腹が減ったら部活を始めよ
「じゃあ母さん……いってきます」
「うん、いってらっしゃい! これ、お弁当よ」
「うん、ありがとう……」
……母さん、これ、重箱では無いですか?
「部活の先輩たちにも、どうぞって分けれるように、お母さん頑張っちゃった♡」
「……そっか」
こうして僕は、今日も登校することになったのでした。
凄いですよね、なんなんですかね。これぞ入部の力なのでしょうか、僕が2日連続で登校とか、天罰がくだるのではないでしょうか。
やっぱり大人しく家に引きこもっていれば良かったんです……きっとそうなのです。
「おお、柳くん! おはよう」
「あれぇぇ、柳きゅん、それ、お弁当ぉ? 大きいからぁ、重箱みたいだねぇ☆」
朝からウザったい事を考えていた僕なんかに、挨拶をしてくれたのは、有徳さんとミミィさんです。
「……弁当のことについては、もう何も触れないで頂けると嬉しいです」
「……本当に、重箱なんだぁ……?」
昨日とは打って変わり、意外と早く、学校に着きました。
……僕は昨日、どれだけ道端に蹲っていたのでしょう。道行く人はきっと、変に思ったでしょうね。恥です。黒歴史です。今すぐ死にたい。
「ア・マ・ノ・ン〜、おっへぁよー。ウクルンとミミンもお……ふぁぁあ……よ。あー、今日の放課後部活だかんね、覚えとい……はふ……てね」
欠伸まじりに、小日向先輩が僕の背後から、挨拶してくださいました。
「おはようございます、こひなたん先輩」
……いけません、噛みました。
あああ、だからもう僕は本当ダメな奴です、小日向先輩がお怒りになっても当然です、ごめんなさい、明日から学校来ませんから、ごめんなさい。
「何なの、こひなたんって超カワイイじゃん、あれだよカワイイだよ、世界のKAWAIIだよ、なに、朝から俺を悶えさせるつもりなの? その思惑に見事嵌った俺っ、いやこれは萌えるっしょ?!」
……もだえ? もえ?
先輩、ごめんなさい。それは日本語ですか。
「小日向先輩。柳くんが困っているので、やめてくれますか?」
「ウクルンったら、今日も、つ、め、た、い♡ キャッ♡」
「やめてください怖気がさします」
「そのマジトーン酷くない?! ねぇ、ミミン!」
「もぉ、リツリツったらぁ。アリノリ様が下の名前で呼ばれるの嫌いってぇ、知ってるでしょお?」
やれやれ、とミミィさんが首を振りました。
「しっかしミミン、今日もド派手だねー」
小日向先輩は、首をかしげます。
今日のミミィさんは、昨日と同じツインテールに、大きな赤色のリボンを付けてました。
「ホント、『男の子』になんて見えないよ〜」
そうですよね、完全なる女子そのもので……す?
「……はい?」
「もぉぉ、ダメでしょーっリツリツ! 柳きゅんは、ミミィの性別なんてぇ知らないんだからぁ!」
ど、どういうことですか?
「ごめんねぇ、柳きゅん。騙すつもりは無かったんだけどぉ、説明メンドかったってゆーかぁ。ミミィ、本当は男なんだぁ♡」
…………え?
「えええええええ?!」




