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こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第3章
27/45

味方は身内でここもいた

「それでは、腹式呼吸の練習、いえ、先ずは雨野さんにお教え致しませう!」

「鷹野、巫山戯なくていいから」

「えぇ〜〜?」

「……今日、この後もう1回でも巫山戯たら、 “この前のあれ” 、流してやる」

「それだけはご勘弁ください!」


 …… “この前のあれ” って、なんのことでしょうか。


「あれぇ、柳きゅん、『この前のあれってなんのこと?』って感じの顔してるぅ」

「そんな顔してましたか、僕?!」

「ああ確かに、していたよ」

「有徳さんまで?!」


 どういう顔ですか、『この前のあれってなんのこと?』って感じの顔って?!


「 “この前のあれ” そうそれは、鷹野の黒歴史ノート!」

「ご勘弁を、って言いましたよオレ!」

「あれを声高らかに読み上げてやる!」

「おやめになって!」


 あ、こういうのを何と呼ぶか、知ってます。


「夫婦漫才ですね」

「うん、そだねぇ♪」


 ところでぇ、とミミィさんが無邪気に笑います。


「腹式呼吸ってぇ、なんだったっけぇ?」


 ……? え、腹式呼吸って、『ナンダッケ?』?


「えっミミィさん……?」

「な、なに言ってんの、ミミィン?!」

「まさか、まさかの記憶喪失ですか! うわーい!」


 ……あれ、鷹野先輩は、なぜ嬉しそうなんでしょう?

 と、くすくす、と有徳さんが笑いました。


「それじゃあミミィと柳くんのために、明日は部活時間を全部使って、腹式呼吸と胸呼吸の説明をしようか」


 有徳さん……! 貴方は今日も、イケメンです!


 ……ミミィさんの『なんだっけ』は、もしかすると、わざとだったのかも?


 とも思いましたが……そんなまさか、ですよね。僕のくせに自意識過剰でした、ごめんなさい!


「ちょちょちょっ、アマノン、ストォォップ!」

「はっ?! また壁に引き寄せられました!」

「えっ引き寄せられてたの?!」

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