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漆黒の翼  作者: 荒野 埜薔薇
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漆黒の悪魔

遂に悪魔マルコシアスと契約します。

~ローゼ~シティ3ビルにて

ローゼ=リズミルはロリアーノの婚約者である。

美しく、大統領の一人娘である彼女。

しかし、彼女には一つ問題があった。

【彼女は内気な性格だった】

彼女は引きこもりで、怖がりで、人の本性がすぐ分かる性格だった。

しかし、それでもロリアーノは彼女を愛していた。

そして、ローゼも彼のことを愛していた。

彼女はいつもこう思うのだ。

【彼は特別で私のことを信じてくれる】と。


~ケンジ~ シティ1にて

今日はミワと買い物に行くことにした。

ミワが前から欲しがっていた服を買うためにだ。この店は人気アイドルsunriseのセッカがプロデュースしている店である。ミワは前からそこに行きたいと行っていたから二人で行くことにした。


「ケンジ見て見て!!この服CMに出てた服だ~可愛い~!!」


お前も可愛いよと言いたいが言えない。何故かというと恥ずかしいから…


「あ…ミワ…この服…君に似合うんじゃないかな?」


ケンジが勧めたのは、薄い紫と青のグラデーションがかかったワンピースだった。もしかしたら拒否するのではないかと内心思った。しかし、ミワの反応は以外だった。


「これも可愛いね。じゃあ、ケンジが勧めてるんだからこれを買おっと♪」


え?嘘だろ!?ケンジは思った。まさか本当に買うとは彼も予想してなかったからだ。


午後6時。人々が帰宅ラッシュのこの時間。この時間は街の中央の時計台が虹色に光る時間だった。この時計台の下で、ケンジはミワに告白したのだ。だから、この時計台はケンジとミワにとって思い出の地と言ってもいいところだった。


「ケンジ…ここ…」


「あぁ…僕が君に告白した場所だね。」


「そうね…ここは本当…なんて綺麗な所なんだろう…」


「うん…確かにそうだね…」


しばらく二人は時計台を見つめていた。その時、時計台の頂上が光った。しかも、その光はケンジ達の方に向かってきた。


「な…なんだあれは!!」


「「「皆逃げろー!!rosaだ!!rosa軍が攻めて来たぞーーーー!!」」」


「「「rosa軍だと…!?」」」


「まさか…人間狩!?」


「ケンジ!!逃げよう!!」


『原澤ケンジ…貴様はそこから動くことは許されない。今すぐ我らrosa軍の元へ行くのだ!!』


後ろから声が聞こえた。振り向くとrosaの捕縛軍の戦艦とケンジと同い年位の女の子が立っていた。


「だ…誰なんだ!君は!!」


「私…?私の名前はパルザール=レオンバルト!!捕縛軍の指揮官よ。原澤ケンジ…貴方はこの世界を救うためレメトゲンとして選ばれたのよ。さあ!我らと一緒に来るのよ。」


「レメトゲン…何…それ?」


「レメトゲン…それは悪魔に選ばれし者…契約した悪魔を自由自在に操ることが出来るのよ。この世界を救うため、悪魔と契約するために原澤ケンジ…貴方は選ばれたのよ。」


「やだ!!僕が犠牲になることで世界が平和になろうともミワを見捨てることなど出来ない!!」


「ケンジ…」


「やっぱり…犠牲になる人間で恋人と離れる人は沢山いたけど…今回も力付くでやらなきゃいけないわねぇ…」


すると、パルザールは指輪を掲げた。さらに、何がなんでもケンジを捕縛しようと捕縛軍の戦艦もケンジに銃口を向けてきた。


「我が守護悪魔グラシャボラスよ…我が身に宿るが良い…この世を……血の海に染めよ!!」


呪文を唱えた途端、竜巻が起こった。竜巻が収まった時にはさっきとは別人のパルザールがいた。片目は金色に染まり、額にはもう一つ目が存在してた。さらに、両手には斧を持っていた。


「原澤ケンジ…力付くでも貴方を連れていく!!貴方が世界を救うのよ!!」


「…っ……逃げぞ!!ミワ!!」


「ケンジ危ない!!」


ミワを連れて逃げようとした途端、ケンジは地に倒れた。見上げると弧を書き、鮮血を舞うミワの姿だった。


「み…わ……ミワァァァァァァァァ!!」


「ウフッ…アハッ…アハハハハハハハハハハハ!!まあなんと哀れな子なんでしょうか…さあ!行くのよ!!」


ミワ……ごめん…僕のせいだ…真っ先にミワを連れて逃げていたら助かったのに…僕は弱いから、僕には決断力がないから、僕に……力がないから。

力が欲しい!!あいつに対抗出来るチカラが!!

チカラガホシイ…


『力が欲しいか?』


え?何だ!?声が聞こえる!?


『我と契約しろ。そうすればお前は力を手にいれることが出来るぞ。全てが思いのまま…あの娘も助かるぞ。』


ミワが助かる…ミワ…君を助けることが出来るなら…僕は!!


「力が欲しい!!僕の身はどうなってもいい!!ミワを助けることが出来るなら悪魔に魂を売っても構わない!!」


『そうか…契約成立だ!!』


すると、ケンジの体はオレンジの光に包まれた。


「我が守護悪魔マルコシアスよ…我が声が聞こえるか?我の声が聞こえるならば我が身に宿るが良い。この世を…赤き炎に包め!!」


呪文を唱えた途端、僕はオレンジの炎に包まれた。暫くすると身体に力が宿るのを感じた。僕は悪魔のような格好をしていた。


「ん…ケン…ジ…?」


意識が朦朧としている中私が見たのはー…

漆黒の翼を持ち、黒き衣を羽織った悪魔の姿だった。

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