練習するのは来週までだ
それは唐突に始まりました。
「あっ! ごめんアマノン!」
小日向先輩が真っ青になって、僕に紙を見せてきました。
なんでしょうか。
「俺、日付間違えてた!」
……なんですか、そのドジっ子的な間違いは。
「Lコン、来週の土曜だった!」
……へ?
「な……え、え?」
「何言ってるのですか、リツくん。新手のジョークですか?」
「違う違うっ、本当に! 本当に間違えてたんだ!」
「はぁあ? ミミィたちも、みぃんな、来月に向けて準備してたんだよぉぉ?」
「ごめん! みんな、ごめん本当!」
ミミィさんが、口を尖らせて声をあげました。
小日向先輩が真っ青です。
と。
「いや、ミミィ。自分で確認しなかった私たちも悪いよ。それに、4週間の予定が1週間に縮んだだけだし、大して問題は無いさ」
有徳さんが、冷静に言いました。
「何言ってるの、アリノリ様ぁ?! 3週間の差がぁ、どれだけあると思ってぇ、」
「なぁに」
そのよく整った美しい顔に、僅かながら、不敵な笑みが浮かびました。
「……できるだろう?」
……ぞわり、と鳥肌が立ちます。
つまるところ有徳さんは……練習期間が短くとも長くとも、近い結果を出さねばならぬ、ということを遠回しに言っているのです。
「…………できる、けどぉ」
「まぁ正確には『できるようにする』ですけどね」
鷹野先輩も、その眼鏡の奥をきらりと煌めかせました。
……よくよく見ると鷹野先輩も顔立ちが整ってらっしゃいますね。
有徳さんと鷹野先輩、並んで不敵に笑む姿が、僕には眩しいです。……イケメン密度が高くありませんか、この部活。
「そうと決まれば、4週間ぶんの練習を1週間に凝縮して頑張れば、なんとかなるんじゃないかい?」
「そうですね。我が聲質研究部に限って『できない』などと、弱音を吐かれると困りますからねぇ」
「「だから、するだろ?」」
……イケメン2人が声を揃えて、こちらに笑みを向けてきました。
「……そぉ、言われちゃ、無理なんて言えないよぉ」
僕なんて、何年したって全国なぞ目指せそうに無いですし、3週間くらい縮まったって、全く気にしません。
……ああでも、本番が近づいるのか……。
つい溜息をついて憂鬱な気分になりかけた僕の目に、ふ、と入ってきたのは、罪悪感を抱いた漂わせる、どこか不安げな、小日向先輩の姿。
「まぁ、なんとかなりますよね」
珍しく僕は、前向きな発言をしたのでした。
どうも、作者の緋和です。
やッだーん、もう37話じゃないのぉぉん!(悩めるオネエ風)
……と、焦った緋和が「コンテスト来週あります☆」展開に変更したことは、皆様ご存知ですね。
ごめんよ小日向先輩。でもね、お前の叔父なんて「ごめぇんちゃいっ☆」で済ますくらいの奴だから、そう考えるとお前は真面目で良い子だよ。
あ、小日向先輩の叔父、小日向充が気になる方は、緋和の他の連載作品をちらっと見ると、読めますので、いつでもどうぞ〜。
本当に完結できるのだろうか、こち聲……と心配な作者の発言から、この作品はプロットというものを作っていないことを察してください(←ぇ)
実を言いますと、書き始めた頃は、小日向&鷹野先輩とか出てこなかったんです。
急に出てくるこやつら、一体どうしてくれようかと思いながらの更新の日々……無駄回もありそう?
こんな作者の書く拙いものですが。
完結まで、どうか宜しくお願いします。




