137話 Aランクハンターチーム躍進
新章開幕です!
「ちっくしょう! なんなんだ、あの魔獣の群れは!!」
自分達Cランクハンターチーム・紅蓮の狩人は、浮き沈みの激しいハンターの中では、比較的ベテランと言っていいと自覚している。
ハンター歴も長く、小国のブローズ王国付近のエリアが縄張りだとしても、この付近の魔獣ならばどのような奴等が生息しているか、よーく理解しているつもりだ。
今回の仕事だって、リスクを冒さず、自分達の実力に見合った魔獣の退治を請け負ったつもりだった。
……だというのに、あんな魔獣は見た事が無い!!
情報では、辺境部の森にてクロウラー、アラクネ、ワスプ等の蟲タイプ魔獣が大量発生したとの話だった。
その程度ならば余裕をもって対処できる筈。
……その筈だった。
だが、実際に遭遇したのは、巨大なカマキリ、巨大なダンゴムシ、巨大なアリ……を連想させる魔獣の群れであった。どいつもこいつも当然ながら人間よりもでかい!
あんな奴等、見た事も聞いた事もないぞ!!
カマキリの鎌は自分達が身を隠す為に利用した木々や岩を容易く両断し、果敢に挑んだ剣士の剣すらも真っ二つにしてみせた。アイツを前にすれば、鎧や盾など意味を持たないだろう。
ダンゴムシは身体を丸めると、まるで砲弾のようにこちらに突進する。その威力たるや、岩や木々を容易く粉砕し、直撃を受けた力自慢の戦士を文字通りバラバラにしてしまった。
唯一アリだけは自分達の攻撃も通用し、倒す事は出来た。……だが、その数が多い。一匹倒している間に囲まれてしまい、そのまま襲われた者の断末魔の叫びが今も耳に残っている。
「いやだ……いやだ……いやだよぉ!!」
「気をしっかり持て! 救援は要請してある、ここを乗り切れば助かるんだ!!」
チームリーダーである壮年ハンターは、隣を走る小柄な少女を鼓舞しながら、全力で走りながら弓を射っていた。
こんなもの、硬い甲殻に覆われた蟲には通用しない。それでもやらないよりはマシだ。チームの大半が散ってしまったが、見習いとして入ったばかりのこの少女だけは、なんとしてでも守らなければ……。
最も、救援を要請したと言っても、SOS用の発煙筒を空に向けて発射しただけ。
ここは近隣の町からも距離が離れている。……あんな発煙筒に気付いたハンターが、一体どれだけ居ると言うのか。
やがて手持ちの矢も尽きた。
どうやらここまでのようだ……と観念し、せめて最後まで少女を守るべくその身体に覆いかぶさろうとした時―――
「救援要請らしきものを確認したが、お前達で間違いないか?」
「え―――?」
思わず顔を上げると、人影が自分達の前に立っていた。
それは、一見すれば子供だ。
だが、その者から発せられる佇まいと空気が、見かけ通りの子供では無いと理解出来た。
燃える炎のような赤い髪、何やら竜を連想させるデザインの額当て、そして何よりも異彩を放っているのが、その背に背負う巨大な剣だ。
見た所10代の少年が振るうには、大きすぎるだろうという剣がその背にはあった。
しかもよく見れば、柄が二つ存在する。
あんな剣、どうやって振るうというのか……。
いやいやそれ以前に、救援要請が届いたというのか?
だとしても、やって来たのがこんな子供では……
「う、後ろだ!!」
気が付けば、少年の背後に巨大アリが三体迫っている。
一体一体はそれほど強くなくとも、三体以上が同時に迫れば、恐ろしい敵となる。特に、知識の無い者が挑めばどうなるかは、この目ではっきりと確認している。
だが、少年は―――
「うわ、アリかよ……」
とぼやきながら背負っている剣の柄に手を掛けた。
すると、少年が背負っていた剣が二つに分かれたのだ。今、少年が手に持っているのは、やや湾曲していた奇妙な形ではあるが、比較的普通サイズの長剣である。
そして、その剣を一閃。
直後、少年に迫っていた三体の巨大アリは、横一文字に切り裂かれ、その場にボトボトと落ちていくではないか。
一瞬……少年が手にした剣が“縦”に割れ、そこから炎のようなものが噴き出したように見えたが、錯覚であったかどうか定かでは無い。
「あ―――」
ただの剣の一閃で、あの身体の硬いアリを切り裂いたというのか?
続いて少年に向かって襲い掛かったのは、巨大ダンゴムシである。身体を丸め、自らを砲弾のようにして少年に向けて突進する。
少年はそのまま避ける事も出来ただろう。
だが、彼の背後には要救助者である自分達が居た。チラリとこちらを確認して、すぐには動けないと判断すると、なんと少年は背負ったもう一本の剣を取り出し、更にそれを自らの盾とするように大地へと突き刺したのだ。
もう一本の剣は、今まで持っていた剣よりもやや大きく、もう一つの剣の約1.5倍程度のサイズの剣だ。大剣というには小さいが、片手で振り回すには大振りであると言える。
いや、問題はそこでは無い。
あの突進を剣で受け止めようと言うのか!? 無茶だ! 鎧を纏った仲間が鎧ごと粉砕されたんだぞ! あんな少し大きいだけの剣なぞ、簡単に折られてしまうだろう。
砲弾が剣に激突した瞬間、リーダーは抱えた少女を守るべく再びその身体に覆いかぶさるのだが、その身に衝撃は訪れない。
顔を上げてみれば、なんと少年は剣一本で砲弾の如き突進を受け止めているではないか。
ダンゴムシはその場で高速回転しながら突進を続け、剣の盾をなんとかしてぶち破ろうとしているが、少年の身体は僅かに後退する事もなく、その突進を受け止め続けている。
そして、ダンゴムシが後退して更に助走と共に加速しようとした瞬間、少年はその砲弾の身体を遥か遠くの木々まで蹴り飛ばす。
少年は一言「硬いな……」と呟くが、正直言ってそういう次元の問題では無い。
ただの蹴りの一発で、あの巨大な魔獣を吹き飛ばせる者が、世界にどれだけ居ると言うのか……。
このように、あまりに現実離れした光景を見て唖然としていると、少年は再びこちらを振り向いた。
「で、アンタ達が要救助者って事で、良いのか?」
威圧的でも無く、純粋にこちらを気にしているような声色で、少年は声を掛けてくる。その言葉に、リーダーは慌てて頷いた。
「あ、ああ。俺達がそうだ」
「……他には?」
「い、いや、俺達だけだ……」
「くそ、間に合わなかったか」
少年は苛立たし気に舌打ちすると、またもこちらに迫ろうとするアリの群れへと向き直る。
「亡骸は後で探すとして、まずはうるさい奴等を掃除しよう」
「だ、駄目だ! アイツらはまだまだ居る!! この子を連れて早く逃げてくれ!!」
「んー……数は、軍隊アリが36匹、ダンゴムシっぽいのが10匹、んでカマキリが3匹か。まぁ、なんとかなんだろ」
「な、なんとかって……」
「赤い髪……」
必死で説得しようとしたリーダーであるが、腕の中の少女が少年の顔を見て何かに気づいたように声を上げる。
「え?」
「赤い髪に竜の仮面……もしかして……」
「ああ。こう見えてAランクハンターだ。これから静かにするから、ちょっと待っていてくれ」
「え、Aランクハンターだって!?」
「やっぱり……じゃあ、貴方が……」
少年はこちらを安心させるようにニコッと笑みを浮かべる。
「……アイテムコレクター」
「!!」
噂は聞いた事がある。
エメルディア、ルーベリーと拠点を移動しながらも着々とランクを上げ、そのたびに名を轟かせるハンターチームが存在すると。
そのチームリーダーは、一見すれば小柄な少年ではあるが、様々な魔道具を持ち、またそれを使いこなす凄腕であるとの事。噂では、帝国の聖騎士と戦って圧倒したのだとか。
その噂が真実だとして、あれほどの数を一人で一掃するなんて事が果たして可能なのだろうか?
と、思っているとそこへ―――
「おーい、キャプテンが一人で先走るんじゃねーよ」
『要救助者二名を確認。……他に、三名ほどかろうじてですが生命活動を確認しました。3分以内に処置すれば、延命する事が可能のようです』
2種類の声と共に二つの影が降ってきた。
二人ともアイテムコレクターと色違いではあるが似たデザインの上着を着ていた。
一人は紫の髪を短く切り揃えた長身の美女で、もう一人は銀色の長い髪をポニーテール状に括った褐色の美少女だ。……よく見れば、右目に眼帯をしているのが確認できる。
まさか、この二人が仲間だというのか?
「そーか、じゃあ3分以内に決着つけて助けるぞ」
『しかし、どの魔獣もデータにない存在です。対処はどうしますか?』
「んー……でかいカマキリは“デスサイズ”、ダンゴムシは“砲丸”、アリは“アントルーパー”で登録しておいてくれ」
『いえ、名前では無く……』
「フェイはアントルーパーの群れを叩け。三体ほど斬ったけど、爪があれば問題なく切り裂ける。
“ヴィオ”はキャノンボールの担当だ。外皮は相当硬いから、新武装のテストにちょうどいいぞ。
んでもって、デスサイズは俺の担当だ」
『むぅ……なるほど』
「おっしゃ! いっちょ、やったろーじゃねぇか!!」
フェイと呼ばれた少女は手をぶらりと下げ、腰を深くする。空気が研ぎ澄まされ、まるで走り出す前の獣のような佇まいだ。
ヴィオと呼ばれた女性は、荒々しく両の拳を打ちつけ、これまた獣のように歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべる。
二人を例えるならば、フェイは静かな空気だが冷静で的確な猟犬。ヴィオは血に飢えた猫科の野獣……そのような印象を受けた。
まさか、今の言葉をそのまま受け取るならば、本気であれだけの数の魔獣を3分で仕留めるというのか?
「んじゃ、チーム・アルドラゴAチーム……レディ……」
正気か!? このまま逃げるべきだ……という言葉が出そうになったが、アイテムコレクターとの異名を持つ少年の顔を見た時、思わずその言葉を飲み込んだ。
年齢に見合わない鋭い眼光……。そして、激しい怒りがその瞳に宿っていた。
怒っている? 何に?
そこで、彼が直前まで見ていたもの……自分達の仲間の遺骸に気づく。
何の面識もない仲間の死に対し、憤りを感じてくれていると言うのか?
Aランクにまで上り詰めた程の男が?
「GO!」
アイテムコレクターの掛け声と共に、三人は飛び出した。
特に、銀髪の少女は獣の如きスピードで巨大アリ……少年が言うところのアントルーパーの群れへと肉薄する。
幼い少女が嬲り殺されるところなど見せる訳にはいかない……と、腕の中の少女の目を塞ぐが、実際に起こったのは逆の光景だった。
フェイと呼ばれた少女の上着は、他の二人と違って裾がまるで魔道士のローブのように広がっている。手首すら見えない為、その手に何を持っているか全く分からなかった。
その袖の中から飛び出したのは、銀色の刃だ。
いや、それは巨大な爪である。
三本の爪の如き刃が袖から飛び出し、目前に迫ったアントルーパーに向かって振るわれる。
鋼の刃ですら、何度も打ち付けなければ通用しなかったアントルーパーの甲殻を、銀色の爪はいともあっさりと切り裂いて見せた。
アントルーパーの群れがギィギィと鳴きながらフェイを取り囲む。が、そこは既に彼女のフィールドであった。
フェイはもう一方の袖からも三本の爪を出現させ、まるでダンスでも舞うように次々にアリの群れを切り裂いて行く。
そんな何処か美しさを感じる光景に、リーダーはしばし見惚れていた。
次に視線を動かすと、ヴィオと呼ばれた女性に向かってダンゴムシ……キャノンボールが文字通り身体を砲丸状にして突進するところだった。
「おうおう、アタシとパワー対決って訳かい! 受けて立ってやる!!」
ヴィオは拳を後ろに振りかぶって勢いをつけると、そのままキャノンボールに向けて正拳を放つ。
あの突進をくらって戦士は身体を粉砕される結果となった。それに向かって殴りかかるなど、自殺行為以外のなにものでもない!!
「おらぁっ!!」
パァンという激しい音が響き渡った。
なんと、拳をぶつけられてキャノンボールの突進が止まったのだ。キャノンボールの身体を覆っていた甲殻が弾け飛び、僅かながらに後退する。
目の錯覚だろうか。
ヴィオの拳が、キャノンボールに命中する直前に倍以上に巨大化したように見受けられた。
それも、何故か赤く光って見えたのである。
が、今は元の大きさのままである。やはり錯覚だったか……と思ったものの、次の瞬間また目を疑う事になる。
「硬い……硬いねぇ。だったらくらいな!! 爆砕拳ッ!!」
動きの止まったキャノンボール目がけて、ヴィオは拳を目にも止まらぬスピードで乱打する。
その拳が、またも巨大化したように見えたのだ。……いや、拳そのものは普通のサイズだ。ただ、殴りつける一瞬だけ、拳の周りを赤い光に包まれた更に巨大な拳が出現しているのだ。
そんな巨大な光る拳の乱打を受け、キャノンボールは原型をとどめないぐらい爆砕する結果となる。
最後に視線を向けたのは、チームリーダーとおぼしき少年……アイテムコレクターだった。
アイテムコレクターは大小二振りの剣を構えると、自分に向かってくるアントルーパーを左右の剣で斬り払う。両手に剣を持つ二刀流の剣士は知っている範囲でもそれなりに存在しているが、彼の場合は利き手であろう右手に小さい剣を持ち、左手に大きめの剣を持っている。本来ならば逆ではないかと思うが、そもそも大剣と長剣の二刀流というのは聞いた事が無い。彼はそのまま器用に二つの剣を操り、この中ではボス格と思われる巨大カマキリ……デスサイズへと肉薄する。
振り下ろされた鎌を左手の大剣で受け止めると、もう一つの剣でデスサイズの胴体部を斬り払う。デイサイズの胴体部からは魔力の粒子が血のように噴き出すが……浅い!
腕のリーチは圧倒的にデスサイズの方が上だ。更にそのリーチを生かし、もう一方の鎌をアイテムコレクターに振り下ろした。
コレクターはその刃を長剣で受け止めるが、これで両手が塞がった形になってしまった。
お互いに両手の武器が使えなくなり、膠着状態となっているが、残念な事にこれは一対一の戦いでは無い。
動きの止まったコレクターを狙おうと、もう二体のデスサイズが迫る。
マズイ!
思わず立ち上がりかけたが、次に起こった光景を見て、その動きは止まってしまった。
コレクターの持つ左手の大剣……の刀身部分が一部ポロリと落ちたのだ。
よく見ると、それは短剣の形をしていた。コレクターはその落ちたダガーを器用に足で受け止めると、更にポンと蹴り上げ、右足のブーツ……その脛部分にガチャリと取り付けたではないか。
コレクターはそのまま右足を蹴り上げ、自身の動きを封じていたデスサイズの腕の一つを両断する。
それによって自由を取り戻したコレクターは、右腕の長剣でデスサイズの頭部を斬り飛ばす。魔力の粒子となって消えようとするデスサイズの肉体を力任せに蹴り飛ばして、自分に近付こうとするデスサイズへとぶつける。
そしてその隙にもう一体のデスサイズへと跳んだ。そう、距離にして30メートルはあった距離を跳んだのだ。
そのまま高い位置からコレクターは自らの足を一本の剣とし、剣を振り下ろすように自らの足でデスサイズの頭部から胴体までを真っ二つに両断してみせた。
……まさか、二刀流ならぬ三刀流だとでも言うのか。あのような戦法、見た事も聞いた事もないぞ。
やがて、フェイによってアントルーパーの群れは一掃され、キャノンボールもたった今最後の一体がヴィオによって撃破された所だ。
残るはデスサイズ一体のみ。
最後のデスサイズは己の不利を悟ったのか、後ずさりをして、そのままこちらに背を向けて逃げようとした。
逃がす事は残念だが、こちらも被害が大きい。ここは、命が助かった事を素直に喜ぶとしよう……
……が、
「悪いが、逃がすつもりは無い」
アイテムコレクターは右手に持っていた長剣を、なんと逃げるデスサイズに向けて投擲したのだ。
その投擲された剣はまっすぐにデスサイズに向かい、そのまま胴体部を貫くかと思われた。だが、直前で気づいたデスサイズが急に方向転換した為、その剣の投擲が直撃する事は無かった。それでも四本ある足の一つを奪う事は出来た。
これが今出来る限界か……と思われたが、まだアイテムコレクターは諦めない。
もう一本の剣も投げるのかと思いきや、大剣を大地に突き刺すと、その剣の腹部分に足を掛けた。
すると、その剣を足場として、再び跳んだ。
あのような小柄な体格だというのに、どれほどの膂力と跳躍力があるというのか。
跳躍したアイテムコレクターは、一瞬にしてデスサイズとの距離を詰める。そして、武器も持たない身でどうするのかと思えば、空中において彼の右手のガントレットがガチャガチャと変形するのが見えた。
そして、それに応じて彼の手も赤く光を放っているのが確認できる。
「爆熱―――!!」
その掛け声と共にコレクターの右手から激しい炎が噴き出した。
「―――バーニング……フィストォッ!!!」
アイテムコレクターは燃え盛る紅蓮の右手をデスサイズに向かって突き出す。
残念だが、リーダーが確認できたのはそこまでだった。後は、爆炎が起こり、何がどうなったのかさっぱり分からない。
が、コレクターが負けたのだという予感は全くなかった。
『お二人は……どうやら軽傷のようですね。それは何より』
気が付けば、フェイと言う少女がこちらを覗き込んでいた。見られている瞬間、まるで体の中まで覗かれているような感覚を受けたが、不思議と不快感は無い。
確かに、自分達は軽傷で済んだ。というのも、他の仲間たちが自分と見習いの少女を守る為に盾となってくれた為だ。
自分達の命は、彼らが守ってくれたからあるようなものだ。これから先、ハンターを続けられるか分からないが、拾ってしまった命を大事にしなくてはならない。でなくては、彼らが死んだ意味がないではないか。
『では、三名の救命措置に入ります。怪我の程度からして、日常生活に支障は出るでしょうが、命は繋ぐ事は出来るでしょう』
フェイのその言葉に、リーダーはハッと顔を上げる。
「ん……ちょっと待て。救命? ……ひょっとして、生きているのか?」
『はい。二名はすでに絶命しているようですが、三名はまだ息があるようです。今から処置すれば、間に合うかと思われます』
「は……はは。まだ、生きている奴等が居たのか……」
すると、リーダーは地面に頭を擦りつけるかの如き勢いで頭を下げた。
「た、頼む! 金ならいくらでも払うから、アイツ等を助けてくれ!!」
『いえ、お金でしたら……』
「いーや、もらっとけ。命なんてもんは、簡単に拾えるもんじゃねぇんだ。今回は拾えなかった奴等さえ居る。その代償として、しっかり受け取っておけ」
「そうだな。そこは貰っておくとしよう」
いつの間にか、自分達の傍にヴィオという女性とコレクターまでも集まっていた。
あの爆発の中心地に居たというのに、傷一つない。
……やはり、この男は自分とは別世界のハンターだ。
章はじめはいつも通り、他チームより見たチーム・アルドラゴの活躍です。
しれっと出てきている某キャラの経緯と、新武装の数々については、次話以降説明しますのでお待ちください。