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こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第1章
9/45

寿命縮めず歩いた少年?

「仕方が無い。先ほどホモかと疑われた小日向野郎の、弁解を聞いて差し上げましょう」

「待って?! なんで鷹野がいうのそれ?! おかしくない、お前も疑われてるのよ? ねぇ、ウクルン!」

「ウクルン言わないでください」

「ウクルン冷たいっ」


 今のは心にズサーッときましたぁぁ、と、胸を抑える小日向先輩。


「小日向先輩……おねえ、でしたか」

「新人君よ、君は大いなる間違いをしている! この超絶イケメン小日向栗兎は、オネエでもホモでも無い! ただの女の子大好きなモテ男だぁ!」

「モテるどころか無視されているレベルなのでしょう、貴方」

「……真実を言うなよバッキャロー!」


 涙目になって叫ぶ小日向先輩。

 なんだか、小動物が思い浮かびます。


「先輩」

「……わかってるよ? わかってるってば。そんな目で見ないでよ、ウクルン……すんまそん、真面目にやりまっス」


 小日向先輩は、ふーっ、と息を吐きました。


「まずは、部の説明をしよっか。……アマノンは、声について、知ってることあったりするん?」

「声……ですか?」

「そそそ。なんでも良いよ。とある国の歌手は歌う前に必ずオリーブ油を飲んでる、とか、喉には蜂蜜が良いらしいとかさ」


 声についてなら、なんでも……。

 そうですね、それなら、アニメの声優さんの、昼ドラ並みのドロドロした裏事情とか、ネットの歌い手さんの恋愛話とか、そんなのですかね……。


「……とある声優さんは、ファンの人と繋がりを持ちすぎて、声優界から追放されたらしいですね」

「そういう怖い話じゃなくてねぇ?!」


 あっ、喉についてでしたね。


「風邪をひくと、喉が痛くなります」

「あー、うん。風邪によるけど、痛くなる時あるよねー」


 うんうん、と小日向先輩が頷きました。


「聲質研究部……略して聲研は、その名の通り、声の質について研究する部のことっす」


 例えば、と小日向先輩が前置きしました。


「そうだな……声の質を高める為に、声が起きるのは起きてから何時間後なのか、というのを調べて、実証実験したりとか、するよね〜」

「そうですね。あと、声量上げる練習法として、どんな方法が効果的なのかとか、かな?」

「まぁ、幸い部員は5人いますので、実験しやすいのですよ。人数足りなければ、ボランティアを釣るのです」


 ……釣るんですか。募るのでは無く。釣るんですか。はぁ、そうですか。


「『鷹野涼介が淹れる、美味し〜い、お茶…………と、高級茶菓子詰め合わせ』を差し上げるだけで、皆様ボランティアに立候補してくださいますので」

「茶菓子詰め合わせに釣られる人が多くてね」


 ……コストかかり過ぎてませんか、それ。


「ま、そんな感じの部を作ったのが、この俺☆」


 そういえば、創造者だって言ってましたね。


「うふー、小日向くんは凄いのだよーっ、崇めて良いよ?」

「相手が何も仰っておられないのに、何をほざいているのですか、貴方」


 有徳さんが、肩をすくめて僕に視線を寄越しました。


「こんな部だけど、活動内容は真面目だから。どうかな? 仮入部だけでも、してみないかい?」


 ……どうやら勧誘されているようです。

 聲質研究部、ですか……少し、興味はあります。

 ですが、なぜ僕のようなスクールカースト最底辺野郎を誘ってくれるのでしょう……ハッまさかこれは罠ですか?

 ……そんな訳ありませんよね、この爽やか系イケメンに限って、そんなことしませんよね……。


「仮入部、だけなら、お邪魔しても良いですか」

「仮と言わずに、正社員ならぬ正部員でもオーケーだよヘイヤーハイヤー!」


 こうして僕は、聲質研究部に仮入部することになったのでした。


 ……僕は明日も学校に来れるでしょうか。



一応一区切り着いた……はず。

それもあり、7月5日の更新を休ませて頂きます。すみません。

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