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鋼鉄のアルドラゴ~SFアイテムでファンタジー世界を冒険します~  作者: 氷山鷹乃
第1章 ある日異世界で宇宙船と出会った
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03話 武装




 さてさて、こうして再び武器庫へとやってきた訳だが、改めて見てみると壮観ではあるな。こう、男心をくすぐられるというか、自然と頬が緩む。


『改めてこれからするべき事を提案いたします。まず、この艦を出て、惑星内を探索。そして、艦の動力源となるべき高エネルギー物質を見つける。幸い、この惑星は人間が居住するに最適な環境となっています。貴方でも、ヘルメット無しで活動できるでしょう。ですが、高い確率で人間型の生命体が生息していると思われます。文明のレベルは不明。文化や種族としての性質も不明な事から、こちらも出来る限りの武装はしておく事を推奨します』

「言われなくとも武器は持っておくよ。で、俺が使えそうな武器ってお薦めとかある?」

『まずは離れた場所から攻撃する手段という事で、銃を持つ事を推奨します』

「それはまぁ、当然だわな」


 元々、喧嘩は得意ではない。……というか、まともにした事すらない。

 俺は平和主義なのだ。謝ったり逃げたりで済む問題だとしたら、それが一番いい。そこ、チキンとか言わないように。

 だから、格闘技術に関しては全く自信が無い。


「でも、俺って銃とか触った事すら無いんだけど、これって俺でも扱えるもんなの?」

『とりあえず、引き金を引けば撃てます。それを当てられるかどうかは、努力次第という事で』


 そらそうだな。まぁ、銃なんてエアガンすら撃ったことが無いから、意外な才能を秘めている……という可能性もなくはない。過度な期待はしない方が身のためなんだけどな。


『では、最初に推奨すいしょうする武器ですが、こちらをご覧ください』


 ゴーグルの視界の中で、ピカピカと点滅するものがある。視線をそちらに動かすと、棚の中にある一丁の銃を示しているようだ。

 おっかなびっくり、それを手にしてみる。

 ゴツイ銃だった。

 見た感じは地球の映画とかで見るハンドガンと呼称される銃とフォルムは似ている。

 だが、銃身部分がやたらと太い。また、銃口が何故か3つあった。なにこれ、弾が一気に三発出たりするの?


『今から、マニュアルを脳内にインストールします』

「マニュアル? ああ、あれか」


 このスーツを見つけた時のあれか。なるほど、実はコイツがやってたのか。

 すると、前回同様にこめかみあたりにピリッと刺激が走る。

 これが、インストールってやつか。便利だな。


 《トリプルブラスト》

 異なる効果を持つ弾丸を3発装填可能。

 威力も10段階まで調節可能。


 要約するとこんな感じだ。


「アーマードスーツとかトリプルブラストとか、ずいぶんとあっさりした名前なんだな」

『正式名称は型番等がずらっと並ぶのですが、そうすると貴方の言葉に訳せませんので、大体のイメージを名前にしてあります』

「なるほどなるほど」


 言葉は訳せるが、あちらの世界のアルファベットみたいな文字自体を訳す事は出来ないという訳か。

 確かに、実際に訳してもらったところで意味不明の言葉が聞こえるだけか。


「しかし、説明しなくとも当たり前みたいな部分があるな。なんだこの威力の調節ってのは。弾に威力がどうのこうのってあるのか?」


 無論、俺だって銃によって威力の異なるものがある事ぐらい知っている。

 小型の護身用拳銃と、マグナムと呼ばれる大口径の拳銃が違うもんだってことは当然知っている。

 だが、調節可能ってのはどういう事だ。


『それに関しては、実際に使用してみれば理解できるかと。弾に関しては、その箱に入っています』


 別の棚の一角が光る。

 言われた通りに見てみると、プラスチックみたいなケースに、10種類くらいの弾らしきものが入っていた。

 少ないな。こんなのすぐ弾切れになるんじゃね?

 あと、一発一発がでかいな。単一電池並の大きさがあるぞこれ。

 まぁいいや。とりあえず持って行こう。


『次は近接戦闘用の武器ですね』

「銃はこれだけ?」

『あまりたくさん持っていても使いこなせないかと思われます。それに、その銃ならば一つで複数の役割をこなせます』

「ふぅん。そんなもんなの。でも、近接って事は……」

『刀剣の類ですね』

「おおっ!!」


 剣も男のロマンの一つだ。

 こちらも、地球人にとってさほど違和感のない形状をしている。。

 やはり、姿形が似ていると武器も似通ってくるものなのだろうか。


「おすすめとかある?」


 やっぱり、日本人からしたら日本刀的な剣があったりするとうれしいな。そんな事を思っていると、これまた棚のセンターに飾ってある一振りの剣らしきものが光る。

 つば……と言えるのか、刀身と柄の間にゴツイ機械が付いている直刀の剣だった。


 《高周波こうしゅうはカッター》

 主に解体等の作業に使用される。

 柄にあるボタンを押す事で、刃が振動してあらゆるものを両断出来る。ボタンを押さなければ、切れ味はほとんど無い。


「解体用かよ!」

『元々、剣で戦う事を目的とした武器はありませんので。ここにあるのもあくまで作業用や緊急時の護身用のものがほとんどです』

「まあ、いいか。元々剣術の心得なんて無いし。これだって、形は剣なんだから振り回せば一緒か」


 それに、ボタン押さなきゃ切れないんなら、鈍器として使えるだろう。

 どこぞの峰と刃が逆になった刀みたいなもんか。

 手に持ってみると、ほどほどに重い。剣道部の知り合いに、一度竹刀とか持たせてもらった事あるけど、大体あんな感じだな。金属の剣と比べると、やはり軽いのだろう。

 ちなみに刃は、本当にカッターナイフのように長さの調節が可能であり、普段は刃を仕舞った状態で持ち歩く事が出来るようだ。


『後は実用性の高いものとして、ナイフの所持を推奨します』


 確かに、剣よりは使いやすいだろう。

 狭い場所とかだと剣振り回すの大変だしな。


 そう思って手にしたナイフは……



 《レーザーナイフ》

 高周波による振動はもちろん、レーザーによって刃そのものを大きくする事も可能。

 変形させて簡単なレーザー銃としても使用可能。


 ……剣よりも性能高いじゃねぇか。

 剣と短剣があって、誰も短剣の方が強いとか思う訳ねぇわな。

 まぁ、こちらはいざという時の為にとっておこう。


『次は防御ですね。そのスーツさえあれば大抵の事はなんとかなると思いますが、ここはどんな事があるか分からない惑星です。念には念を入れましょう』

「うん。俺も過信して死にたくは無いからな」


 何と言っても、こちとら荒事は全く経験のない高校生なのだ。

 いくら武器が高性能だからと言って、それを使いこなせるとは到底思えない。


 推奨された防具は、ガントレットとグローブだった。



 《バリアガントレット》

 左腕に装着する籠手。かざすだけで前面にバリアを張れる。


 《グラビティグローブ》

 重力を制御できる手袋。引力と斥力せきりょくを発生させる事が出来る。あらゆる物を引き寄せ、あらゆる物を弾く事が可能。また、掴んだ物の周囲の重力を軽減させ、どんな重い物でも持ち上げる事が可能。


 バリアと重力制御か!

 こいつは有難ありがたい。特にバリアなんて、子供の夢じゃないか。……いや、子供じゃなくても夢だけど。


『その二つとスーツがあれば、大抵の事はなんとかなるでしょう。後は、こちらを推奨します』


 次にピカピカと光ったのは、一着のコートだった。


 灰一色のフード付きで、飾り気が無く、丈がすねぐらいまである。

 見た目は何の変哲もないコートだった。


 《ミラージュコート》

 光を屈折させて、30分間周囲の風景と完全に同化させる事が出来る。


 光学迷彩こうがくめいさい!!

 これまたロマン兵装!!


 いかん。

 なんか薄っすら涙まだ出て来た。

 これで俺は、ロマン武器の塊になってしまったのだ。

 いや待てよ。

 ロマンと言えばまだあったな。


「あのさ、空が飛べるアイテムとか無いの?」

『ありますが、あれはエネルギーの消費が激しいので、現時点では推奨できません。エネルギー補給の目途が立ったならば使用してみるのもいいかもしれません』


 あるんだ。

 今は使えないみたいだが、楽しみが増えたともいえる。

 まぁ、とにかくこいつ等があれば敵は無いだろう。


 うん。早速使ってみるとしよう。


 

 武装の数々、ニヤニヤしながら書きました。

 武器名に関しては、名前だけで特性が分かるものにしたのですが、多分世に出ている作品群の中……被っているものは当然あるだろうな……。問題があったら変更するようにします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] いきなりそっちの話? 話が超っ早ですね 安全な場所での兵站の確保とかそういうの無いのかな 安心したらお腹すいたとかトイレ行きたいでもいいのだけど
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