file1 紅さんの目的は……?
頭の中に舞い降りてきたので投稿しました。
暇があったら投稿する感じで……
これを見ている君。
君がもしこの現代社会で、大量の敵兵に襲われたらどうするだろう。
恐らく現実でそんなことはあり得ないのだが……
きっと大抵の人は180°回転して逃げるか、腰を抜かすに違いない。
まず向かっていく者は皆無だろう。
だがしかし、私はこの1ヵ月でこの学校の『異例』達をあぶり出した。
なんせこの学校には、敵兵とすごい速さで鬼ごっこを始めるものや、持ち前の愛らしさで敵兵を虜にするもの、さらには何気ない感じでなぎ倒しながら進むものもいたのだ。
そこで私は、彼らの人一倍長けた能力のことを『チート』と呼ぶことにした。え、もう呼ばれてる?まぁいいや。
これから私は、彼らの秘めたる力の根源を探るために高校に拠点を作りたいと思う。その拠点には、少なくともあと1人は班員が居ないといけないらしい。
どこかに手頃な人材は……
……お、丁度いいのがいるじゃないか!!
△▼△▼△▼△
さて、ここで問題だ。
この俺、岸谷勇吏は!
……今現在どんな状態でしょう?
1,食堂で友達と飯を食っている
2,校舎裏で高学年にボコられている
3,体育倉庫で美少女に監禁されている
常識を持った一般人なら、迷わず1番を選んでくれるだろう。
2番だったらこんなクイズしている余裕は無いし、3番はまずアニメの世界にしかない設定だ。いやアニメでも最近は王道過ぎて無いだろう。
という事で正解は………
正解:3
「何でぇぇぇぇええええ!!??」
「うるさい!」
「ひぃ!」
小型のナイフを首筋にあてられる。金属の冷たい感触に思わず体が硬直、俺の頬に冷や汗が流れた。
というわけで(どういうわけか)3番は事実。現在岸谷勇吏、つまり俺は1階の体育倉庫に監禁されていた。
ついさっきまでは3階の廊下をやっとの思いで作った友達と歩いていたのに、突然後ろから口元に何か薬品の付いたハンカチを当てられ、(クロロホルムとかなんとか)そのまま意識を失ってしまった。壁にかけてある時計を見たが、もう40分くらい経っている。既に授業は始まっているだろう。友人が先生を説得してくれることを祈るばかりだ。
「ところで、なんで俺を監禁するんだ……!」
「君は『チート』級に普通の人間だからね。私の計画に都合の良いパシリ……もとい私の手足なんだ。」
「パシリっておい!手足っておい!」
「……ところでパシリってなんだっけ?」
「意味わからないなら使うな!紅!」
俺は必死の思いで目の前の少女の名を叫んだ。
紅 明日香。
恐らくこの学校で知らない人はいないだろう。入学式では代表でスピーチしてたし。
ルックスも段違いに高く、ナイスな体型と持ち前の明るさで俺のクラス1年5組どころか学校中の人気者だ。
しかもすごい強運の持ち主らしく、噂では鉛筆のルーレットだけで新入生代表、つまり最高得点を出したとも言われている。今どき鉛筆も珍しいな。
「性質はどうであれ『チート』級の君なら、彼らの『チート』能力とも渡り合えると思うんだが……」
「て言うかお前なんでさっきから『チート』って言葉にこだわるんだ?」
思えば紅は、さっきから『チート』を連呼している。そこまでこだわるのには、何か理由があるのだろうか。
「聞きやがったなこの野郎!じゃなくてよく聞いてくれた!私の最終目標は実はそこにあるのだよ!」
「はぁ?言ってる意味がわからない。もっと簡単に言ってくれないか?」
「むぅ?これでわからないか。脳みそ腐ってるんじゃないか?」
「腐ってるのはお前だ!」
いい加減ツッコむのにも疲れてきた。
というかこいつの相手が疲れる。
俺の中で紅のイメージが音をあげながら崩れていった。
「よし、じゃあお前にもわかるように言ってやろう……」
「私は、『チート研究部』たるものを作りたいんだ!!」
………………はぃ?
基本的に、1500文字前後で1話を構成する予定です。
作者名はなんとなくです。読みは「はずか しいな」さん。
こんなもので皆さんが楽しめるのなら幸いです。