味方は身内でそこにいた
「とゆーかミキさんが声優だって、よく知ってたねーきみー!」
ミキさんが声優さんだったなんて……僕、知りませんでした。身内なのに。
「まー、家族にも話して無かったんだけど〜」
「うん、お母さんも始めて聞いたわ」
僕の母、意外と肝が据わってますね。全然動じて無いです。
「ふふー。で? やぁちゃんの部活の、聲質研究部? の、臨時先生すれば良いの、ミキさんはー?」
「はい、宜しくお願い致します。オレは副部長の鷹野で、リツくん、小日向が部長です」
「そかー、鷹野副部長くんとー、小日向部長ね。じゃーね、まずは滑舌練習といこっかー?」
滑舌……声質向上のために必要ですよね。
……あれ。そういえば……声質向上放送、あの続きって聞いてないです。
「……声質向上放送の呼吸の回って、どうなったんですか?」
「え? あ、腹式呼吸の回かい? あれは、もう放送したよ。昼の放送で」
……昼って、友だちの居ない僕にとっては、ぼっちの時間じゃないですか。
精神を統一し、周りの声をシャットアウト。当然、放送なんて聞こえるはずも無く。
「一生の不覚です……」
「うん、何がだい?」
昼放送だって知っていれば、シャットアウトしなかったのに……。
「悲しいです」
「よく分からなかったけど、要するに柳くんは、腹式呼吸の仕方が知りたいのかな? それなら私が、いつでも教えてあげるさ」
さすが有徳さん。イケメンは、なんでも分かるのでしょうか? イケメンって凄いですね、さすがは皆の憧れです。
そういえば、あの某アニメのパンのヒーローたちだって、擬人化やらすると超イケメンでした。それに食パンのヒーローは、悪役ヒロインに惚れられるほどのイケメンっぷりですもんね。さすがイケメン、どこでもモテる、どこでも最強です。
「イケメンを敵に回したら死にますね、僕」
「急に何を言い出すのかな、君は」
それにねぇ、と有徳さんは少し、首を傾げました。
「もし皆が君を敵に見ても、私は君の味方だよ?」
こ、これは……
「「「「「口説き文句……!?」」」」」
「え、何がだい?」
天然? これ、天然の発言なんですか?
一般人が使うと、白ける以外なにでも無いこの文句が、有徳さんだと、わあ不思議、口説き文句どころか、殺し文句です!?
「天然で、この破壊力……黒崎と、この男……互角かもしれない!」
小日向先輩の叔父さんが、カッと目を見開いて言いました。
……黒崎さん、って誰なんでしょう?
「まぁそれは後でするとして! ミキ先生の講座を拝聴しなきゃだよねぇ☆ 俺もメモる!」
「えっ充にーちゃんも聴くの?!」
「ここで聞いとかなきゃ損じゃないか!」
なんともテンポの良い、小日向さんの叔父さんです。
それでは、ミキさんの講座がやっと、始まります……!
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黒崎さんを知らなくて気になる貴方様は、今すぐ作者の作品ページに飛んで、「俺と愉快すぎる仲間たち!〜作家は今日も忙しいのだ〜」をご覧ください。
俺ユカ知ってるよという貴方様は、いつもお世話になってます。ありがとうございます。




