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読んでいただいてありがとうございます。数字を丸で囲むと、どうも謎の文字化けするようです。

 フェリシティは、とても気分良く家に帰ることが出来た。

 ローガンと出かけられないことは残念だが、新しい友人、と言っていいかどうか迷うが、知人が出来た。

 レイモンドは大人の男性だけあって話がとても上手く、フェリシティはどうしてもローガンと比べてしまった。

 比べてしまうのはいけないことだと思いつつも、同世代か父親世代としか話をしたことがなかったフェリシティは、世の中にはこういう男性もいるのだということを知った。


「お嬢様、楽しそうですね」

「えぇ、楽しかったわ」


 フェリシティ付きのメイドのシンディが、笑顔で紅茶を淹れながらそう言った。


「お嬢様がローガン様のところから帰って来て、そんな楽しそうな顔をなさるのは、久しぶりですね」

「そうだったかしら?」


 言われてみれば、ローガン様との会話はいつも同じで発展がなくて、いつしか楽しいという感情が抜け落ちてしまっていたのかもしれない。

 どちらかと言うと、断られて残念、という気持ちの方が強く出ていたのかもしれない。


「ローガン様は関係ないの」

「そうなんですか?」

「お友達?そう、新しいお友達が出来て、その方のお話がとても面白かったのよ」


 さすがにその人が年上の男性で、名前は聞いても家名までは知らない、というのは言わなかった。

 変な風に誤解されて、家族に心配はかけたくない。


「あ、やっぱりローガン様じゃなかったんですね」

「……私、そんなに分かりやすかったかしら?」

「最近は、ローガン様と会っても以前ほど笑われなくなっていたので、心配しておりました」


 子供の頃からフェリシティを知っているシンディには、心配をかけてしまっていたようだ。


「心配をかけてごめんね。でも、ローガン様と何かあったわけではないのよ。穏やかすぎるくらいの仲よ」

「お嬢様……」

「大丈夫よ。お父様たちにもし聞かれたら、そう言っておいてね」

「はい」


 心配そうなシンディが部屋から出て行ってから、フェリシティはため息を吐いた。

 シンディに言った通り、ローガンとは何もない。

 だからこそ、少し不安になってしまう。

 ローガンにとって、フェリシティはどういう存在なのだろう?

 婚約者なのは分かっている。

 けれど、どこかに一緒に出かけることもない。

 会話が弾むわけでもない。

 ただ穏やかに、当たり障りのない会話を繰り返している。

 一緒の場所にいるだけで、お互いに不干渉のような状態に、いつの間にかなってしまった。

 ローガンはそれで満足しているのかもしれないが、フェリシティが満足しているかと聞かれれば、答えに迷ってしまう。

 別に、物語の中のお姫様のような生き方をしたいわけではない。

 けれど、このままでいいのかも分からない。


「……結婚しても、こんな感じの生活を送るのかしら……?」


 それでは、ただ同じ屋敷で暮らしているだけになってしまうのではないか、そんな不安がフェリシティの心の中に渦巻いていたのだった。

 


 

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