蓮池の観音様!
第1話 出逢い!
何時ものように今日も蓮の生えた池の傍らで、観音様と弟子のマサキ君が問答している。
マサキ君は小さい頃から昔話や童話が大好きで、特に「みにくいアヒルの子」と「お釈迦さま物語」を何回も仕事で忙しい母に換わって面倒を見てくれている姉にお話しをねだっては困らせていたらしい。
ある日マサキ君は、修行中のお釈迦さまが、暗い洞窟のなかで、襲いかかろうとした大蛇に「あなたもお腹がすいていて、命を保つには人も食べなければならないだろう、しかし私にすることがあり、どうか今はこの1個のリンゴを差し上げるから、それですませてくれないか」と言って無事だったと言う話を聞いた。
その時、マサキ君は「あんな怖そうな蛇ともお釈迦さまは心が通じるんだ!」、もしかしたら僕にも「周りの人や言葉を交わせない動物たちに僕の志も伝わるのかな?」と想った。
この日からマサキ君は夜寝る前に、こう願った「この世の中のありとあらゆる人を救うと言われます観音様、どうか私も世の中のすべての生き物が平安な暮らしが出来るようにお手伝いしたいので弟子にしてください」と。
【え?何故、お釈迦様ではなく観音様に願うのかと…それはまず身近な人に頼りたいという人のさがなんです。】
幾日か 経ったある日、夢の中に観音様がお出でになり、こうおっしゃた「すべてのありとあらゆる生き物たちと心を通じ、世界の平安を実現したいとの願いを叶えてやろう!」
「ただし、この道中は困難で、自分が座っている椅子を自分の手足を使うことなく自由に動かせるようになるというように難しいことだよ!」
おもわずマサキ君はこう答えた「大丈夫です。どうか私を弟子にしてくたさい!」
観音様は「分かった。お前を弟子にしよう!ただし、お前が真に進む道を悩んだ時だけ私は姿を現しお前の問いに答えてやろう!」と。
マサキ君は「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と即答した。
それから、蓮池でのマサキ君にと観音様との問答が始まった。