万華鏡のように煌めくこの世界!
だから、清浄・無垢な生命の「無垢識」の心の目から見れば、この世界では「善い」、「悪い」というものはない。
このように生命の奥底にある心は、すべての生き物を導くために本来の心を気づかせるために、仮にそれぞれの縁を結ばせて、互いに成長するのを見守っているのじゃ。
といっても、この奥底の心が自分の心と別のところにあるものでは無く、生命を持つ一人ひとりの心、そのものに宿っていることじゃ。
そこには、他者とか、自分という分け隔てはない。同源の血を分けた生命の兄妹であり親子なのだ。
互いが互いを写し出し、永遠に成長を促す。私には、正にこの世界は万華鏡のように煌めいて見える。
お師匠様、でしたら私や他の人もそれぞれ今の善悪の癖を持った心のままでよいということでしょうか?
半分当たりで、半分は誤っておる。そちも本当は気づいているじゃろうが、この生命・心の世界の原理に気づいた者には、新たな課題が与えられる。
それは、鏡のような心の世界の説明にちょいと戻るが、鏡には、何でも透過させる「ガラス」とその後ろに反射させる「銀幕」、そしてもう一つの根源となる「光」が必要じゃ。
ただの鏡は、光とガラスと銀幕があるだけで、ただ目の前のものを写し出すだけだ。
しかし、心が磨かれた者には、清浄・無垢な生命本来の心の智恵が光のように輝いていてすべてを見通す力がある。だが、すべての生き物を導きたいと願うあまりあえて心の癖を捨てることはない。
それは、同源の血を分けた生命の兄妹、親やこどもを自分と同じように平安な心の世界に導きたいからだ。
このように、この生命・心の世界の原理に気づいた者は、この気づきによって、清浄・無垢の心がもたらす「希望」、「勇気」…「光」を与える者にならなければならない…。
…
(次回「一人ひとりが大切な珠を持っている!」)