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こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第4章
42/45

県大会、上に向かうか、下にて聞くか?

 とうとう、当日となりました。

 家でも練習をしてきた僕は、早めに会場へと向かいました。

 まだ9時なのに、会場内にはもうすでに、いろんな学校の制服を着た人が、いっぱい居て、ざっと見るだけで50人は超えていそうです。


「柳くん。おはよう」

「あっ有徳さん、おはようございます」

「……緊張してるかい?」

「あ……はい、緊張して、……なぜだか気持ちが高ぶってます」


 昔から緊張すると、鼻血が出そうになる体質なんです。


「緊張しすぎるのは、いけないからな……そうだ、飴でも舐めるかい?」

「え、いや、別に良いです」

「果物の喉飴と、チョコレートキャンディがあるんだけども。要らない、かい?」

「……じゃあ、喉飴を1つください」


 ……とか、有徳さんと話しているうちに、9時半になったようです。


『皆様おはようございます! さて、始まりました、第43杯、LHK放送杯コンテスト、通称Lコンでございます』


 マイク越しに、はきはきとした女性の声が聞こえてきました。


『本日、審査いたしますのは、荻野会長。LHK放送局から山野アナウンサー。……』


 審査員の方々のお名前が次々に挙げられていきます。

 ……というか、放送局から本当のアナウンサーさんいらっしゃってるのですね。すごいです、本格的です。


「なにか忘れているようだけども、柳くん、これは全国に続くんだよ?」

「はっ」


 そうでした、そういえばこれは遊びじゃ無くて、全国大会につながるやつでした。

 とか言っている間に、


『それでは、まずはマイクテストを行います。お1人様、1回に限り、練習に来ても良いですよ』


 ……ど、どういうことでしょうか?


「柳きゅん、おっはよぉ。練習しにいかないのぉ? 余裕だねぇ♡」

「え、えと、どういうこと、ですか?」

「読みに行けるんだよぉ。だからぁ、例えば『朗読部門、東ヶ丘高校』とかって言いに行けるのぉ。そしたら、あの側にいるお姉さんに、なにかアドバイス頂けるわけぇ」


 お、おおお。そういうシステムですか。


「早く行かないと終わっちゃうよぉ?」

「ふわっ?!」


 それは行かねばなりませんっ!

 長蛇の列に思い切って並びますと、さささ〜と順番がきました。

 マイクの前の椅子に座り、マイクに向かって。


「えと……朗読部門、東ヶ丘高校」


 そして、ぱっと立ち退きました。


「もう少し、声量があっても良いかもしれませんね」


 さっき挨拶をしてらっしゃった綺麗なお姉さんが、にこにこ笑って、そう仰いました。


「あ、えと、どうも……」


 社会カースト最底辺のクズ野郎である僕には、眩しすぎる笑顔です……。



 Lコン。こんなにも人が多い中、僕は、県大会を目指すことができるでしょうか……。

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