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こちら、聲質研究部?  作者: 緋和皐月
第3章
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味方は身内でここにあり

「やーん、やぁちゃん早くしてー! 早く行かないと、ミキさん暴れるよー!」

「まっ待ってくださいっ」

「えー、やぁちゃん靴紐結ぶのちょー丁寧だねー? いつかミキさんの靴紐も結んでね!」

「なんでですか?!」

「だって、あたしとやぁちゃんって、靴紐結び合う仲でしょー?」


 どういう仲ですか、それは?

 あ、わかりました、僕がミキさんの靴紐を結ばせて頂く下僕の立ち位置という訳ですね。


「わかりました、今度結ばせて頂きます」

「? なんか勘違いしてなーい? 結び合いっこだよー? そうこれは、魂と魂を結びつける恐怖の紐結び……」

「靴紐ですよね?」

「あでも、ミキさんの心と身体は旦那様だけのものだからー、やっぱダメ〜」


 あれ?


「ミキさん、既婚者でしたっけ」

「んー? 未来の旦那様募集中だぉー」

「そ、そうですか……」


 聞いてしまってごめんなさい。


「まーそんなことは、いーじゃ〜ん? 行こうよぅ、学校ー!」

「わぁぁん、お母さんも行きたいー!」


 母さん……母さんまで学校に来たら、完全に授業参観じゃないですか……。


「あっ何気に今日、授業参観よね?」


 ……母さん? 嘘ですよね?


「あ本当だー! ほら、やぁちゃんが持って帰った封筒ん中に、授業参観のお知らせ入ってるよー?」


 ……誰か、嘘だと言ってください!


「やーん、やぁちゃんの高校生の制服姿、学校で写メろー!」

「お母さん、高校生になった柳の授業、参観したいわ……!」

「やめてくださいっ高校ですよ?!」


 高校生なのに授業参観なんて、なんの辱めプレイですか?!


 と、いう僕の言葉は通じなかったようで、母さんとミキ叔母さんと一緒に投稿することになりました。

 ……ドウシテコウナッタ。



「小日向先輩?」


 学校の前に、小日向先輩が私服で立っていました。

 ……今日、休日では無いですよね? 学校ありますよね?


「ん? 呼んだ? えっ先輩? 俺のこと? まさか栗兎と間違えてる? えーそんなに俺、若く見える? キャーうれしーぃ! ヒャッフー☆」


 ……なんか、今日の小日向先輩、テンションがいつもよりおかしいです。


「アマノンおはよー!」


 と、背後から伸びて来た手に、ぽん、と肩を叩かれました。

 うわぁぁぁっ、背後から手がっっ……と頭の中でパニックを起こしかけた僕でしたが、ぐっと堪えました。

 ……自画自賛しても良いですか? ダメですよね、ごめんなさい……。


「あれっ充にーさんじゃん。なんでここに居んの?」


 うわっ小日向先輩が2人にっ?!


「えー? なんかね、昨日、姉さんに連絡もらったんだよねぇ。参観日行けないからお前行きやがれ☆って……酷くない?」


 にひゃー、とその人は笑いました。

 ……小日向先輩がこの世に2人も居るわけないですよね。

 ということは、この人は……誰でしょう?


「あ、挨拶が遅れました」


 しゃん、とその人は背筋を伸ばしました。……あれ、小日向先輩より身長高いです。

 心なしか、顔立ちも大人っぽくて、なんだか小日向先輩より、髪の毛はフワフワしてそうです。


「栗兎の叔父、小日向充です☆ 作家やってまーす。彼女募集中〜」


 天真爛漫な感じで、その人は自己紹介してくれました。

 ……ん? 叔父? 従兄弟?


「俺の叔父だヨ」

「えーもーそんなに似てるぅ? 若くみえる? そろそろ俺、三十路なんだけど〜」

「み、見えません」

「はははー、俺の編集者は大学生に見られたことあるらしーけど、俺の方が勝ったな!」


 だって高校生と間違えられるなんて凄すぎない? 10歳近く若く見られるって嬉しいよねぇ、と、小日向先輩の叔父さんがにこにこしました。



 ……って、やっぱり授業参観あるんですか、この学校?!


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