尾形さんの拠点まで馬車で行くので、良かったら一緒について来て欲しいと伝えた。大井さんは、未玖が一緒に行くという事を知ると、とても驚いたけど、オーケーしてくれた。


「そうね。たまにはいいかもね」


 たまには……そう言えば、拠点の外へなにかしら出る時って北上さんと一緒に行動をしている時が多いな。

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