腹を満たして部活に加われ
柔らかな朝の木漏れ日が窓から差し込み、窓辺に置いてある花瓶に生けられた、真っ赤な薔薇の花弁は肉厚で、とても艶やかです。
絵になるような美しい光景が広がるのは、聲質研究部の部室です。
……なのですが。
「……今日の反省点は、やっぱ声量が足りなかった点かな?」
「そうですね。いや、それよりもリツくんは、もっと敬語が似合うようになってください。何故あんなにも似合わないんですか、貴方は」
「私は、鷹野先輩の合図、少し早かったように思います」
「ミミィの記憶が正しかったらぁ、これ台本の通りに進んでないよねぇ? どぉして、もっと詰められなかったのかぁ、教えてくれるぅ?」
「そうなの、ミミィ様のいう通りなの。もう少し詰めて、今日中に腹式呼吸講座入れる予定たったの」
……なんなんでしょう、この雰囲気。
なんか……部外者の僕が口を挟むと殺されそうです。
そう、きっと皆さん、僕が何か言った瞬間、綺麗な薔薇の棘で僕を刺し殺し……
「……ぴぇぇっ!」
「どったのアマノン?!」
薔薇の棘って絶対痛いですよね、絶対。
あんなに鋭いですもん、痛くないわけが無いです。
「あれ、柳くん。もうお弁当食べ終わったのかい?」
「……はい」
ひとつ、残ってますけど。
「それじゃあ、小日向先輩……いえ、部長」
ん? 有徳さんの、小日向先輩の呼び方が変わりました。
何故でしょう……はっまさか、よく映画で出てくるような、公私をキッチリ分けるタイプというやつでしょうか。
あれって大体、無表情なイケメンさんがやりますよね。
……いえ、有徳さんが無表情だというわけでは無く!
「有徳さんは表情豊かですっ」
「……それは褒めてくれてるのかな? ありがとう、でも急に言われると照れるよ」
「ウクルンって適応能力高いけど、それはイケメンだからかなぁ?!」
……小日向先輩、それは違うと思います。
なんて到底言えない僕は腑抜けです。いや、腑抜けの意味をよく理解していないので、使い方間違ってるかもですけど、腑抜けてるのです、ふにゅふにゅです。
「今にもドロリと溶けちゃうのです」
「えー、蕩けちゃうならミミィが食べちゃうよぉ♡」
「どうぞ、お弁当差し上げます」
「う? や、そぉいう意味じゃないんだけどぉ……まいっかぁ、ありがとぉ」
「ミミィさん……雨野さんには、下ネタは通じませんよ」
え、待ってください、下ネタだったんですか、今の……?
「あっはぁ、ホントにぃ、柳きゅんってカワイイよねぇ♪」
……なんだかとても、複雑です。
可愛い……一応、高校生とは言え僕も男なんですけど……いえ、男子高校生、と言いますから、「男」では無く「男子」で、可愛いが通用する年齢なのでしょうか……むむむ、複雑です。
「とゆーわけでー! 聲質研究部入門テストを、明日しまーす☆ ……アマノン、覚えておかねーと、承知しねぇからヨ」
なんか、後半部分、妙にイケボでしたね。男の僕でも、某アニメ番組の主人公のスポンジくんと同じように、はわわわわぁ、ってなります。
……え、テスト?
ーオマケー
愛李「え、それってスポ○ジ・○ブなの?」
栗兎「ギャーッ、ダメだよメノン! それ以上は著作権だよっっ」
涼介「あのアニメって、カオスですよね……」
《あとがき》
皆様こんにちはっっ!緋和皐月です!
すみませんすみません、2日更新のはずが、なんか更新されてなかったぽいです。
……いや、更新予約した「つもり」だったっていうか……とにかく、すみませんっ!
そして、リアルの諸事情により、来月まで更新をお休みします、多分。
ホントに色々すみません! リアルが早く済んだら、早く戻ってきます。
ごめんなさい!




