腹が空いたら部活をすべし
ミミィさんの衝撃的なカミングアウトに、パニックを起こして居た僕の心でしたが、やっと落ち着きました。
「てなわけでー、仮…………入部してくれたアマノンにも早速、参加してもらうのですん」
「貴方、今『仮』の部分を小さく言って誤魔化そうとしましたね?」
鋭く鷹野先輩がツッコみました。
……というか。
「……何が、どういう訳で、何に参加するんでしょうか」
すみません、くだらないことで心を騒つかせて、時間を無駄にしていました、ごめんなさい。
「ありり? アマノン聞いてナッティング?」
「……」
暫しの間、微妙な温度の中に沈黙が訪れました。
「……ネタが分かりにく過ぎる為に誰もついていけてませんよ、リツくん」
「えっ?! どの辺がっ?!」
ごめんなさい、僕は低知能なので分からないのです、そうです僕は、お猿さんに馬鹿にされるほど頭が悪いんですごめんなさい、あでもお猿さんは凄く賢いので、僕を嗤うこともしないかもしれません、優しいです……。
「お猿さんは神様です」
「……アマノン、今の話の流れのどっから、オサァルサァン出てきたの?」
「部長さんはお猿さん好きですか?」
「うん、嫌いじゃないんだけどさ? 可愛いもんね」
「お猿さんは優しいのです」
「……へぁ?」
まいっか、と小日向先輩は肩をすくめました。
「えっとねー、だかんねー、声は人に与える印象の8割以上を占めるんす。つまりは、声が素敵イコォォォル、俺チョー素敵☆」
……話が見えません。
声が素敵、いこーる、小日向先輩が素敵なんです……か、そうなんですね。
「先輩、柳くんが困ってますから、分かりやすい説明をしてくださいよ」
「えー、ウクルン厳しーっ!」
「ウクルン言わないでくれますか。……柳くん、勘違いしてはいけないからね」
さすがイケメン、有徳さん。僕の悩める心情をさーっと理解してくれるのは、イケメンだからでしょうか。
「有徳さんも神様です」
「……突発的な君の考え方も素敵だけども、時たまに分からなくなるかな」
有徳さんが苦笑いを浮かべました。
「えっとぉ、つまりリツリツが言いたいのはねぇ、声が素敵な人は、ほんとは性格が悪くても腹黒でもぉ、素敵な人だって思われるんだよーって、ことだよぉ?」
ミミィさんが、分かりやすく説明してくれました。
「詐欺師の人とかはぁ、凄〜く声が魅力的だったりするんだよぉ♪」
まさか詐欺師さんって、声から騙していくのでしょうか。
僕も気をつけなければ……。
「とゆーわけで、聲質研究部は声質向上する為に、新入部員アマノンも、絶食しまっすーん☆」
…………へ?




