130話 銀狼少女の帰属
翌日!
アルドラゴ内のブリッジに、現状正式なクルーメンバーである俺、アルカ、ルーク、ゲイルが集まっていた。
ぐっすり寝てすっきりした俺と対照的に、体調はいい筈なのにげっそりした様子のゲイルではあるが、理由は明らかなので追及する事はしなかった。……申し訳ないとは思うけど。
そして、俺達の目の前には、まるで査問でも開かれるように緊張した様子の銀髪褐色少女……フェイが立っていた。
さて、いい加減今のこのアルドラゴにおいて、フェイがどういう状況にあるのか、説明しておきたいと思う。
それには、時間を少しばかり戻す必要がある。
どこまで戻すかと言えば、およそ10日前……俺達がシグマに敗れて、フェイが再起不能となり果てたその日まで遡る。
その日、俺達はフェイの意識データがまだ生きている事を知った。
そして、記憶データの一部がシグマの攻撃によって破損……いや、奪われていたという事。その記憶データの中には、フェイが今まで主と呼んで従っていた者のデータが含まれているという事だ。
さて、その後……俺達の間でどんな会話が繰り広げられたのか―――
◇◇◇
『フェイの主のデータ……という事は、今の貴女にはその記憶が無いのですか?』
『残念ながら……主がどういう存在で、どういう姿をしているのか……その記憶がありません』
アルカの問いに、フェイは申し訳なく答える。
「では、以前言っていたルールに関する問題はどうなるのでござる? シグマとの戦いの際は、条件が重なった為に手助けは認められたようでござるが、今こうしてアルドラゴの中に留まっている事も本来ならばまずいのでは?」
『はい。この状況がバレたとしたら間違いなくマズイですね。もし、主が今私の状況を知った場合、本体を破壊するか、もしくはデータの初期化をしてしまう事でしょう』
残酷な真実を事もなげに言うフェイ。
姉弟であるアルカとルークはその言葉を聞いて悲痛な表情となった。
同じ存在である二人は理解できるようだが、俺とゲイルはその結果がどうなるかは分からない。いや、なんとなく分かるけど、あまり言葉にはしたくないかな。
でも、ここはちゃんと聞いておかねばなるまいて。
「も、もしそうなったら?」
『今まででしたら、ここにこうしている私は消えてしまうでしょう。初期化されれば、新しい私が主の元に生まれる事になりますが、破壊されれば復元する事は難しいでしょうね』
「マジか……」
チラリと横のゲイルを見ると、悔しげに顔を歪めている。家族であるアルカ達に至っては蒼白気味だ。
『ですが、それは今までの話です。今の状況が幸運なのか判断がつきませんが、恐らく主が私の本体に何かしても、今の私には何も起こらないかと思われます』
「『『「???」』』」
フェイの言葉に、俺達は全員顔を見合わせる。
意味が分からない。
何なんだ、“今は”とか“今の状況”ってのは?
『ですので、私もこうなったら腹を括りました』
「腹を括る?」
何やら突然決意したかのような言葉を発したフェイであるが、次の言葉を聞いて俺達は度肝を抜かれる。
『このチャンスに、私はこの艦へと戻る事にしました!!』
「『『「………」』』」
あまりに突然の事に、俺達は言われた言葉の意味を必死で理解しようと反芻してみる。
今、彼女は艦に戻ると言ったか?
つまり、主とやらに組している今の状態から脱し、正式に俺達の仲間になると?
――――――マジ?
『ぬ? 何ですか、皆さん嬉しくないですか。そーですか、今まで直接敵対はしていなかったですけど、迷惑かけたりしましたもんね! あーそうですか。戻ると言ったら嬉しがると思った私が間違っていたんで―――』
全員揃ってポカンと呆けていたら、何やらフェイが拗ねたように愚痴愚痴と言い出した。
それを聞いてようやく我に返った姉弟が、慌てて弁解する。
『い、いいえ違います!! というか、本気ですか!? 本気で戻ってくるって言っているんですか、フェイ!?』
『マジで? マジでフェイ姉ちゃん戻って来るの? 嘘じゃないよね!?』
『あ、はい。マジです。マジですから、あまり振らないでくーだーさーいー!!』
二人とも、フェイの言葉が信じられない様子で、フェイの意識が入った移動用端末をブンブンと振るう。
そりゃあ、今まで色々あったしなぁ。何か取り返すための手段は無いのかと考えた事もあったし。……最も、敵の正体が全く掴めなかったので、どうする事も出来なかったんだけど。
とは言え、フェイがこのように発言してくれたと言うのは素直に嬉しい。色々あったが、俺もフェイ個人に悪印象を持っている訳では無いし、やはり姉妹で敵味方というのは良くない。家族というものは、揃っていた方が良いに決まっている。
ただ、水を差すようで申し訳ないが、ここは聞いておくべき事があるだろう。
「ちょっと待つのでござるフェイ殿。フェイ殿が正式に仲間となるという事は嬉しいのでござるが、さっきも言っていた通り今は本体を主とやらに人質にとられているのでござろう。簡単に決断できるものではないと思うのでござるが」
俺が言おうと思っていた事だが、ゲイルが言ってくれたようだ。
『ええ、そうですね』
あっさり肯定された。
俺達はそれぞれズッコケるも、フェイの補足は続く。
『ですが、今の状況はチャンスとも言えます。私があのシグマという男に奪われたデータには、今の私と本体を繋いでいる鎖の部分まで含まれていますからね』
「『『「???」』』」
フェイの言葉に、俺達は首を傾げる。
それはどういう意味じゃいな。
『つまり、今まで飼い犬のリードのように首に鎖を付けられたまま行動させられていましたが、あの機械の男がその縛られている鎖ごと私の身体の一部を持って行ってしまったので、今の私は鎖が無い状態なのです』
……今度の説明は分かりやすかった。
という事は……
「今は自由の身って事?」
『そうです』
「主とやらに囚われている人質は意味をなさないという事でござるか?』
『そうです』
「もし、本体を今破壊されたり初期化されたとしたら……」
『今の私は消える事は無いですね』
マ・ジ・で!?
……これって良い事よね?
喜んでいいのよね?
じゃあ、喜ぼう!!
「いよっしゃあっ!!」
俺は思わず大声でガッツポーズをしていた。
全員、きょとんとした顔つきでこっちを見ているので恥ずかしいが、嬉しい時は全力で喜びを表現するものだろう。
「ほらほら、何やってんだ。嬉しい時は喜ぶもんだろ」
と、俺が促すと……
『そ、そうだよね! やったぁー!! フェイ姉ちゃん帰って来るんだ!!』
『うぅ……良かったです。良かったですとも!!』
「確かに、これ以上に無い良いニュースにござる。……いや、もっと全身で喜びを表現した方が良いのでござろうか……」
ルークはその場で飛び跳ねて喜び、アルカは涙を流す機能を再現して喜び、ゲイルも喜んではいるが恥ずかしさと葛藤している。
『いや、あの……ありがとうございます。ありがとうございます……なんですが、ちょっと話を聞いてください。正式に帰る前に、クリアしなければならない問題がまだあるんです』
フェイの申し訳なさそうな声に、俺達は歓喜の叫びを一時中断する。
『先ほど言った通り、記憶データや疑似肉体を制御する為のデータもごっそり無くなってしまっているので、以前のように自由に動く事が出来ません』
「それって、意識データをうちのメインコンピューターに移せば解決するんじゃないの?」
なんとなく言ってみると、隣に立つアルカが首を振った。
『ケイ、そう簡単なものじゃありません。まぁ私達が手軽にポンポンと魔晶や端末に意識データを移動しているので簡単に思えるのかもしれませんが、データを破損したまま新たなデータに置き換えるとなると、下手をすれば、これまでのフェイとは違うフェイになってしまうかもしれません』
「って事は、所謂データを初期化しちまうって事か?」
『最も、人格データはそのままなので、違う全く私になる訳では無いのですがね』
俺の言葉をフェイが肯定する。
「でも、ここでこうして話している時の記憶や、エメルディアで共に戦った際の記憶は新たなフェイ殿には無いのでござろう?」
『初期化されるという事は基本の人格データだけを残して後は全て消去すると言う事ですから、そうなりますね』
「……よし、その案は却下だ。で、どんな問題をクリアすればいいんだ?」
俺が即座に決断すると、フェイがやや狼狽えたような声を発する。
『い、いいのですか? 少なくとも、危険は減ると思うのですが』
「いいも何も、俺とゲイルの知っているフェイは、目の前に居る君だけなんだ。それが居なくなるってのは寂しいもんだろ」
「そうでござる」
『そ、そうなのですか……』
俺達が顔を合わせてうんうんと頷くと、フェイは声を小さくしながらも了承してくれた。
そして、フェイからシグマが最後に使った技は、別の次元に触れた物を収納してしまうという事……
つまり、消されたと思われていたフェイの肉体の一部はまだ健在であり、肉体やデータを取り戻す為にはシグマとの再戦が必要な事……
更に言えば、なるべく追い詰めてあの技を出させるように仕向けなくてはならない事……
を、伝えられる。
それによって、今度は徹底的に勝つための作戦と戦法を練り上げ、遂に実行に移したのである。
◇◇◇
その結果、作戦は大成功。
しんどい戦いだったけども、俺達は勝利し、フェイの肉体もデータも取り戻す事に成功したのだ。
だが、ここでふと疑問に思う者も居るだろう。
肉体とデータを取り戻したのならば、また元の主とやらに仕えていた頃のフェイに戻ってしまうのではないか?
その件は、無事に解決済みである。
なんと、フェイはシグマの作りだした異空間内において肉体とデータを取り戻す際、必要なものとそうでないものを分別したのだという。
つまり、肉体と必要なデータのみを手元に残し、自分と本体を繋いでいる鎖部分のみをそのまま異空間に取り残してきたのだと言う。
……理屈はさっぱり分からないが、空間が完全に断絶されているあの異空間だからこそ出来た芸当らしい。つまり、本来ならそんな便利な事出来ないよ……との事。
ともあれ、これで晴れてフェイは自由の身である。
俺達は意気揚々と彼女を迎え入れ―――たいのではあるが、現実はそう夢のようにはいかない。
今までの事があるので、ここは慎重にいかざるを得ないのである。
「それで、身体とデータを取り戻せたみたいだけど、どんな感じなんだい?」
俺が尋ねると、フェイは自分の身体を見下ろし、軽く手を握ったりして感覚を確かめたのちに返答した。
『どんな感じ……と言われると困りますが、とりあえず身体の動きに不具合はありません。やはり、身体を自由に動かせるのは良い事ですね』
「うんまぁ、喜んでいるなら何よりだ。で、昨日頼んだ検査の結果はどうなんだ?」
隣に立つアルカへと尋ねる。
昨日頼んだこと……つまり、本当にフェイは言葉通りに自由の身になれたのかという事だ。
トロイの木馬みたいに、仲間に入り込んだ後に発覚するタイプのウィルスだったという可能性もあるからな。
『……ネットワーク経由で外部と繋がっている形跡はありません。データも入念にチェックしましたが、ウィルスのようなものが仕組まれている痕跡は無いようです』
うむ。これで本当にフェイは大丈夫なんだな。
これでもし主とやらが本体に何かしても、こちらのフェイがどうにかなる事はない……。
でも、改めて考えるとちょっとした疑問が浮かぶ。
「ちょっと聞くけど、本体が別にあるとするなら……今のフェイはいったいどういう状態なんだい?」
『そうですね……本体は本体として存在していますが、意識データは空っぽのままです』
『私とルークも本体と呼べるユニットはアルドラゴのメインコンピューターに接続されています。今の状態は……ケイの世界の言葉で言うならば、幽体離脱しているようなものでしょうか』
「なるほど、幽体離脱か……」
『最も、姉さん達は以前までの私と同じように、本体と見えない鎖……この場合は紐ですかね。とにかく、それで繋がっているようなものです。ですが、私の場合は本体と完全に分離しているので、そのまま幽霊のようなもの……という事でしょうか』
「幽霊か……。じゃあ、もう一度アルドラゴのコンピューターに接続しなおせば、元に戻ると言う事か?」
『いえ、本体をこのままという訳にも行きません。破壊されたと言う確証が無い以上、メインコンピューターには接続しないでおきます。まだ何か仕込まれていないか、正直不安でもありますので』
「じゃあ、本体を取り戻さなきゃいけないって事か……」
そこまで言って、これまたある事実に気づく。
「となると、もし敵がフェイの本体を再起動した場合……どうなるんだ?」
『……その場合、私がもう一人生まれることになりますね』
「……いいのか、それって……」
『うーむ。本来、私達はコピー不可能な存在ですので、こういう状況そのものがイレギュラーなのですよね。私も、もう一人私が生まれるとなると……想像が難しいですね』
「となると、敵側にもフェイ殿が新たに生まれる……という可能性があるのでござるか」
それは複雑な状況だ。
言ってみれば、フェイのクローンが敵にも存在する事になる。いや、本体はあちらになるのだから、こっちがクローン扱いになるのか?
『とは言え、せいぜい本来の管理AIとしての動きしか出来ないと思われます。今の私のように変幻自在の肉体をもった存在が生まれると言うのは、考えにくいです。それに……』
詳しい説明をすると長くなるので今は割愛するが、とにかくフェイが持つ金属の肉体は、ワンオフの代物であり、早々簡単に用意できる物ではないようだ。
という事は、肉体も含めてフェイの二号機が現れるという心配はしなくていいらしい。
……あくまで今のところは。
さて、ここいらで一番気になっていた事を尋ねるとしますか。
むしろ、シグマ達と戦って理由の半分がこれなのだ。
「それじゃ、改めて聞かせてもらうぞ。フェイ、君が今まで主と呼んでいた存在について、知っている事を話してもらおうか」
『……分かりました』
フェイはチラリとアルカを見る。そして何故か軽く頷き、話し始めた。
『主の名前そのものは不明です。ですが、立場は神聖ゴルディクス帝国……科学技術班の最高責任者にあたる者です』
やはり帝国なのか……。
しかし、それだけと疑問が浮かぶ。何故、帝国に属している筈のフェイが、エメルディアでゲイルと共に聖騎士と戦ったのか……。
尋ねると、そもそもフェイは帝国自体に属しているという訳では無く、その科学技術班の男の私兵なのだという。
そこであの面倒なルールを与えられ、今までそのルールに反しない形で動き回っていたらしい。
今まで何をしてきたのか……聞くのは心苦しいが、聞かねばならないだろう。
………
……
…
よし!
これで聞くべき事は聞いた。
疑問はまだ数多くあるが、それはおいおい聞いておくとしよう。
俺は手をパンパンと叩くと、改めて全員を見渡した。
「まだまだ聞きたい事はあるが、とりあえずこの辺にしておこう。フェイも当面問題ない事が理解出来た。だったら、これで正式に仲間に―――」
『その件なのですが……』
俺の言葉をフェイが遮り、チラリとアルカと目配せする。
アルカも苦虫を噛み潰したような顔付きで、頷く。
『艦には戻ります。皆さんのサポートもきちんとします。ですが、私は皆さんの敵に属していた立場、私自身自覚していない罠がまだ仕組まれている可能性もあります。ですので……』
すると、フェイは自らの右目に手を添えると、いきなり目に手を突っ込んで右目を取り出したではないか!! んぎゃー痛てぇ! いや、本人は平然としているから痛みとかはないのかな? 見ているこっちは痛いんだけども。
取り出して右目は眼球というよりは銀の玉のようであるが、それをフェイは俺へと差し出す。
『昨夜、姉さんに頼んで作ってもらいました。これは、私自身の制御装置になります。手に持って命令を下せば、私の身体はそれに従うように出来ています。これで動きを止める事も出来ますし、破壊する事も可能です』
「は、破壊出来るって……そんな大事な物を俺に渡すってどういう事なんだよ!!」
『いえ、大事な物だからこそ貴方に渡すのです。さっきも言った通り、安全のために私は艦のメインコンピューターに接続しません。という事は、艦長が持つ絶対命令厳守権が通用しないと言う事になります。その場合、私がもし何かイレギュラーな行動をしてしまったら、これで私の動きを制御してください』
「マジか……」
『はい。それが艦長としての役割です』
「アルカ、いいのかそれで?」
俺が助けを求めるようにアルカを振り返ると、彼女は強く頷いて見せた。
『フェイが望んだことです。私も副艦長として、それを了承しました』
「……だったら、俺も艦長として受け取らざるを得ないな」
俺は差し出された制御装置を受け取り、自身のアイテムボックスへと収納する。
いざとなったら、俺はこれを使わなくてはならない……。
そのいざという日が来ない事を祈る事しか俺にはできないが、とにかく覚悟だけはしておかねばならない。
『では……』
俺が受け取ったのを確認すると、フェイは突然その場に跪いた。
『今この時より、私は手足となり、牙となりましょう。戦艦アルドラゴ管理AIが一つ、通称フェイ……艦の操舵及び戦闘班員に着任します。どうかよろしくお願いします、艦長』
ゲイルの時も思ったが、皆格好良い口上だな。そして、美男美少女であるが故に、異様に様になっている。
対する俺と言えば、そんなどこぞの君主らしい偉そうな立派な事は言えないぞ。
だが、まぁこれが俺なのだ。
頼りない素人艦長であるが、何事も出来る事からコツコツと……だ。
「うん、それじゃあフェイ、改めてよろしく頼む」
俺が跪いたフェイに向かって手を差し出すと、彼女は少しだけ照れたように笑みを作り、その手を握り返した。
期せずして拍手が起こる。恥ずかしいが、我慢だ我慢!!
色々とあったが、これでようやくアルドラゴのクルーが5人になったな。
こんなめでたい状況ではあるが、俺はさっきの問答中にフェイが言った言葉が気になっていた。
「その主って奴は何で俺達を付け回したり、追い詰めたりしているんだ? っていうか、何で俺たちの事を知っている?」
そう尋ねると、フェイは首をフルフルと横に振った。
『残念ですが、詳しい事情は私も聞いていないので知りません。ただ、姉さん達やアルドラゴを自分の物にしようとしているという訳では無さそうでした。むしろ、何かをテストしているような気がします』
「それは……そうなんだろうな」
搦め手を狙っているという可能性もあるが、アルドラゴやこちらの装備の数々を自分達のものにしたいのなら、もっとやりようもあると思う。それに、聖騎士達が俺達の事を知らなかったことから察するに、その主とやらは自分の上司……帝国の上層部の者達に知らせていないのではないか?
『それと、私に指示を出してきたのは正確にはその者ではありません。その者に会ったのは最初に私を起動して、この肉体を与えたその時だけです。それ以降、その者とは顔を会わせた事も、声を交わした事もありません』
おっとそれは重要情報だ!!
てっきり今までその主とやらが事細かにフェイに指示を出していたと思っていたぞ。
「そいつは何者だ?」
『小柄な金髪の男で、見た目はルークよりも年上でしょうか。名前は……アウラムと名乗っていました』
……アウラム。
何故か、フェイの主である帝国の科学技術班の奴よりも、そいつの存在が気になっていた。
そいつは、これからもまだ何か仕掛けてくるつもりなのか……。
フェイ、ようやく正式に仲間に……長かった。
後二人は、果たしてどうなるのか……。