第七話
「翔真ちゃーん、如月さんたちと瑠那ちゃんが来たわよー。」
「あーい! 今行く!」
ああ、怠い。マジで怠い。瑠那との登校。これはいい。護衛官である如月さんたちがいるのも安心が出来るからいい。行く時と学校内の目線も百歩譲って許そう。仕方ない。そういうものなんだ。だが、許せないものがある。
「これがあるからいやなんだよなあ。」
下駄箱を占領する手紙の数々。普通のはまだいい。中には髪の毛やら縮れた毛やら写真、果てはそういった物もある。流石にドン引きが勝る。一応護衛官の人が掃除はしてくれている。しかし、手紙と言う点が厄介なのだ。プレゼントは危ないから拒否はできる。しかし手紙の受け取りの拒否はできない。そうしてしまえば女子の出会いがなくなる。そこから暴動やらに派生する可能性を考え一番安全であろう手紙は最後の蜘蛛の糸のごとく拒否できない。とは言え剃刀やらの危険物を封入したりした生徒は次回以降接触禁止となるという規定はある。
「毛関係もある意味危険物だろ......。」
「否定はしません。」
「可哀そうだね~。じゃ、また休み時間ね!」
「おう。......瑠那も見といてください。」
「かしこまりました。」
瑠那に対するイジメがあるかもしれないからな。そうならないための措置。これは法的にも認められている。実際男子と仲が良かった女子がイジメられてその結果自殺、仲が良かった男子もその結果を受けて結婚せず引きこもりみたいな事件もあったしな。あ、こういう男子が思ってることとかネタになるんじゃね?
クソほど騒がしい人の波をモーセのごとく割って教室に入る。因みに許可がない生徒が勝手に入ると普通に警察へGOである。教室に入ると手紙を一通りみる。百通に一通ほどSAN値チェックが入りそうな手紙がある。あれか? もう終わってもいい......だからインパクトが残るものを......! って感じのなのか? 普通に迷惑なだけなんだよなあ。インパクトが残るのはどっちかと言えば普通の俺の趣味とかの話をしてくれる手紙の方が残るんだよなあ。そして見ていると。
「ん?」
そこには〈夜気海人のことをばらされたくなかったら〉という一文があった。それを見ると俺は護衛官の人に頼んでこいつを通報する。普通に脅迫なんだよなあ。わかんなかったのかなあ。男関係の法律は厳しいのに。
「どうしてこう毎回突き抜ける子が出てくるのか......。目の前でドナドナされるのを見てんのに。」
「禁断の果実だからですよ。ダメと思っても、それに手を出した前例を見ているのに手を出さずにはいられない。」
「けど中学に入ったらもっとイケメンに出会えるかもしれないのに?」
「大抵は出身小学校の人間で固められてますからねえ。高校は出席義務がないところも多く、一番チャンスがあるのが小学校ですから。」
「へえ。」
そう言えば、他の男子をあまり見たことがない。偶に健康診断で会うくらいだ。大抵目が死んでる。可哀そう。
その後は俺は他のクラスが図書室を使用してるときは教室内で貰ったプリント等をしつつ、誰も使用していない時間に図書館で本を読んでいる。本当は体育館で運動だったりしたいが大抵使っているので出来ない。なので学校内での運動は教室内にあるトランポリンやバランスボール位だ。休み時間、昼休みには瑠那、そして護衛官の審査を突破した生徒たちとの交流をした。これはガス抜きだ。瑠那だけだと不満が爆発する。だがそこに他の生徒が居たらその不満は少なくなる。むしろ瑠那と仲良くなることでその枠に入れるのではないかと思いイジメの計画を破綻させることが出来る。つまり、瑠那に反感を持つ生徒の中からまだ多少はまともな奴と交流することで瑠那の敵を減らし、逆にスパイとする。ちゃーんと俺も
「普通に良い子にしてたらまた遊べるね。俺もまた遊びたいなあ。」
というリップサービスも忘れない。ああ、人間社会と言うのはとても面倒だ。あ、遊びはトランプとかの比較的肉体的接触がない物だ。
五時間目が終わり、無事帰宅できた。前回は誘拐犯がいて誘拐されそうだったが今回は何もなかった。まあ護衛官の他に警察とかも居たからそのお陰でもあると思う。いっつもお疲れ様です。
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