file9 魅惑のデート回! 中編
眠かったですよ(ドヤ
駄文になったですよ(ドヤ
期待するなですよ(ドヤ
「コーラMサイズ2つと、ポップコーンのMを1つ下さい」
「かしこまりました。右手にて少々お待ち下さい」
昼食を食べ終わった俺と愛川先輩は、3Fの映画館に来ていた。やはりデートの定番といったら映画だろう。
先輩もデートで映画に行くことに一種の憧れを抱いていたらしく、隣でいつも以上のチワワっぷりを発揮していた。
それにしてもこの映画、ジャンルが書いていないのでどんな映画かわからない。ホラーは苦手なのでそれだけは勘弁してほしい。
「勇吏君、もう少しだよもう少し!あと少しで映画デートが出来るよ!ポップコーンをシェア♪いぇーい!」
このときの先輩のテンションボルテージはMAXだった。
しばらくして、店員からトレイに乗ったドリンクとポップコーンが手渡され、俺が会計をした。友達が少ない俺は、基本的に金をあまり使わないので今日は財布の中に3万以上ある。そのおかげか、先輩に洋服や飯代を奢ることも出来たのだ。今までの俺が初めて肯定された瞬間だった。
△▼△▼△▼△
『健矢のこと、前から好きだったの!』
『俺もだ、佐恵!俺達……結婚しよう!』
映画の内容は、まぁ面白いかな、という位。
メインとしては健矢と佐恵のラブストーリーだが、ギャグやシリアスも要所要所に紛れていて決して飽きるものではなかった。
最後は二人は結ばれてハッピーエンド。隣で喜ぶ先輩と共に、つい俺も一緒になって喜んでしまった。
画面が暗転し、スタッフロールが流れる。
「あー、楽しかったねぇ!私は勇吏君と一緒に見れたことで10倍くらい楽しかったけどね!」
「じゃあ俺は10倍楽しかった先輩と見れて20倍楽しかったってことで」
「じゃあ私は40倍!」
「どんどん累乗されていく……」
スタッフロールを横目に見ながら小声で話す。
周りもよく見たら男女カップルだらけで、みんな個人の感想などを言い合っていた。
すると、しばらくしてまた画面が明るくなる。どうやらまだ映像が残っていたようだ。
まぁそこまで見る予定はなかったし、俺たちは会場を出ようと席を立ち……
『健矢、健矢ぁー!』
『佐恵!あぁー!』
何故かとんでもなく卑猥な映像が流れ始めた。
「ぅ、ぅぁぁぁ……!」
先輩も席に座り直し、まじまじとソレを見ている。俺はスクリーンの光に反射させ、チケットをくまなく見ると、右端の方に、『 [R15] ※一部卑猥な映像が流れることがあります。15歳未満の方は視聴を御遠慮下さい』と書かれてあった。
「早く言えよ!!だから受付の人、苦笑いしてたんだ……」
『あぁー!!』
今もなお流れるR15映像。まじまじと凝視する先輩。恥ずかしさのあまり俺は、先輩の腕をひっ掴んで会場をあとにした。
△▼△▼△▼△
「なんなんだあれは……」
急いで会場を後にしたのと、直前にあんなものを見せられたため、とても気まずい。愛川先輩も恥ずかしいのか顔を真っ赤にしてうつむいている。
「大丈夫ですか、先輩?」
「う、うん。あれにも驚かされたけど、強引に勇吏君が引っ張ってくれたことが……」
「あぁ、すみません!つい体が過剰反応を……」
「過剰反応!?」
「あああ!?」
気が動転して墓穴を掘ってしまった。
「………男の子って、みんなああいうやつ、好きなの?」
「ええいや、そんな訳ではないけど……いやそんな訳あるか?と、とにかくあの!」
「………私、勇吏君なら、いいよ」
ドキン、と心臓が跳ね上がる。
先輩は先程よりももっと頬を桜色に染め、手を前で交差しながらもじもじとこちらをチラ見してくる。一瞬で乙女を見せるようなところなんか、反則染みて可愛かった。
「いや、そういうのはちょっと……」
「私、腕引っ張られて嬉しかったんだよ。いつも優しくて、私を最優先に考えてくれて、ちょっと強引で男っぽくて。……もっと惚れ直しちゃった♪……でも、ちょっと捕まれた時は痛かった」
「す、すみません……以後気を付けます……」
「じゃあ、責任!」
そういうと先輩は、俺の元まで駆け寄ると低い身長を補うように背伸びをして……
頬に、暖かく柔らかい感触がした。
数瞬遅れてキスだと気付き、俺は顔を真っ赤にする。映画館の入り口で頬にキスなんかしていたら、周りの目に嫌でも入ることに今気付いた先輩も、
「ほ、ほら、早く行こう!次はプリクラプリクラ!」
といって一緒にこの場を去ったが、先程の感触が忘れられず、結局プリクラを撮っている時もボーッとしてしまった。
寝ぼけ顔みたいな顔でプリクラに映ってしまい、先輩には申し訳なく思った。
こんなもので皆さんが楽しめたのなら幸いですよ(ドヤ