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まがい物

作者: カケル

 知らぬが仏。

 知らない方が幸せ。

 そんな言葉。

 昨日マクドナルドのビッグマックのセットを食べた。

 けれど今日本屋に立ち寄ったとき、加工食品への警鐘鳴らす本を手に取った。

 超加工食品。

 毒物の塊。

 自分達が食べているのはもはや食べ物ではなく、ただの『モノ』だと。

 今度はそのまま図書館へ行き、食品に関する本を読み漁った。

 閉館後の帰り道、近くのマクドナルドが目に入った。

「…………」

 お腹が空いた時、食べたくなった時、マクドナルドへ行ってハンバーガーやポテトを頬張った。コンビニやスーパーへ足を運んだ時は、空腹感を紛らわすようにお菓子や菓子パンを口にしていた。

 けれど今。

 見る目が変わる。

 何気なく考えもなしに口にしていた『食べ物』。

 広がった視野によって、もはや無邪気に口にする気が失せた。

「全部嘘じゃん」

 拡大解釈すると。

 この世界にもはや『天然』や『未加工』の食べ物が無い。

 無農薬であろうと、使う肥料や石灰も加工品。

 自動車や私生活のゴミによって汚れた環境にはべったりと『毒』が混じり、雨にもその汚れが浸透している。

『日常』を。

 遠くに感じた。

「……仕方ない、のか」

 多少なりとも健康を考え。

 自炊でもするかと決心し。

 菓子類も諦める。

 けれど近くのスーパーへは歩いた。

 明日の昼は。

 社会人になって初めての手作りの弁当だろう。


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