表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第4章
32/45

練習するのは明日からですか

「……具体的には、何をするんですか?」


 ショックから少し立ち直れた僕は小日向先輩に尋ねました。


「ん? 練習」


 ……え、だから何のですか」?


「まずは規定の中から、読むものを選ぼうか、柳くん」

「こ、この中でですか?」


 有徳さんが渡してくれた紙に書いてある作品名は、たった5つしかありません。

 ですが、その5つとも、僕が読んだこともないタイトルなのです。


「読書不足でごめんなさい……」

「大丈夫、気を落とさなくていいさ。柳くん、この中の作者さんの他の作品とか、読んだことあるかい?」

「えーと……」


 相川奏多。柿崎律子。小日向充。和田野々花。沢崎此味。


「……小日向充さんの『大和撫子 雨物語』は、読んだことあります」

「それ、柳くん的には、どうだった? 面白かったかい?」

「は、はい、なんだかワクワクして、ひやひやして、ドキドキでした!」

「……リツくん、叔父さんの作品、ああ言われてますよ」

「うん、アマノンにはもうチョイ頑張って欲しかったけど、聲質研究(うちの)部は文学部じゃ無いから良いよ、別に」


 有徳さんは、うーん、と唸りました。


「要するに、つまらなくなかったんだね?」

「はい、面白かったです」

「それじゃあ、同じ著者の『心体アーポシディ』も読んでみようか」


 ちょうど小日向部長が持ってるからさ、と有徳さんが笑みを浮かべます。


「リツリツ〜、重度の叔父コンが役に立つ時が来たよぉ」

「叔父コン言うなっ!」

「だってぇ、そうでしょお?」

「うるさいミミィ! で、アマノン、充兄さんの作品のなにを読むって?」


 あれ、なんか小日向先輩の目が怖いですね……。


「『心体アーポシディ』、です」

「ああ、充兄さんの大ヒット作だね! 今あるよ、今から読もう、俺も充兄さんの作品読む!」

「やめなさい叔父コン野郎」

「違うってば、鷹野!」


 え、あるんですか?

 と小日向先輩がカバンの中から、ハードカバーの本を取り出しました。


「あ、リツくん、僕『大和撫子 雨物語』読みます」

「じゃあミミィもぉ」


 次々と小日向先輩のカバンの中から出てくるのは『小日向充』の著書ばかり。


「……小日向先輩って……」

「シスコンブラコンならぬ、叔父コンだよぉ」


 なんという新事実でしょうか……。

 なんだか複雑な、それ以上聞いてはいけないような、なにかを感じ取った僕は、静かに、お借りした本の表紙をめくりました。



作者『小日向先輩は、叔父である小日向充のどこが好きなんですか?』


小日向「え? えーと……顔?」


作者『……小日向充、イケメン違うよ……?』


小日向「あの、ヘラヘラして面白い顔が好きなんだよ! 作者もそうだろ?」


作者『…………おお私の神よ』


小日向「えオーマイゴットを今なぜ日本語訳したの?! てかなんでオーマイゴットなの?!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ