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1.白銀の少女

大変遅くなりましたm(__)m

一話の投稿になります。

読みづらい所が多々あるかと思いますが、

広い心で読んで頂けたら幸いです(><)

 

「お願いです。死んでください。」


 遠くから現れた銀髪の少女は、右手に持っていた剣を俺に向け、ゆっくりと歩いてきた。


(死んでください? 何言ってんだこいつ)


あまりの唐突な発言に状況が理解できない。

むしろ、いきなり死んでくださいなんて言われて、わかりましたって言うやつなんて世界中どこを探してもいないだろう。


 ただ、少女の発した言葉は冗談でないという事だけはすぐにわかった。

 

そこらへんの腐ったやつらが口にする言葉とは違い、少女から感じる殺気が俺の全身、皮膚、神経にまで伝わってくる。



だんだんと少女の歩いてくるスピードが早くなっていく。


「ちょ、ちょっと待て!」


俺の言葉など少女の耳に届いてなどいなかった。

剣を俺に向け、一気に加速してきた。



「くそっ‼︎」




「これでやっと…」


 ぼそっとそう呟く少女の顔は、安堵した表情を浮かべつつも目からは涙がツーっとこぼれ落ちていた。




 ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ 



 俺は八歳の頃に両親を失くした。

 正確には母さんは死んで、その次の日に父さんは家を出て行った。

 母さんは死んでしまったと父さんから言われた。

 その時の父さんは下を向いたまま俺を見ることはなく、体が震えていた。

 

 翌日、父さんは俺を見捨てて家を出て行った。

 リビングのテーブルには『ごめんな』の一言だけ書かれたメモが残されていて、それを見つけた時は目の前が真っ白になり、頭を鈍器で殴られたような痛みが走った。



 父さんが俺を残していなくなった日から、二週間くらいは毎日泣いていたような気がする。


 母さんと父さんがいなくなった悲しみ、自分一人しかいない孤独と恐怖。


 自分の気持ちが落ち着いたのはひと月くらい後の事だった。

 その時くらいからだろうか、見える景色から色はなくなっていき、あんな思いをするのなら人との関わりを断ってしまえばいいと思うようになった。



 あの悪夢の二日間から九年、今はアルアトスのスラム街、シルフォードにひっそりと隠れるように生活している。

 そこは治安が悪く、建物や道路は風化が進んでいて、この街に近寄る人などほとんどいなかった。



  ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━



  母さんの命日である七月八日の今日。


 墓に供える花束を買いに、アルアトスの中心街のローレンに向かっていた。その途中に現れた、透き通る様な白い肌に白のワンピース、小柄で紅い目をした銀髪のショーヘアの少女。その少女よって俺の人生は唐突に終わりを迎えようとしていた。



「ちょっと待て! とりあえ…」

 

 話し合いの余地など微塵もなかった。

 一気にスピードを上げた少女は、俺の懐めがけて向けて飛び込み、剣を振り抜こうとする。

 

「ったく、話しぐらい聞けってんだよ!」


 聞く耳をもたない少女に反撃しようと右手を伸ばしたその時だった、




 ドサッー!




 全身の力が一気に抜けるかのように俺の前で倒れる少女。

 


「…なんかよくわかんねーけど、これは…チャンス‼︎」


視界に広がった一直線の道をじっと見つめ、倒れている少女の右側を俺の出せるフルスピードで走り抜けようとした。



「うおおおおおおー!」

 


このタイミングを逃したら、さらに面倒なことに巻き込まれるに違いない。

そうなる前にこの場を離れるのが一番だ。


一歩、二歩と走りだしたその時、一直線に見えていたはずの道が段々と視界から消えいく。


「ん?」




 ドサッー!




俺は盛大に顔面からこけた。



「いってぇぇー!」



 右手鼻を抑え、後ろを振り返るとがっしりと少女の左手が俺の足首を掴んでいた。


そして、先程とは打って変わって弱々しい声で少女はこう言った。



「お願いです。助けてください」



「…はあああああー!?」



 これが少女、リリム・レンフィアとの最悪の出会いだった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

次の投稿予定は二週後にできたらと思ってます。

(できたらいいな(><))

次回も是非、よろしくお願いします!

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