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略してチー研、略すな危険!  作者: 筈佳 椎名
Target1 ~愛川美優編~
4/12

file4 フラグ建築は突然に

1日空いちゃいました……

まぁ2日投稿でも

自分の中ではかなりのハイペースなんですがねww



「……きゃあ!?」

「……ってうわぁ!?す、すみません!」

「うん、こちらこ、そ………?」


 しっかり前を向かなかったので女の子にぶつかってしまったらしく、そのまま女の子に尻餅を着かせてしまった。

 曲がり角で女子にぶつかるとは、俺はフラグ建築士か何かか?


「……なにしてんだ勇吏。女子に曲がり角でぶつかるとか、1級フラグ建築士かよ」

「だからお前は俺の心の中を読むな!」


 こんな緊急事態でも紅はいつも通りの平常運転だった。

 そんな紅のことなど特に気にしてもいないので急いで俺は女の子の方に向かう。


 先程尻餅を着いた子と目が合う。

 正直言って凄く可愛かった。

 茶髪のセミロングの後ろには、アクセントの黄色いリボンがちょこんとくくられていた。

 小柄で目測でも俺の肩ぐらいであろう身長。スラッと細い足、見事な曲線美を描いた胸の膨らみ。顔も凄く整っていて、くりくりの瞳がこちらを見上げている。

 動物で言えばチワワみたいな、まさに守ってあげたくなるようなスペックを誇っていた。


「大丈夫ですか?どこか怪我は無いですか?」

「ううん、大丈夫だけど……」


 「女の子は慎重に扱え!」そう父から教わって生きてきたので、なるべく優しく声をかける。幸い怪我は無いようだった。

 何気ない感じで手を差し出し、立ち上がるのを補助しようする。だがその女の子は俺の手をまじまじと見つめると、いきなりボンと赤くなって、「もう、1人で大丈夫だよ……!」と立ち上がってしまった。差し出した手をどこにやれば良いのかわからず戸惑ってしまう。


「ったく、いったい勇吏はどんだけ………っ!!」

「ど、どうした!?」


 その刹那。

 立ち上がったその子に目線を移した紅の行動には、さすがの俺でも驚かされた。

 紅は、凄い勢いでメモとペンを取り出して女の子に向かってファイティング・ポーズをとりだしたのだ。

 俺も女の子もわけが分からず、女の子は「えっ!?何ですかそのポーズ……こ、怖いよう」とうずくまってすらいる。

 そりゃそうだ。紅にあんな剣幕で睨まれた時には、俺だったらチビっちゃうもの。

 とりあえず、何故この子に向かって敵意むき出しの行動をとるのか、紅に聞き出さなくてはならない。


「おい紅、この子がどうしたんだよ」

「ふふふ……勇吏、早速部活の時間らしいぞ?」

「てことはこの子が『チート』?どこもないと思うが」


 改めてうずくまった彼女を見つめる。

 『チート』話でよくある異常な腕力や脚力が出せるほどの筋力は無いだろうし、むしろ俺よりも力事態は弱いだろう。

 頭もそこまで良いというわけではない気がする。なんかこう、いかにもガリ勉みたいな雰囲気は出ていない。

 俺がしばらく考えていると、紅が詳細を入れてくれた。


「彼女の名は愛川美優(あいかわみゆう)。3年生だ」

「3年!?マジかよ中学生とかじゃねぇのか!?」

「ごめんねぇ……これでも3年生なんだぁ……」


 後頭部をかりかりと掻きながらエヘヘとはにかむ愛川先輩。いかにも中学生の輝いた笑顔に見えてしまい、こちらも吊られて笑ってしまった。


「……ロリコンめ」

「う、うるさい!声がでかいぞ!!」

「ロリ……?」

「先輩は気にしないで下さい!て言うか気にしたら負けです!」

「うん、わかった」


 やけに先輩の物わかりがいいのはあとにして、紅に答えを聞き出すことにした。正直先輩の『チート』なんか全く見当がつかない。


「愛川先輩は、力や頭ではなくまさにその容姿が厄介なんだ」

「つまり先輩の能力は?」

「先輩はその『チート』級の可愛さで男たちを(とりこ)にする能力を持っている。まぁお前はロリコンだから年上には興味ないか」

「う、うるさい!あるにはあるぞ!」


 …………と思いたいが。


「あら、もうこんな時間?大変!ピアノのレッスンに遅れちゃう!」


 確かに時計を見たら4:00を過ぎていた。


「またね、えっと……」

「岸谷勇吏です。よろしくお願いします」

「わかった勇吏君ね。覚えとくからね!」


 そこまで言ってまた愛川先輩は白い歯を見せながらこちらに笑いかけてきてくれた。こちらも紅の目線が気になるが、ちっちゃく手を振って返す。じゃあ、とだけ言って愛川先輩とすれちがうように別れる。



「……………君、ターゲットだから。そのつもりで、ね?」

「え?」


 一瞬囁くように聞きにくい声が耳元で聞こえた。放課後で廊下が静かでなければ聞こえなかったくらいの呟き。

 それが愛川先輩のものなのか、ただの空耳だったのか。


「…………私たちも帰るか。充分メモは取ったし」

「ってとりすぎだろ……真っ黒で何も見えないんだが。どっかで違うページに変えればよかったのに」

「その手があったか」

「お前は馬鹿か!……まぁバカだよな」


 この疑問は、結局濁されてどこかへ流れていってしまった。

今回から本格的に研究が始まりましたね。

まずは学園のアイドル、愛川美優編です。

なるべくかわいくする予定です、どうか最後まで……

こんなもので皆さんが楽しめたのなら幸いです。

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