迷いと救い
ゴブリンに襲われたこと。それを助けてもらったこと。誰もいない町を彷徨ったこと。そして子供が喰われたこと。
この世界に来てからの色々なことが頭を駆け巡る。
「な、何でもっと早く来てくれないかったんですか! もっと早く来てくれればあの子も・・・・・・。」
俺は何かに責任を転嫁させようとしていた。あの子を見殺しにしたことの罪悪感を少しでも分配したかった。
すると向こうは申し訳なさそうに話し出した。
「私はここに常にいるわけでもないのでな。助けれたのなら助ける。しかし、私は対象者がコチラに来たことしか感知できない。どうしても反応に遅れが出てしまう。本当にすまない・・・・・・。」
「こっちも悪かった。俺が見殺しにしたんだ。あんたに何言っても俺の責任だ。」
そうだ。俺を助けてくれたこの人だって話からして、ここの住人ではない。むしろ助かること自体が稀なのだろう。
その人は少しの沈黙の後少しずつ言葉を出した。
「・・・・・・このようなことは、日常茶飯事ということはなかったが、最近ではかなり起きている。常にアンテナは出していたのだが・・・・・」
2人の間に沈黙が生まれる。お互い以外に人がいないので音がなく、そのことが緊張感を更に強くする。
その間、俺の中では名称のわからないものが蠢いていた。
それに気付いたのか、相手は俺に解決へ糸口になるかもしれない言葉を発した。
「この世界を打破する力が欲しいか?」
2日目終了です。
3章は短文になりそうですが時間はかかると思います。(肉付けと構成の推敲に時間が・・・)
ですが、お付き合い願います♪