2.
2話目投稿です!
サブタイは…思いつきませんでしたw
最後まで読んで頂けたら幸いです!
「すみません。 おかわりください」
目の前に高々と積み上げられたどんぶりのタワーが二つ。
それでもなお、どんぶりにがっつく少女が目の前にいた。
最近の女の子はこんなに食うもんなのか?
どんなものにも例外というのはあるが、さすがに引くレベルなんだが。
「助けてくださいって、腹が減ってただけかよ。つーか、お前どんだけ食べるんだよ」
「ぉぐもぐごご...ごほごほっ」
「食ってから喋れよ、ほら水」
渡した水を一気に飲み干し、ふぅーと息を吐き落ち着きを取り戻す少女。
「お腹が減っては、殺したい人も殺せません」
また牛丼にがっつく少女。
意味わからん。
なんでこれから殺すやつに飯をたかるんだよ。
そもそも、なんで俺が殺されなきゃいけないんだ?
本当にわからん。
「お金置いとくとから俺は帰るぞ。死んでくださいって言われたやつと一緒にいる義理なんかないしな」
俺はポケットから少し多めにお金を取り出す。
この出費は痛手だが、この場から逃げられるのなら安い買い物だ。
俺は席を立ち、店をそそくさと出ようとした。
「待ってください」
俺の右腕を力いっぱい掴む少女。
鋭い目つきでありながら深刻そうな顔で少女はこう言った。
「あと…十杯食べていいですか?」
「どんだけ食うんだよおおおおおー!」
俺の悲痛な叫びが店内を駆け巡った。
「ぷはー。ご馳走さまでした!」
「ほんとに食いやがった…」
俺の財布から閑古鳥が鳴いていた。
花束どころか飲み物一本も買えなくなった。
こいつといるとろくな事がない。
ここは自然に…。
「じゃあ、俺は用があるからまたどこかでな」
「はい! ご馳走していただいてありがとうございました! って待っ…」
全速力で走る俺。
ローレンの街を右へ左へとにかく逃げ回った。
「はぁ…はぁ…」
どれだけ走ったのだろう。
日は沈み、気がついたら母さんの墓の前まで来ていた。
もう後ろから追ってくる気配はないようだ。
俺は墓の前で膝をつき、この一年間の出来事を話した。
ここにくるとほんとに気持ちが暖かく、和らいでいく。
まるで、昔母さんと喋っていた時のように。
「さて、そろそろ行くわ。今度はちゃんと母さんの好きな花束を買ってくるから」
笑顔で別れをいい、立ち上がった時だった、
「やっと…見つけました」
息を切らしながら俺の前に現れる少女。
ずっと俺の事を探してたのかこいつ。
「もう飯は奢らねーぞ。 誰かさんのせいで財布の中がすっからかんなんだよ」
「違います。 あなたを殺します。」
「まだ言ってんのか、なんでそんなに俺にこだわる? 人を殺したいって考え自体おかしな話だが、別に俺じゃなきゃいけない理由でもあんのか?」
「理由? あんな事をしておいてとぼけるんですか?」
あんな事?
全くもって思い当たる節がない。
「とぼけるも何も俺がお前に何をしたって言うんだよ」
その言葉を聞いた少女の顔は、怒りと殺意に満ちていた。
「あなたが…あなたが私の両親を殺したくせに!!」
少女の怒りに満ちた叫び声が静寂な墓地一帯に響きわたった。
読んで頂きありがとうございました!
次回の更新は…早めにしますw
ではでは!