file2 始まりはオワタ\(^o^)/
ストックがないのにもかかわらず
連日投稿できた自分にビビってます。
(基本的に不定期なんで;)
今回は1700文字と少し多めになってしまいました。
誤字脱字があったら感想やメッセージで……
「私は、『チート研究部』たるものを作りたいんだ!」
…………はぃ?
ますます何を言ってるのか理解できなかった。
いや理解したくなかった。
「この学校にはだな、私が名付けた『チート』と呼ばれる能力を持った輩が数多く存在する。私は彼らのその力の源を研究し、どうにか私だけの物に……いやみんなのために力になることがしたいんだ!」
「今思いっきり野望言ってたぞ!?」
まるで漫画のように己の野望を漏らす紅。紅を慕うものたちが見たらさぞかし凄い表情を浮かべるだろう。失望とか。
「まぁ気にしないで。しかし彼らの力の前には到底私だけではついていけない。そこで『チート』級に普通な君に入部を要請する!」
「はいはいそうですか頑張ってください俺は入んないんでそこんとこよろしくていうか早くこの縄解いてよ」
「なっ……!」
まるでこの世の終わりを見たかのように紅は硬直した。
俺は部に入らないという言葉に相当きているようだ。
幸いあまりのショックで紅がナイフを落としてしまっていたので、足で引き寄せ強引に縄の拘束を解く。
俺が立ち上がり前を通りすぎてもまだ紅は口をわなわなと震わせ、その場から動けないでいた。
紅は俺に部への入部を求めていたが、俺にしてみれば知ったこっちゃない。紅の都合はどうだっていいのだ。
1人固まる紅を他所に、俺は扉に手をかける。その先に待っているのはいつも通りの平和で平凡な日常で………
「……なんだ、ロリコンなら早くそう言えよ、じれったい」
扉をあげる直前、紅からポツリと漏れた言葉。
その言葉は小さくかすれてしまい、“俺を除く”大抵の人なら気にも止めないだろうが。
俺の足を止めるには、充分すぎる言葉だった。
「お前、今なんて……」
「貴様はロリコンだと言ったんだ。私のこのスペックにもほとんど反応しないということはタメには興味なし。ナイフを使ったSなプレイにも反応しないのなら選択肢は『お前もS』か『ロリコン』しかなくなってくる。お前はSには到底見えないからな、もうロリコンしか無いだろう。何歳がベストだ?小5くらいか?それとも幼稚園児?果てまで行って赤ん坊という選択も……」
「俺がロリコンかどうかはいいとして自分のスペックをここまで自慢できる人はなかなかいないよな……」
「話をそらすな!貴様ロリコンだろ?そうだろ?なるほど、赤ん坊か。赤ん坊とはまたマニアックな……」
「赤ん坊はないだろ!」
「ほう?赤ん坊『は』、無いのか……」
「あ……」
やってしまった。
「よし決まりだ!お前はロリコン、これは確定。この事実をお前の友人が知ったらきっと友人は黙って引くぞ?」
「そ、それだけは止めてくれ……!」
「まだ1ヵ月しか経っていないんだ。完璧に固い絆など作られる訳がない!所詮人間は憎い生き物さ!」
「ぅぅぅ~………」
ヤバイむっちゃ泣きそう。ていうか紅は熱が入りすぎじゃないか?例え倉庫の中とはいえさすがに声が外に漏れてしまう。
ここは紅の暴走を押さえるためにも……
「わ、わかった!入る、入るから!入部するから静かにしろ!」
「ぇ?あぁ、わかった!よし!これで部が作れる!」
先程の形相とはうってかわって嬉々とした表情をする紅。
嬉しい顔をされると、思わずこっちの顔も緩んでしまう。何だかんだでこいつは可愛いやつなのかもしれない。
「ん?どうしたお前、汚い顔がさらに汚くなってるぞ?」
「うるせーな!余計なお世話だ!」
やっぱり前言撤回!汚物の塊だった!
△▼△▼△▼△
「というわけで!今日は『チート研究部』略して『チー研』の創部記念日だ!喜べ!」
「体育倉庫の中でいうことじゃないと思うが……ていうかもうその『チート』?を持つ人達に目星はついているのか?」
「とりあえず3~4人は確認した。とりあえずここから出て、とりあえず職員室に部の届けを出しに行こう!」
「とりあえずが多いのはツッコまないでおいてやろう…」
「いやそこはツッコもうよ!『スルメかよ!?』て」
「意味がわからん!!」
「ていうか君の名前って何?」
「一番大事なところだろ!?」
そうして。
「岸谷勇吏と紅明日香のカオスな日常はやっとの思いで幕を開いたのであった~!」
「口に出すな!あぁ、こいつの相手は疲れるわ……」
次回から本格的に始まると思われます。
投稿がいつになるかはわかりませんが、
なるべく早く投稿できるように頑張ります…
こんなもので皆さんが楽しめたのなら幸いです。