味方は身内でここにいる?
まさか、本当に高校に授業参観があるなんて……
「ふぉっふぉっふぉ!」
うわ、謎の笑い声がします。
「ハッ、まさか、この人は!」
小日向先輩、この方のことを知ってるんでしょうか。
「……どちら様っすか?」
知らないんかーい!
……あっ、ついツッコんでしまいました。僕なんかが偉そうに……もうしません。ごめんなさい。
「え? 知らない? 嘘でそ? わっちだお? みーんなの憧れ、教頭ちぇんちぇーだお?」
……きょ、教頭先生って、こんなに軽い感じの方でしたっけ?
「えー? 知んねぁーい? ホンツォーに?」
ごめんなさい、悪いのは全部、僕なんかのせいです。
「ま、いーけどにぇー。わっち、てめーら大人どもは何しに来たんだらーて聞きに来ただけだけぁら」
教頭先生は、何を仰っているのでしょうか……今日は授業参観だから、大人が来るのは当たり前……ですよね?
「授業参観があるってプリント見て、来たんだけどー? このミキさんに、なんか文句あるのー?」
ミキさんが、ふん、と腕を組みました。
「おやぁ、お姉さん、超美人だにぇー。えーでも、授業参観ー? ここ、高校だお? あるワケなーぁし! あったらイヤーン!」
……?
「つーまり。高校ですからー授業参観はありまっすぇーん!」
「結局、無いんですか!?」
でも、それじゃあ、あの謎のプリントは?
「見事に皆さん引っかかりましたね。リツくんも引っかかって、ざまーですね。ぷーくすくす」
「さては犯人はお前かあ、鷹野!」
鷹野先輩が、くすくすと笑いながら、電信柱の影から出て来ました。
……え、ずっと電信柱に隠れてたんですか、鷹野先輩。僕、近くを通ったのに気づきませんでした。ハッ、まさか鷹野先輩は、一族代々続く忍者とかなのでしょうか。
「鷹野先輩、今度その隠れみの術、教えてください」
「えっアマノン、こいつ忍者なの?!」
「えっ栗兎の友だち、忍者だったの?!」
「失礼な! オレの一族は、由緒正しき変態ですよ!」
「え一族みんな変態なの?! てかそれ由緒正しく無くても良くない?!」
な、なんなんでしょう、この状況……
「ツッコミどころ満載すぎて、どこからツッコんでいいのか分かりません……!」
「やぁ、おはよう柳くん……ん? どうしたんだい?」
「あっれれぇ? なぁに、柳きゅんのお母様と、お姉様かなぁ? それから、リツリツの叔父様だぁ。なになに、ご家族ご親族の集会でもあるのぉ?」
有徳さんと、ミミィさんです!
「おはようございます。お顔なのです!」
「どうして今、顔が出てきたのか聞いても良いかい?」
「きゃっはぁ♪ 柳きゅん、今日も突拍子ないねぇ」
あれ? なんか違いましたっけ。
あ!
「違いました、カオスでした」
「うん、顔とカオスを間違える人にあったのは初めてだよ」
はい、自分でもビックリです。
「今日、授業参観らしいです」
「え? そうなのかい? 私は聞いていないよ」
「ミミィも、聞いてないしぃ、知らないよぉ?」
「え?!」
ぽん、と鷹野先輩が、僕の左肩に右手を置きました。
「ですからね、雨野さん。全てはオレが仕組んだ巧妙な罠だったんですよ」
「罠ですか?!」
「そうだよアマノン! 酷いよね? 鷹野ってば、わざわざプリント作ったんだって! まぁそのお陰で充にーさんと会えるのは嬉しいけどさぁ! 後でマイク挿入して、あんあん言わせてやる!」
……あんあん、ですか。
それはあの、まさか……初めてお会いした時、扉の向こうから聞こえてきたやつです……よね。
「小日向先輩、道端でそういうことを大声で叫ばないでくださいよ」
「お、俺の甥っ子が、ホモだったなんて……お祝いしなきゃー☆」
「えっやぁちゃんの先輩、ホモだったのー?!」
「待って待って待って?! なんつー誤解してんの、違うよ?! アンパ○マンマーチのことだよ?!」
ああ……そういうことでしたか。
「アマノーン、悟ったような表情しないでぇぇ!」
「ちなみに栗兎、どっちが上?」
「俺の叔父が腐男子だった件について! ……ってだから、俺と鷹野はホモじゃ無いっ!」
「ふぉっふぉっふぉ……BLウェルカム!」
「教頭まで?!」
ほも、びーえる……って、何なんでしょうか。まさか、皆知ってる事柄……?
僕は無知です……。
「ま、リツくんが誤解を招くような言い方するから悪いのですよ。オレ知らね」
「「名前で呼び合う中だったのか……!」」
「やめて! 鷹野がもっと誤解招いてるからっ!」
まぁとにかく。
「……カオスですね」




