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いつか夢見る人心核  作者: かめったろす
一. 紀村ナハトの生存戦略
33/134

愛すべき絆の戦士たち

 人体模倣研究所第33研究棟の本棟ロビーが炎上している。


「へえ、頑張るじゃん」青空を背景に浮遊する不可視の怪物は、地上を見下ろしている。


 ドウターズには火焔を発生させる装備はない。察するに、ドウターズを撃退するために人質の誰かが、研究所を丸ごと火事にする覚悟で放火をしたのだろう。なかなかの度胸だと、イヴは感心した。


 戦う人は悪くない。強い人なら好みだ。


「彼らは残りのドウターズに任せようかな。お兄ちゃんともそういう決まりだったし」


 アルバから伝えられた作戦は、戦闘機による格納庫の破壊。それに伴い反撃手段を奪うこと。それ以上のことは空中で増援に備える。


 しかし、その作戦内容をイヴはひどく退屈に感じた。モーガン機を墜とし格納庫を破壊して、その後は黙って浮かんでいろ。増援が来たら対応すること。


──お兄ちゃんのことだから、国連軍が来る前に仕事を終わらせるつもりなんでしょう。


 それだけで終わってしまっては味気ないにもほどがある。


 人心核イヴの今代の基本プログラムは、強者を求め続ける。戦いを求め続ける。


 戦う意味を考えたことはない。一番自然な在り方だと思った。弱いことは恥ずかしい。誰かの屍の上に立つ自分が好きだった。


 その考えが野蛮だと言う人はいなかった。だって当時の月はそんな人たちで溢れかえっていたから。


『君、私の子供にならないか? 沢山のキョウダイたちが君を待っている』


 ハワードは私に、僕に、我々にそう言った。弱い人にならないために、強くならなきゃ。そんな思いの子供が自分の他に99人もいると言う。


 100人の子供たちを一同に会わせたら当然、争いになる。月面の弱肉強食という土壌は、彼らの闘争心を育むには十分だった。殺し合い、騙し合い、出し抜き合いになる。


 けれど、ハワードは言った。


『君たちが戦うべきは、隣にいる少年少女ではない。君たちが目指すのは、地球がひれ伏すほどの世界最強だ。キョウダイたちで争うのはその後でも十分だろう』


 その闘争心を、理不尽をねじ伏せるだけの力を求める渇望を、ハワードは絆に変えた。


 確かに彼らはその言葉に納得した。誰もが自分たちより大きな世界に立ち向かう気概を認め合っていた。


 100人の絆の戦士たち。心を共にする子供たち。彼らは孤独ではないことを知ったのだ。


 同じ境遇、同じ月面。結束することに迷いはない。


 だから──。


『我々は、100人で一つ。世界最強を目指す』


 この場、この時、人心核イヴは自らの使命を再認識した。


 ここで言う世界最強とは、梶原奈義に他ならない。もちろん、それはイヴではなくとも疑いようのない事実である。戦闘機に乗った梶原奈義には誰も勝てない。彼女に一度滅ぼされた月面防衛戦線だ。その強さは確信を持って規格外だと言える。


「地球最強を月が引きずり下ろす脚本を、ハワードが書いてくれるなら、私はいくらだって強くなって見せる」


 上空で戦闘機<フレズベルク>に乗るイヴの独り言を聞き取れる者はいない。


 機体は彼女専用、特別仕様だ。パイロットに同調率98%を要求する、およそ人間が乗りこなせる戦闘機ではない。ハワードによる設計思想は、理論上あり得ない同調率の臨界突破を想定したものだ。人心核イヴはその扉を開けるとハワードは期待している。


 否、絆の戦士たちはそのために育てられたと言っても過言ではない。


「だから、足りないのよ。最後の一人が」


 イヴはうんざりした様子で一人言った。


 そして、周囲に脅威のない緩慢な雰囲気を打ち破るように、「それ」は訪れた。


 イヴの視線の外、全く注意していなかった建屋──おそらく小規模な格納庫──の天井が内側から盛り上がった。金属が変形する音が空高く響く。あたかもそれはイヴの期待するなにかが羽化していくように見えた。


──!!!


 ついに屋根から一機の戦闘機が跳躍した。イヴはそれが人体模倣研究所所属の戦闘機<ターミガン>であることに瞬時に気づいた。けれど、些か動きが違う。


 未知の敵影は、推進剤も使わないまま、膝のクッションのみで着地した。地面ごと揺らす質量感。ここにイヴに立ち向かうべく、挑戦者が現れた。


「きた! きたきたきたきたきたきたきたきたぁああああああ!!!!」


 イヴは内側にあふれ出る渇望をそのまま表現したかのような叫び声をあげた。歓喜の雄たけびだ。


 爆発しそうな欲情を解き放つことを期待する、官能的な瞳。獲物を狩るのではなく、敵を認めて対峙するような戦いを望んでいる。艶やかな劣情を吐息に含ませて、彼女は言った。


「さあ、私を満足させなさい! 敵ぃ!」



        ◆



「さあ、どう来る」


 戦闘機修理専用の小規模格納庫<病院>の天井は破けて青空が覗く。紀村ナハトは開いた穴から見える蒼穹を睨んでいた。


 彼の立てた作戦の下、修理中の<ターミガン>を駆る梶原ヘレナを見送った。決して楽観視できない戦況を、人心核アダムに宿るオルガ・ブラウンの頭脳で分析した精いっぱいの奇策。まともな狂気にも等しい冷静さがなければ直視できない現実を前に、紀村ナハトは希望をヘレナに託した。


「問題は敵機の性能だ」


 梶原ヘレナに施した強化の一つは、アシストシステムに頼らない操縦法だ。彼女の目指す理想の動きを自覚させることが反撃への最低条件。


 しかし、それだけでモーガン機を打倒した怪物に届かないことは当然想定している。


 なによりもまず、敵の持つ未知の技術を理解しなければ勝ち目はない。


「この現代に、あれほどの性能の光学迷彩が実用に至っていることがまず、驚きだ」


──唯一の救いは、ヘレナが「アレ」と戦ったことのあるパイロットのただ一人の生き残りであったこと。


 話を聞くに、熱源が近くにある場合、透明な影が揺らいでわずかに「見える」らしい。


「迷彩性を何によって実現しているか。それはもう明白だ。間違いなく粉体マイクロマシンを使っている」


 熱で不可視の魔法が解かれるというならば、立体映像の線は消える。機体装甲そのものに映像を投影している可能性も消える。すると、敵は光を曲げるような「粉」を機体の周りに漂わせていることが考えられる。

 

 マイクロサイズの迷彩粉体を戦闘機に纏わせているというならば、合点がいく。


 ただし、疑問が残る。ヘレナが初めに不可視の敵と遭遇した際には宇宙空間だった。世にある開発段階にあるその類の光学装備は高真空下では機能するが、大気雰囲気では効果を発揮しないことが通例だ。水蒸気によるマシンの凝集を防ぐことは現代の技術では困難だ。


 だからこそ、今この地球で透明性を維持している敵機の底が計れない。


「月明防衛戦線の……ハワード・フィッシャーの持つ技術ってことか」


 加えて──。


 エリート戦闘機パイロット、モーガン・ゴールドスタインが奴に敗北したのは、見えなかったからだけではない。むしろ彼はその敵影を捉えていた。ただ、純粋な接近戦で墜とされたのだ。そう、最後は敵に触れられて──。


「……あいつ、触れた相手の制御を奪うのか。それはどういう理屈だ?」


 ナハトは考える。今持ちうる判断材料のみで思考する。梶原ヘレナの勝率を上げるためできることを探し求める。


「……なんにせよ、敵にはタイムリミットがある。それまでにヘレナが生き残れば、俺たちの勝ちだ」


 勝負師は「勝つべくして勝つ」。マグレやラッキーパンチ、ビギナーズラックを信じない。敵に張り付いた「時限爆弾」が作動するまで、ナハトは考え続ける。



        ◆



 梶原ヘレナは人体模倣の本質に触れたと感じていた。戦闘機を動かすことの本義を理解したと、心から思えた瞬間。今自分は確かに戦闘機を動かしているという実感があった。


「すごい……。戦闘機が……人型でなきゃいけないというのは、こういうことだったのね」


 同調率は89パーセント。


 人型戦闘機に人が乗り込み、同調する。操縦席ではなく脳で、心で動かすというコンセプトは間違いではなかった。多くの人がアシストシステムを用いることの落とし穴にヘレナは見事にはまっていた。


 世界が変わって見えた。それはあたかも今まで色盲だった者が、色を認識したかのようなブレイクスルーだった。


 もっとも、ヘレナだからこそ──梶原奈義の操縦法を知っていた彼女だからこそ、たどり着けた景色だ。凡庸な戦士には至れない、戦闘機をただの道具だと思っている数多の人々には届かない極点だ。


「いける……戦える」


 彼女の思考がNM変換ユニットを通じて<ターミガン>に流れている。無味簡素な技術の結晶体に血が通っている。


 ヘレナは演習場のブロックの一つに身を潜めながら、状況を窺っていた。


「だけど、それだけじゃアイツには勝てない」


 ミック・マクドナルド。モーガン・ゴールドスタイン。二人の凄腕戦士を難なく打倒した怪物に立ち向かうにはまだ足りない。戦況は五分五分には程遠い。


 そもそも、彼女の機体は左の飛行ユニットが、ない。先の戦いで修復されないまま現在に至っている。ついには邪魔になるとナハトが判断し、左飛行ユニットを<病院>に切り離す判断を下した。


 片方の飛行ユニットだけでは戦闘機は飛べない。今のヘレナには地を這うことしかできないのが現状だ。


「でも、大丈夫。私にはナハトが付いている」


 これまでナハトにはオルガ先生という超頭脳が味方してきた。だからこそ、ナハトは独りで生きてこられたのだ。そして今、その超頭脳がヘレナに味方している。


 勝利の明光は必ず差し込むと信じている。


 ブロックを背に、上空から飛行ユニットの燃焼音が響く。敵は近くに接近してきている。


「やるしか……ない!」


 戦士の出来損ない、梶原ヘレナは走り出した。普段の走行よりも音が少なく地面の陥没が起きていない。それだけ運動エネルギーの伝達が滑らかになっている証拠だ。


 けれどその疾走に敵が気付かないはずがない。上空からヘレナに、実弾が降ってくる。それはインクなどまき散らさない正真正銘の殺意だ。地面を穿つ傷跡が雄弁に「ここは戦場だ」と語る。


「追いかけてきなさい」


 ヘレナは脚部ナイフシースから超々合金ナイフを取り出した。<病院>と第33研究棟へは四角い演習場の一辺を繋ぐ頂点に位置している。ヘレナは第33研究棟へ目指して、演習場の端を走った。


 まず一つ、見えない敵への対処法。


『いいか、ヘレナ。第33研究棟へ走れ。あそこではおそらくハリエットが火災を起こした。その熱を利用して敵の迷彩をはがす』


 敵はヘレナを逃がさない。頭上から降り注ぐ弾丸を、彼女はステップだけで避けきった。予測と勘、そして戦闘機への信頼が可能にするマニューバだ。


 しかし、敵は──ヘレナとナハトの目論見から大きく外れた作戦を取った。


 ヘレナがその攻撃を避けられたのは奇跡という他なかった。


 背後から獲物を狩るように巨大な蜃気楼が近づいてきたことを、ヘレナが察することは不可能だった。レーダーに映らない、目視でも確認できないそれは、遠距離武器を使わずに、ヘレナに突進してきたのだ。


 ヘレナの背後には大きな粉塵が巻き上がり、轟音は煙い大気を震わせた。


 敵は空というアドバンテージを放棄して、ヘレナと同じ地平に立った。土埃が敵にも降り注ぐ。けれど、まるで空気の塊があるように、埃は「そこ」を避けて振り落ちる。確かに目の前にいる、怨敵にヘレナはナイフを構えた。


「っと……この展開はまずいなあ」ヘレナの額に汗が浮かぶ。


 ズシン……ズシン……と敵がゆっくりと歩いてくるのが分かる。距離感は掴めないが、明らかに身構える彼女の機体に近づいてくる。


──どうすればいいの? ナハト。

 

 そしてまた、これも予想外の行動。


『ザザー…………ザー……なた……』


「え?」


 スピーカーに雑音に混ざって声がした。困惑が支配する頭を振り切って、彼女はモニターを見た。


 オフラインの表示はそのままに、スピーカーは機能している。全く理解が追い付かない。


『あ……なた……誰?』


──会話? 話せる相手なの!?


 今までヘレナは人語の話さない猛獣を前にしているつもりだった。それが突然、言葉を発した。これはどういうことだろう。


──これは………。


「チャンスね」


『聞こえてる? ねえ』通信はますますクリアになる。明らかに敵はコミュニケーションを求めている。


「私は人体模倣研究所の戦士。あなたは誰?」


『我々は……イヴ。あなたは強いの?』


「あなたほどじゃないわ」


 なんとしてもヘレナは敵の情報を得なければならない。この好機を手放す選択肢はありえない。もしかしたら──これで戦わなくても済むかもしれないという甘い期待が頭をよぎった。


「梶原奈義の戦闘データが得られたら帰ってくれる?」


『ああ、そういう風に考えているのね。交渉の余地があると……でも、我々自身の目的は少し違うの。ごめんね』


「じゃあ、あなたの目的はなに? 叶えてあげられるかもしれない」


 ヘレナの動機は速くなる。ここが分水嶺だ。


『我々はね……仲間を探しているの。絆を分かち合える友達を』


「素敵ね。私でよければ……」


 そう言いかけたとき、異変に気が付いた。自分はもう死んでもおかしくない状況にあることを瞬時に理解した。


 なぜなら、蜃気楼が解けたのだ。目の前にそれはいた。赤い戦闘機だった。この世に存在するどれとも似ていない機体。まさに、胸部が触れ合わんばかりの距離に敵は近づいていた。不可視が解かれた怪物の全貌は、血を浴びたような深紅を纏った未知の兵器。


「……!!!」


『本当に……?』


「距離感が分からない子なのかな? 急に近づいてきたらびっくりするでしょ?」精いっぱいの冗談を口にした。軽い口調とは裏腹に歯の根が合わない。恐怖が加速する。


 まさに捕食者の吐息をかけられたかのような状況。


『絆の戦士たちって聞いたことある?』


「……!!!」


──今、なんて……。


『月で育った100人の子供たち。誰が欠けてもいけない、みんなで一つのお友達』


「あなたは……だれ?」


『みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために。美しい言葉』


「誰なの……?」


 彼方に置いてきた、遠い昔の言葉だった。絆の戦士たちという単語は、ヘレナの記憶を刺激する。月での戦争と自らを見出した親の顔を──。


 ハワード・フィッシャー。


 眩しいほど白いあの男、その微笑み。ヘレナの頭を撫でる大きな手。彼女の記憶の箱を開く鍵は敵の手の中にある。


『そう、たったひとりのために、私はここに在る。教えて、あなたの名前』


「梶原……ヘレナ」蛇に睨まれた彼女は命令に従うことしかできない。


『梶原? 惜しいわ、ヘレナは合っているのに』


「あなたは……誰なの!? ミハエル? カイル? ウィリアムズ? それともフィービー?! だれ? あなたはあの内の誰かなのよね!?」


 ヘレナの記憶ではかつての仲間に「イヴ」という名前の子供はいなかった。


『……ああ……やっぱり……ヘレナじゃない』


「誰なのよ!?」ふり絞るようにヘレナは叫んだ。


『やっと出会えた。やっと見つけた。やっと……やっと……』


「ハワードも生きているの!? 答えてよ!」


『我々は、ミハエルだよ。カイルでもあるし、ウィリアムズでもあるし、フィービーだってそうよ。他にもケイトだって、アンドレイだって……あなた以外のみんなはすでに私の中にいるの』


「中に……いる?」


──どういう意味なの?


『みんないるよ、我々は人心核<イヴ>としてここにいる!』


「……!!」


 人心核と言った。中にみんながいると言った。ヘレナは人心核を知っている。どういう代物か、理解している。人の頭に寄生して宿主を交換していく人工の魂だ。それはすなわち。


「あなた! みんなを食ったのね!」


 ヘレナのかつての仲間は皆、この怪物に取り込まれ、肉体は滅びているということだ。


『勘違いしないで。我々を生きていた頃の我々と別物だと考えないでよね。それはヘレナならわかるでしょう? 道具の在り方を知るヘレナなら……』


「……!」


『我々は貴女と戦いたいわけじゃない。一つになりたい。我々と来て。強くなりましょう? みんなのために』


 ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために。ヘレナは人心核イヴのために──。


 ヘレナは99人分の仲間の顔を一つの漏れもなく覚えている。彼らの顔も声も、記憶に残っている。共に育った友人たちを忘れるはずがない。


 人心核を人だと思えるのは、この場で梶原ヘレナしかいない。ヘレナの精神性は特別だ。人体模倣を究極的に突き詰めた感性は、イヴの言葉がどれも本心であることを理解できた。


「私は……」


『貴女が必要よ。ヘレナ。愛すべき友達』


 強くなるため。


 この世の誰よりも強くなるため。


 負けない、逃げない。みんなのためなら怖くない。そんな気持ちをかつては持っていた。


 ヘレナは今、彼女の人生で最も重要な選択を迫られている。子供時代の記憶から判断するしかない。

 

 だから、子供時代の第二章もヘレナは思い出した。梶原奈義との記憶だ。もう一人の育ての親。


 絆の戦士たちの中で自分だけが持つ──記憶(思い出)









『道具としてのあなたを殺すわ。もう戦うために生きなくていいわよ』






 


 奈義に出会った時に言われた言葉。梶原奈義は人体模倣を許さない。奈義は「道具を殺す」のだ。


 道具の目的を奪う。それが道具の死ならば、あの時、ヘレナ・フィッシャーは死んだのだ。


 でなければ、梶原ヘレナは紀村ナハトに対して「幸せになるために生まれてきた」とは言えなかった。これはそんな単純な因果の話だ。


 梶原ヘレナとヘレナ・フィッシャーは別人だ。ヘレナ・フィッシャーという弱く従順な戦士はここにはいない。


 だから──。


 梶原奈義がヘレナに光を与えたのなら、今度は自分がナハトに与える番だと、まだ少しでも思えるならば。


 彼女は戦える。








「ごめんね、みんな。私はもうそっちには戻れないよ」


 優しく囁いたヘレナは、ナイフをかざした。


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