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こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第4章
38/45

練習するのはあと4日

 土日を挟み、月曜日。

 ぴちち、と鳴く小鳥。ふわりと香るのは、きっと運動場の木に咲いている花の匂い。

 空は綺麗に青く澄んでいて、気のせいか、いつもより体の調子が良いような気がします。


 ……とか、ゆっくり語っている暇は無いのでした、聲質研究部には!


 朝6時半に登校し、滑舌練習と発声練習を繰り返したあと、各自の原稿読み練習。

 ちなみに土日は学校が無かったので、滑舌と発声の練習だけはしろ、と言われたので、ちゃんとしてきました。

 てか、朝の6時半からですよ。ホームルームは8時20分からですから、朝から約2時間弱、練習なのです。……運動部でも無いのに。

 しかもこれらの練習は意外と体力を使うので、汗がだらだらと流れます。……運動部でも無いのに。


「い、一応、文化部なのに……」

「ん? ああ、文化部なのに運動部並みに体力使うってことかい? 聲研だけじゃ無いよ、柳くん」


 それは、どういうことでしょうか、有徳さん。


「文化部には、吹奏楽部とか書道部もあるだろう?」

「はい。この高校にもありましたよね」


 優雅に、美しく活動なさる、いわば文化部の華のような部活……僕には絶対に似合いません。


「楽器は重いし、書道パフォーマンスは足腰鍛えないと書けない。文化部も、それなりに体力を消耗するんだよ」


 ……え、文化部って、そんなにハードな部活だったんですか……?


「文芸部とかも誤解されがちだけど、本の整理整頓するってだけでも結構、体力いるからね」


 運動部も文化部も、ハード過ぎじゃあ無いですか……。


「まぁ、聲研はまだ楽な方だよ。年に3回くらいしか、大きなイベント無いからね」


 今回のLコンと、弁論大会、文化祭。

 聲質研究部はLコン出場、文化祭ではアニメのオフレコ、弁論大会では出場生徒の指導をするらしいです。

 ……Lコンとアニメのオフレコは兎も角……え? 聲研が、出場生徒指導するんですか?


「うん、そうさ。まぁここ3年間は、聲研(うち)の部員が出場してるのだけども」


 と、有徳さんはちらり、と、窓を眺める鷹野先輩を見やりました。

 ……なるほど。鷹野先輩は高1から弁論大会出場者でしたか……。


「ええ、ちなみに前年度の弁論大会の準優勝者はオレです」

「ひぇっ」


  ぬ、と鷹野先輩が横から顔を覗かせました。

 ……さっきまで、向こうの窓辺にいましたよね? 瞬間移動なされたのでしょうか……。


「ということで、雨野さんは、朗読で県大、行ってくださいね」


 さらり、と笑顔で言い切る鷹野先輩。

 僕なんかすぐに落ちるに決まっています。

 なのに県大会行けと……


「分かりました、敗者は、県大会の客席を確保して見学します」

「いや、アマノン? 県大会では、客席確保とかできないからね?! 県大会行けイコォォル、県大会めざして頑張れ、っていうことだかんね?!」


 ああ。そういうことでしたか。

 ……しかし小日向先輩。


「死因がプレッシャーって、おかしいですかね?」

「アマノン、死ぬなよ!?」


 県大会まで。今日も含めて、あと4日。

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